世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

番外編・プリウス急加速問題(84)

2011-04-26 10:19:23 | Weblog

上記の「日産のEV『リーフ』、42kmの燃費認定」(http://wiredvision.jp/news/201011/2010112520.html)を見ると99マイル(158.4km)を1ガロン (3.785L)で走り、41.8km/Lの燃費と言う、そしてバッテリーは7hでフル充電され、その状態で73マイル(116.8km)の走行が出来る、としている。電気自動車の走行距離は6掛けだということを、'10/6/8,NO.48で紹介しているが、この116.8kmは160kmの7掛けとなっているが、それだけ技術が向上したと言うことであろう。なおLA-4とは、Los Angeles郊外での走行モードを想定した北米での排ガス測定モードで、実使用に近い燃費計算が出来ると言われている。現行プリウスの燃費は、一番軽いLグレードでは10・15モード38km/LJC08モードでは32.6km/Lと言ったところだ。だから41.8km/Lと32.6km/Lとの差を、大きいと見るか小さいと見るかは、人それぞれなのだが小生はそれほど大きい差ではないのではないかと感じているのである。ちなみに116.8km(73マイル)を走行するのにリーフは、ガソリン換算で2.8L消費し、プリウスは32.6km/Lの6掛けで20km/Lで計算すると5.8Lのガソリンを消費することになる。その差はわずか3.0Lとなり、リーフはその時点で7hの充電を必要とするが、プリウスはその後も39.2Lのガソリンが残っている(燃料タンク容量は45L)ので、更に39.2×20=784kmもそのままで走行できる事になる。3Lのガソリンを節約するために7hの充電か、更に700km以上も走行できる余裕があることを比較すると、明らかに700kmも走行できることのほうがメリットがある。だから近距離用として割り切れば、EVはかなり使い勝手のよいグリーンカーなのであろう。しかしその程度はどれほどか。これは燃費だけの比較なので、環境的にはどんなものかの評価は入っていない。

しかしEVが本当に環境に、それほどやさしいものか、と言った疑問は残る。LCAでの環境影響評価の公表を期待したいものである。そして電気自動車が、例えばリーフは、一般ガソリン自動車に比べて、これだけCO2の排出が少ない、と言ったことはいまだ聞かれないのだが。
ちなみにJC08モードとは、10・15モードと異なり、エンジンはコールドスタートで始動され、走行距離8,182m(4,165m)、最高速度81.6km/h(70km)、平均速度24.4km/h(22.7km)、走行時間20分(9分)で、( )内は10・15モードの場合で、さまざまな走行パターンでの燃費を計算する方法である。走行パターンの設定方法は同じだが加減速などの走行状態はJC08の方がより厳しい物となっている。この項はhttp://www.carview.co.jp/green/ecoword/20/83/ を参照している。




世界カー・オブ・ザ・イヤーに日産EV「リーフ」
2011.04.22 Fri posted at: 09:16 JST


リーフ(写真提供:日産自動車)
ニューヨーク(CNNMoney) アジア、欧州、北米の自動車ジャーナリストらが選定する2011年の「世界カー・オブ・ザ・イヤー」に日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」が選ばれた。米ニューヨーク国際自動車ショーで21日、発表された。BMW「5シリーズ」やアウディ「A8」を抑えての受賞となった。

リーフは昨年12月に米国で発売され、日本と欧州でも流通している。2012年には他の海外市場にも投入される計画だ。

日産のカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)は、「世界初の量産モデルとなった電気自動車である日産リーフが名誉ある賞を受賞したことは大きな喜びだ」と語った。ゴーン氏は、2020年には世界自動車市場の10%をEVが占めるようになると予想している。

リーフはリチウムイオン・バッテリーを動力源とし、排出ガスを出さない。バッテリーは約8時間で充電でき、航続距離は約160キロ。これに対し、同時期に発売された米ゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー・ボルト」は、バッテリーのみを使った場合の航続距離は約64キロで、その後はガソリンエンジンで駆動する。

リーフの米国での店頭表示価格は約3万3000ドルだが、連邦税額控除を考慮した実質価格は約2万5000ドルとなる。GMのシボレー・ボルトは約4万ドル(実質価格3万2500ドル)。

リーフは昨年、米国エネルギー効率経済協議会の選ぶ「最もグリーンな自動車」でも、ホンダの天然ガス自動車「シビックGX」に次いで第2位にランクされている。
http://www.cnn.co.jp/business/30002518.html




天然ガス自動車と言うものもあるのですね。現在環境対策が第1のテーマとなってきているので、これからはいろいろな発想のもとに環境にやさしい動力が研究されて行くことであろう。さしずめバッテリーが一番の懸案事項であろうが、リチウムイオン二次電池の動向と、それを使ってどんな車を作ってゆくかと言ったところが最大のポイントとなろう。これからも楽しみだ。
がんばれ、日本。がんばろう、日本。
(終り)
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番外編・プリウス急加速問題(83)

2011-04-25 18:17:16 | Weblog

レーシングカーになった『ニッサン・リーフ』
2011年4月21日(木)08:29
Chuck Squatriglia

日産自動車のレース部門NISMO[ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社の愛称・通称]でマシンのチューニングに取り組んでいる人々は、信じられないような車を作り上げた。『リーフ』をベースにしたレーシングカーだ。ーーそう、すばらしい技術を使いながら控えめな電気自動車リーフ(日本語版記事)だ。
新しいレーシングカーは、『リーフ NISMO RC』と呼ばれている。ボディーはカーボン・ファイバー製で、モノコック構造。モーター等はミッドマウントで、サスペンションはダブル・ウィッシュボーンだ。[4月20日から開催のニューヨークモーターショーに北米日産が出品]
ホイールベースは市販のリーフより約10センチ長く、タイヤには18インチの鍛造ホイール[ブリヂストン製の225/40R18レーシングタイヤ]を使用している。通常のリーフと比較した場合、車高は約35センチ低く、全幅が約17センチ広く、全長も約2センチ長いが、それでも見た目はリーフと似ているーーまあ、それなりには。
残念なことに、性能は外見ほど優れてはいない。乗用車タイプと同じAC同期モーターとバッテリーを搭載しており、最高出力は107馬力、最大トルクは280Nm[ニュートン・メートル/28.6kgm]だ。
カーボンファイバーを使用したことで、総重量がおよそ40%軽い約938キロになった。これによりパフォーマンスは向上したが、この車は決して速い車とはいえない。0キロから100キロまで加速するのに6.85秒を要し、最高速度は時速約149キロしか出ない。さらに、このスピードで走り続けると、24キロワット時のバッテリーは20分で切れてしまう。
日産はさまざまな場でこの車をデモンストレーションする予定だという。

英文リリース
http://www.nissannews.com/newsrelease.do;jsessionid=8C1BBF4E62F65FDFD45BA4502C977AAD?&id=2400&mid=

WIRED NEWS 原文(English)
http://www.wired.com/autopia/2011/04/nissan-leaf-nismo-rc/

  ・ 日産のEV『リーフ』、42kmの燃費認定2010年11月25日
     http://wiredvision.jp/news/201011/2010112520.html
  ・ 日産EV『リーフ』米国で好調:3日間で6635人が予約2010年4月27日
     http://wiredvision.jp/news/201004/2010042720.html
・ 日産の電気自動車『リーフ』試乗レポート2010年2月1日
     http://wiredvision.jp/gallery/201002/20100201113058.html

http://news.goo.ne.jp/article/wiredvision/world/2011news1-29617.html


 
そんなこんなで、こんな事情も鑑みると、シボレー・ボルトのやり方も賢明なやり方のひとつなのであろう。先にも挙げたが、発電機などを搭載する電気自動車EVが研究されて行くことであろう。その発電機の動力を何にするかが、知恵の出しどころとなろう。小生は太陽光を電気に変える塗料なども、その有力なひとつと思っている。しかしこれも夜間の走行となると、問題がある。だから補助的に何らかの発電機を動かすための動力を搭載することになるのではないかと踏んでいる。トヨタは究極的には、その候補として燃料電池、即ち水素ではないかと考えている節がある。海水から水素を取り出し、安価な水素タンクが考案されて、巷に水素ステーションが幅を利かす世の中になっているかもしれない。今後が楽しみだ。

  
さて、日産リーフは「2011 World Car of the Year」を受賞した。このリーフの航続距離は、日産によればLA-4走行モードで160kmであるが、160kmも走れれば通常の使用には問題は無いのであろうか。それしか走れないものと認識してこの車を使えば、いつの間にかそれでよいものと、定着して行くかもしれない。そしてそれなりに充電設備が存在すれば、いつかは流行して行くのか。そんな風にも思えてくるのだが、車に対する『いつでも、どこでも、どこへでも』と言ったコンセプトに対して、我々の認識や受容がどこまでそれに追いついて行けるかが、ポイントとなるであろう。しかもバッテリーの充電には、7~8 時間も掛かってしまうと言う。いわば一晩中充電していなければならないことになる。普通はこれでもよいのではあるが、しかしいつもこれでよいと言うことにはならないところが、厄介なところである。このため電気自動車の使い方ではそれなりの問題となる。如何にこの問題を克服するかが、各自動車メーカーの腕の見せ所なのであり、夫々必死に切磋琢磨しているゆえんである。だから近距離用と割り切り、バッテリーも小さくして4時間で充電できると言うコンセプトも出てくるのである。
(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(82)

2011-04-23 10:18:06 | Weblog

さて、電気自動車に関しては、面白い記事が載っていた。日本、米国、欧州、中国の四地域での、消費者の意識にはかなりの違いが存在する、と言う。日本の消費者はEVに積極的かというと、この四地域では、最も積極的でないのだ。日本人は、電気自動車には最も消極的らしい。電気自動車の特性に、精通しているからなのか。ある意味知れば知るほど、EVには、小生も、積極的にはなれない。夏場になれば、その意味をいやと言うほど、知らされることになろう。なんと言っても日本の夏は、高温多湿この上ない。エアコンが、今の豊かな時代には、必需品なのだから、電気自動車でエアコンを利かせて走れば、すぐにでも?バッテリーは干上がってしまうであろう。だからトヨタも今一歩腰が引けているのであろうか。それに対して、中国では5割もの人が電気自動車に期待していると言う。

それならそれで、トヨタもそこそこの電気自動車を作って輸出したらどうかとも思うよ。そこそこの、と言うのは、適当な大きさのバッテリーを積んで、適当な距離を走ればよいと割り切って、相当コストを落とす、品質は高級さなどは必要ないとこれまた割り切り、故障さえしなければよいくらいに考えれば、かなりリーズナブルな電気自動車を出せるのではないか、例えばダイハツの軽自動車などを使って。ある意味中国に電気自動車ならぬEVの足がかりを作っておくことは、将来的には必要なことなのである。中国での現在の電気自動車は、多分に下駄履き的な使われ方なのであろう。それにマッチすれば、今はよいのである。だから消費地は、多分農村地帯なのであろう。もちろん都市部には本格的なEVが必要となるであろうが。




Asia Challenge
EVに積極的な消費者は中国、日本は最も消極的、デロイトトーマツが調査

2011/04/19 18:13
清水 直茂=日経Automotive Technology

図1 日本が最も消極的な結果となった
[クリックすると拡大した画像が開きます]

 デロイト トーマツ コンサルティングは2011年4月19日、電気自動車(EV)に対する消費者の意識調査の結果を報告した。中国と米国、欧州、日本の一部の結果を公表し、EVに対して中国の消費者が最も積極的で、日本が最も消極的という結果になった。例えば1年以内にEVを購入またはリースする可能性が高い消費者の割合は中国で50%と高く、日本ではわずか4%にとどまった(図1)。

 調査は2010年11月から2011年3月にかけてインターネットで実施し、中国で1163名、米国で1007名、欧州(7カ国)で4760名、日本で2075名の一般消費者を対象にした。項目は大きく四つあり、(1)消費者セグメント分析、(2)車両価格意識、(3)充電時間意識、(4)実際の平均走行距離、である。(1)のセグメント分析では、EVの購入に関心が高い消費者の割合を調べた。1年以内に購入またはリースしそうな消費者の割合が中国で50%、米国で12%、欧州で16%、日本で4%となった。

 (2)の車両価格意識では、同クラスのガソリン車と比べた場合に、EVに対してどの程度の追加コストを支払うのかを調べた。最も価格にシビアなのが日本である。ガソリン車と同等またはそれ以下の価格を望む消費者の割合は日本で63%と最も高かった。その他の地域は51~57%である。

 (3)の充電時間意識では、EVの充電時間がどの程度であれば購入やリースを検討するのかを調べ、日本の消費者が最も短い時間を希望するという結果となった。満充電までに2時間以内を希望する割合が最も高いのが日本の81%である。次いで欧州の67%、米国の60%、中国の55%となった。(4)の平均走行距離は、日本の消費者が最も短かった。平日の平均走行距離が80km未満の消費者の割合は、日本で94%、欧州で80%、米国で79%、中国で77%である。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110419/191236/




また日産は、EVのリーフのレーシングカーを、NYモーターショーに出品している。NISMOが手がけたと言うが、レース場では20分しか走れないと言う。だからあくまでもそんな車も作れる、と言ったところか。最高速度も149km/h だと言う。そんなに速くはない。しかしなんと言ってもリーフは、世界で唯一と言ってよいほどのEVだ。これからも進化を続けて行くであろう。

(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(81)

2011-04-22 00:16:57 | Weblog

オバマは2008年11月4日の大統領選挙で勝利し、2009年1月20日の大統領就任式で正式に第44代アメリカ合衆国大統領に就任している。この辺の事情は、当ブログの'09.2.3あたりの「バラク・フセイン・オバマ大統領(5)」を参照願うが、次の大統領選挙は来年の2012年11月に迫ってきている。今度も大企業や巨大労組から多額の金をもらって選挙戦を戦うことになるであろう。今度はそう易々とは、オバマも当選することはないとは思うが、日本の産業界への影響は、どんなものになるか予測がつかない。オバマのそのような癒着?を示す記事を次に掲げる。




日経ビジネスONLINE
水野博泰の「話題潜行」from NY
2011年4月11日(月)
米原発業界を守るオバマ大統領の事情
1/1ページ
 やはり、バラク・オバマ米大統領には原子力発電業界を見捨てられない――。福島第1原子力発電所事故の深刻化、リビアなど中東情勢の緊迫化を受け、オバマ大統領が3月30日に行った米国のエネルギー安全保障に関する演説に、関係者はほくそ笑んだかもしれない。

 オバマ氏は、原油輸入を2025年までに現在の3分の2まで削減するとの目標を掲げ、沖合油田、天然ガス、バイオ燃料などの開発・利用を推進するとともに、自動車のエネルギー効率向上といった方針を示した。もちろん、最大の注目は原発をどうするかで、演説からその部分を引用しよう。

 「日本での原発事故を踏まえて原子力についてつけ加えたい。米国は既に電力需要の5分の1を原子力で賄っており、原子力は温暖化ガスを排出することなく電力供給を増やせる選択肢だ。ただし、安全性確保は不可欠で、既存の全原発施設を至急点検するよう原子力規制委員会(NRC)に指示した。日本の事故から学び、次世代原発の設計と建設に生かしていく。危険な放射性物質や技術を拡散させることなく、各国が原発を利用できるようにするための国際的な議論をリードしていく」

 つまり、世界各国で反原発の動きが猛烈に高まるのとは逆に、アクセルを踏み込む姿勢を示したのである。中東への原油依存からの脱却や温暖化ガス削減というお題目に嘘はないだろう。だが、政治家バラク・オバマとしては、再選がかかる来年の大統領選挙のことを強く意識したのは間違いない。

 実は、オバマ政権と原発業界の関係は深くて濃い。例えば、イリノイ州シカゴに本社を置くエクセロン。17基の原子炉を保有・運営する米原発最大手で、 2008年の大統領選では社員の個人献金だけで20万3663ドル(約1700万円)をオバマ陣営に献金(OpenSecrets.org調べ)。共和党の対抗馬ジョン・マケイン氏には3万6600ドル(約300万円)と差をつけた。原発大手のエンタジーもオバマ氏には1万3300ドル(約110万円)だが、マケイン氏に6650ドル(約56万円)と、原発業界はオバマびいきの傾向がある。

極太なシカゴ・コネクション

 特にエクセロンとは特別な関係にあるようだ。オバマ氏の選挙参謀であるデイビッド・アクセルロッド氏にとっては、かつて経営していたコンサルティング会社の顧客がエクセロンだった。昨秋まで大統領補佐官を務めたラーム・エマニュエル氏は投資銀行に勤めていた2000年、電力会社2社の82億ドル(約 6900億円)に上る合併案件を担当。その結果、誕生したのがエクセロンだ。同氏は今年シカゴ市長選に出馬し当選、5月に就任する予定だ。

 さらに、エクセロンのジョン・ロジャーズ副会長はオバマ陣営の選挙資金調達担当であり、ジョン・ロウ会長兼CEO(最高経営責任者)はワシントンに本拠を置くロビー団体原子力エネルギー協会(NEI)の代表も務める。ちなみに、エクセロンは32年前に炉心溶融事故を起こしたスリーマイル島原発にある2基の原子炉のうち、無事だった1号機を2003年以来、所有・運営している。

 あの事故以来、米国の原子炉新設は凍結されたままだが、福島第1原発の事故の余波が世界中を駆け巡っている最中の3月30日、NRCはジョージア州で申請されている原子炉建設計画の環境アセスメントを終え、「環境に影響なし」との結論を出した。米政府は、30年以上ぶりの原子炉新設の再開に向けて着実に歩を進めている。

 今年1月に新設した「雇用と競争力に関する大統領評議会」の議長に指名されたのは、渦中の原発メーカーゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルトCEOだと振り返るのはうがち過ぎかもしれない。だが、オバマ政権がある限り、米原発業界の火が消されることはないだろう。

日経ビジネス 2011年4月11日号96ページより
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110407/219354/?rt=nocnt




ここに名前の挙がっているラーム・エマニュエルは、「アメリカの日本潰しが始まった」(徳間書店、日高義樹著)の冒頭に記載されている四番目の腐敗して政治家なのだ。一番目はもちろん、バラク・フセイン・オバマだが、二番目はバイデン副大統領、そして三番目があのラフード、四番目がエマニュエル大統領主席補佐官なのだ。詳しくは、当ブログ2010/8/21のNO.52を参照願う。

(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(80)

2011-04-21 00:04:07 | Weblog

そんなトヨタではあるが、テスラとの提携のメリットをすぐさま世に問うている。テスラタイプのバッテリーを搭載したRAV4EVを早速発表している。






トヨタ自動車、2010年LAオートショーで
テスラと共同開発の電気自動車コンセプトモデル「RAV4 EV」を発表
   2010年11月18日
―Ev航続距離は、実走行環境で100マイル程度を目指す―


 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、11月17日(水)から28日(日)まで米国ロサンゼルスで開催される2010年LAオートショーに、テスラモーターズ(以下、テスラ)と共同開発を進めている電気自動車のコンセプトモデル「RAV4 EV」を出展した。

 「RAV4 EV」は、ユーティリティー性の高いRAV4のボディをベースに、テスラのEVシステムを搭載し、実走行環境で100マイル(約160km)程度のEV航続距離を目指したコンセプトモデルである。今後は、2012年米国での市販化に向けて、米国が中心となって車両の開発をさらに加速させていく。

 テスラとトヨタは本年5月、電気自動車とその部品の開発、生産システム、及び生産技術に関する業務提携を行うことで基本合意。トヨタはベンチャー企業であるテスラから、電気自動車の技術やチャレンジ精神、意思決定のスピード、柔軟性を学ぶことを狙いとしている。
 またテスラはトヨタのもつ車両の開発・生産に関するノウハウを学ぶことを狙いとしている。

 トヨタでは、1997年に世界初の量産ハイブリッド乗用車プリウス」を発売し、これまでの累計販売台数は200万台を突破。また、1996年にニッケル水素電池を市販車として世界で初めて搭載した「RAV4 EV」(初代)を発売し、2003年までに約1,900台を販売。このように、トヨタでは電気をはじめとした代替エネルギーの利用促進により、石油消費の抑制、CO2排出量の削減に取り組んでいる。
以上
http://www2.toyota.co.jp/jp/news/10/11/nt10_1105.html



このRAV4EVのバッテリーは、当然テスラ製のものだ。例の18650と言う、その昔ソニーが開発したパソコン用の円筒形(Φ18×65mm)の電池を(テスラロードスターの場合は6,831個も)束ねて使っている。これに対して、トヨタのプラグインハイブリッド車に使われているリチウムイオン2次電池は、(パナソニックから社名変更した)プライムアースEVエナジー社製の角型電池だ。テスラはここからも2次電池の供給を受けることにしている('10/6/1,NO.43参照)から、少々話はややこしくなる。

この記事によると、このテスラ社製のバッテリーを搭載したRAV4は、アメリカで開発してアメリカで売るだけ?と言っているので、トヨタ本社の技術開発計画の中での位置づけがそれとなくまとまったのであろう。

トヨタはテスラのチャレンジ精神、意思決定のスピード、柔軟性を学びたいと言っているが、そんなものと言っては失礼ではあるが、一朝一夕では学べるものではない。そんなことよりも、世界最高のバッテリー開発を目指して、社内が一致団結してわき目も振らずに邁進することこそが、一番の良薬であろう。今までトヨタは、そのことをやってきたから、十分わかっていることであろう。

テスラとの提携によるトヨタ社内でのバッテリー開発への撹乱要因を、トヨタはどのように解決して行くか注目していたのではあるが、これでけりを付けたものであろうか。このトヨタでのバッテリー開発の行方にはまだまだ目が離せないものがあるのであろう。2012年が楽しみである。

ただしもうひとつ気がかりなことがある。それはアメリカ政府が今後どのような動きをしてくるか、である。オバマは米国内のあらゆる企業から金を工面して大統領に当選している。
(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(79)

2011-04-20 17:53:13 | Weblog

シボレー・ボルト http://www.chevrolet.com/volt/

まあEVと言うと、すべからく環境にやさしいと頭から信じられているようだが、このようにその機構はかなり複雑なものなのである。単にバッテリーだけを積んだEVだとしても、電気を節約するための複雑な仕組みが、きっと組み込まれることになろう。それにバッテリーも問題だ。よいバッテリーを作るために、如何に大量のCO2を排出していることか、そのことも考えなくてはならない。更にはバッテリーは、2次電池(充電が出来る)と呼ばれているように、バッテリー自体が複雑な上にそれを管理するための複雑な機構が付随しているため、それをつくるためにはCO2が排出される上に、そのバッテリーに充電する電気は充分にCO2を排出して作り出されているのである。EVは、だから、完全にクリーンだとは呼ばないほうがよい。小生にはよくわからないが、プリウスとリーフとでは、LCA(Life Cycle Assessment 製品の一生涯に亘る環境影響評価のこと)でみるとCO2排出量はそれほど差がないのではないか、と思っている。大衆迎合して、時流に流されないほうがよい。

EVには、もうひとつ問題がある。それは、航続距離が短く、その都度、充電しなければ使えないと言うことである。しかもEVは走らせれば、必ずバッテリーが空になるから、どこかで充電する必要がある。EV車は電気の塊である、と言うよりも電気を大量に消費するものである。現在のガソリンスタンド以上に充電スタンドを必要としよう。それに充電時間もそこそこ必要とする。ガソリンを入れるとは、訳が違う。これをどうするかが、大問題なのである。充電する代わりに、充電されたバッテリーに載せかえる案もある。するとバッテリーを大量に作っておかなければならない。レアアースが益々必要となる。これでは困るのである。日本にはレアアースは存在しない。中国に頭を下げて売ってもらうのも、癪に障ると言うものである。レアアースを使わない強力な磁石の発明が待たれるものではあるが、あれやこれやで、それほど早くにはEV車は流行するものとも、思えないのである。

まあ、短距離用コミューターか近距離用集配車としてしか、先ずは流行はしないのではないか。このことはすでに指摘されていることではあるが、小生もそんな感じを持っている。

いまひとつ環境面で考慮しなければならないことは、自然エネルギーの活用である。車は外を走るものであり、天気のよい日には、その太陽光を使わない手はない。車体全面に太陽光を電気に変える塗料を塗った車が世に出れば、しめたものである。すでにその基礎技術は日本にあるという。だから自然エネルギーを、車が走りながら取り込める技術革新が開発されれば、誠にエポックメイキングなことである。ついでに車は風を切って走るものである。だからその風力も効率よく使って、発電できる仕組みも考える価値があろうと言うものである。ラジエーターならぬ風力発電機なるものが装着されれば、この上ないことであろう。また車はタイヤの摩擦を利用して走行する。そのタイヤの摩擦も発電に利用できないか、検討する必要がある。太陽光発電、風力発電、摩擦発電の三つの発電方法で車自体が電気を起こしながら、走行するとすれば何とかなるのではないか。シボレー・ボルトの1.4Lエンジンに代わるものが、これらの自然エネルギーの取り入れと考えれはよいのである。

まあ、そんな訳で、トヨタとしては電気自動車は近距離用コミューターとして、世に出すつもりらしい。次の記事を見て欲しい。



トヨタ内山田副社長、「EVは近距離用と割り切る」
2010年11月18日(木) 17時20分

トヨタ自動車は18日、コンパクトカー『iQ』をベースにした電気自動車(EV)を東京都江東区の「MEGA WEB」でメディア各社に公開した。2012年に日米欧の各市場に投入する。

iQのEVは、蓄電容量が約11kWhのリチウムイオン電池を搭載しており、フル充電からは105kmの走行が可能(JC08モード)。最高速度は125km/hで200ボルトの電源からは約4時間でフル充電となる。

トヨタはEVは街中などでのコミューターとして使用されることを想定しており、電池の搭載は他社のEVに比べ、少なめにしている。会見した内山田竹志副社長も「トヨタ近距離用と割り切ってEVの開発・普及を進めたい」と強調した。

iQのEVは当面、世界で年数千台の販売を想定しており、内山田副社長は「最終的にはお客様が決められることだが、現状の電池性能充電インフラ整備の課題を考慮すると急速には普及していかない」と語った。
《池原照雄》

http://response.jp/article/2010/11/18/148186.html
(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(78)

2011-04-19 09:04:32 | Weblog

 対する「リーフ」の場合、筆者が2010年1月の日産ノースアメリカ本社取材時には「使用条件によって航続距離が変化することを、発売前には消費者に十分に説明する」としていたが、12月発売直前の現時点で、LAオートショー現地で米国側のマーケティング関係者、日本側の技術関係者とも明確な説明をしなかった。

 「リーフ」試乗中、日産の米国人広報関係者も「航続距離はエアコンをつけると下がる。市街地でのストップ&ゴーが多いと回生ブレーキ量が増えて航続距離が伸びる」など、断片的な表現だけで、データとして明確な回答は持ち合わせていなかった。

 カーナビと連動した「現在のバッテリー電気残量で走行可能なエリア」の表示はあるが、回生ブレーキの使用頻度や、ECOモード⇔Dモードの変換で、表示される走行可能距離の変化量が大きい。本来ならば、使用方法による航続距離変化を、より詳しく消費者に通知するべきだろう。さもなければ最悪の場合消費者側が予期していない状況で「リーフ」は止まってしまう

 こうした状況について、ある日系自動車メーカーの北米法人幹部は「日産は一体、どうするつもりなのか?」と高みの見物を決め込んでいた。

 また「充電方式」についても、本連載で取り上げてきたように、GMは日本のチャデモ型・直流急速充電方式に真っ向から反対。そのため「ボルト」には現状では、急速充電用のソケットは装備されていない。  

 以上見てきたように、先端技術面、クルマとしての完成度では「リーフ」に軍配が上がる。だが、「ボルト」は「リーフ」に端的に劣っているワケではない。

 「ボルト」には、各賞の受賞に向けた各種の働きかけ、PL(製造者責任)法を配慮しての航続距離の度重なる変更、生産・販売で無理の出ないような少なめの台数見積もりなど、したたかな事業戦略が組み込まれている。

 新生GMの期待の星「ボルト」の総合的な実力はかなり高い、と見た。
http://diamond.jp/articles/-/10194



完全な電気自動車の場合、「最悪の場合、消費者側が予期していない状況で(リーフは)止まってしまう」と言う危険があることに、言及されている。これはある意味、車にとっては、致命的な欠陥であろう。だからGMは、1.4Lのガソリンエンジンを搭載させたのであろう。そして電気自動車という革新技術を前面に出したかったために、「エンジンは発電機を回すだけだ」などと言うティーザーキャンペーンを展開したものと、小生は詮索している。

しかもこの「ボルト」は、駆動用のモーターとエンジンと接続した発電用のモーターの2つのモーターを搭載している。この2つのモーターは、トランスアクスル内にコンパクトに収められている。そしてこのトランスアクスルは1.4Lエンジンと接続されている。GMでは、このトランスアクスルのことを「ボルテック電気駆動システム」と称している。この「ボルテック電気駆動システム」には、プラネタリーギア遊星歯車があり、エンジンからの動力をこれで分割していると言う。丁度スプリット方式のハイブリッドビークルに似ているようだが、パテントなどの関係でトヨタのTHS方式とは異なっているようだ。このトヨタのパテントを回避するためにも、その制御プログラムの全容を、GMは知りたかったのであろう。だからオバマを焚き付けて、ありもしない急加速問題を作り上げアメリカ中を沸騰させて、その制御プログラムを開示させたものであろう。

シボレー・ボルト(Chevrolet Volt)は、Wikipediaによると、5ドアハッチバック型のレンジエクステンダー(Range extender航続距離延長)式電気自動車(シリーズ式のプラグインハイブリッド車)だと言う。そしてこの1.4Lエンジンは当然発電機を回すのではあるが、直接駆動する方法も模索した結果、プラネタリーギアで直接動力を車軸に伝える方法を考案した。もちろんプリウスの特許に引っかからないように考えて、エンジンの出力の最大70%ほどを直接駆動に振り向けると言う。残りの30%は、発電機を回してバッテリーの充電に使われる。当然エンジンは発電を旨としているので、小さなものでよいのである。とするとシリーズ式と言うよりも、スプリット式ハイブリッド型のオートモビルなのであり、プリウスと同じ範疇も車なのであろう。だから尚更、トヨタから文句が出ないように、トヨタを萎縮させるためのネガティブキャンペーンを、全米で展開したものと思う。トヨタもこれだけ叩かれれば、シボレー・ボルトの電子制御スロットルシステムに悶着は起こせないだろうと、GMは踏んだものと思われる。

そして仕組みとしてはかなり複雑だと言う。だから、この複雑な仕組みを考えたGMは落ちぶれたりとはいえ、その底力は侮れない、と言った解説もある。

以下のネットを確認するとよい。

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20101124_403271.html
インプレッションレポート、シボレー「ボルト」

http://www.carview.co.jp/green/ecoword/9/15/
レンジエクイテンディドEV、レンジエクステンダー式EV

http://www.carview.co.jp/green/report/road_imp/chevrolet_volt/271/
海外試乗レポート

http://kunisawa.txt-nifty.com/kuni/2011/01/post-8c49.html
ボルトのポテンシャルに驚く
(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(77)

2011-04-18 10:24:39 | Weblog

ボルトの発表はGMが再上場を果たした日の翌日の2010年11月19日だ。GMの復興に花を添えたことになる。それまでにトヨタのパテントを逃れなければならない。サンディエゴでのレクサスES350の暴走事件からのトヨタ叩きの事例を、時系列で列挙してみよう。

2009/08/29 マーク・セイラー事件(ES350暴走、'10/5/11,NO.28参照)
2009/11/25 トヨタリコールの届け出(感謝祭の前日として非難される。'10/6/9,NO.49参照)
2010/02/23 下院公聴会('10/3/17,18、NO.2,3参照、電子制御に関する追加データ要求)
2010/02/24 同上(豊田章男社長証言)
2010/03/02 上院公聴会
2010/03/30 NASAにトヨタの電子制御プログラムの調査を依頼する。('10/4/21,NO.15参照)
2010/05/20 電子制御に関する公聴会(NHTSAでは欠陥見つけられず。'10/5/25,NO.38参照)
2010/05/21 トヨタとテスラとの提携を発表('10/5/28,NO.41、5/31,NO.42参照)
2010/07/30 NHTSAの調査では、急加速は全て運転ミスと判明するも、公表せず(告発。'10/8/24,25,NO.54~55参照)
2010/08/10 NHTSAが、調査した全ては運転ミスと発表。ブレーキペダルは踏まれていない。
2010/09/17 マーク・セイラー事件和解('10/10/7,NO.62参照)
2010/11/18 GM再上場
2010/11/19 シボレー・ボルト発表('11/4/14,NO74参照)
2011/02/02 佐々木副社長会見、CTS社事件
2011/02/08 NHTSA(ラフード運輸長官)、トヨタの電子制御プログラムには問題は無い、と発表('11/4/2,NO.64参照)

と言った出来事の時系列となる。

これを眺めると米議会とオバマは(GMと図って)、マーク・セイラー事件以来トヨタの電子制御プログラムETCSElectric Throttle Control System に的を絞って、集中的に攻め込んでいたことがわかる。そしてトヨタの佐々木副社長の失言問題は、このETCSには問題がなかったことを、丁度カムフラージュする格好な煙幕となってしまったものと見られる。まあ2010/3からの丁度一年間でGMは、トヨタのETCSの全てのからくりを手に入れ、十分ボルトに反映させて自信満々でGM再上場の翌日発表させたものであろう。そしてGMボルトが十分世に周知されてから、おもむろにトヨタには問題はなかった、と発表させたのである。その期間は3ヵ月だ、誠に狡猾だった。

それにしても、このような動きの中でのテスラ・モーターズとの提携話は、どことなく異質なものに見えてくる。トヨタの技術陣はこの動きを、うまく消化できるであろうか、他人事ながらいささか心配である。

まあ考えれば、もっといろいろな権謀術策が思い浮かぶであろうが、本文に戻ろう。



「リーフ」

・「ボルト」と比べると車内の遮音性が高い。インバータ、モータなどの高周波音は車内、車外でほとんどない。後席乗車でも、高周波音はない。

・2010年1月に日産ノースアメリカ本社(米テネシー州ナッシュビル郊外)で「リーフ」のテスト車両を試乗した。詳細は本連載第27回「やっぱり日産は電気自動車に本気だ!トヨタも無視できないリーフの正体」を参照。その際、ブレーキのタッチ感についてはストローク(踏みシロ)が極端に少なく、電気スイッチがカチカチとON/OFFするような感じだった。それが量産車では、程よいストロークとなり、タッチ感も高価格/高性能ガソリン車のようなガッシリ感が出た。
(http://diamond.jp/articles/-/7212 リーフの正体)

・走行モードは、通常「D」と「ECO」の2つ。手元の小さいシフトレバーを手前にカチと操作することで切り替わる。「ECO」モードでは「D」モードより明らかに加速が緩やか(=アクセルの踏む量に対するモータ出力/トルク変化が緩やか)になり、さらにアクセルオフ時の回生の量が「D」モードより明らかに大きくなる。こうしたモードでの走行感の変化は「ボルト」より明らかに大きい。

・「D」モード、交差点赤信号から青信号に変わった際、アクセルオンでの出足は、「ボルト」の「ノーマル」モードより明らかに強い。

・クルマ全体の密度感、ドライバーとクルマとの一体感がある。こうした感覚は「ボルト」では感じられない。「リーフ」には電気自動車という特殊感が満ちている。

<総評>

 走行性能という面で、「機械/電気製品」としての出来栄えを単純比較するならば、「リーフ」は「ボルト」より優れている

 だが、一般的に運転が荒いアメリカ人が、「リーフ」と「ボルト」との性能差をどれだけハッキリと感じ取れるかは不明だ。

 内外装の見た目では、「ボルト」は「メカメカしい」雰囲気がある。映画「トランスフォーマー」に見られるようなアメリカンコミック的な分かり易い「次世代さ」を感じる。

 一方、「リーフ」は、先端技術を見せびらかさず、メカメカしさの角(かど)を取っている感じだ。つまり、どこか「控えめ」な雰囲気がある。そのため、押し出し感を強調する「ボルト」とは対照的なイメージとなっている。

 以上にように、走行性能と価格では、「リーフ」は「ボルト」に勝っている

 だが、問題は「航続距離」と「充電方法」だ。


「ボルト」の場合、電気自動車として航続距離について、対外的に度々の修正を行ってきた。もともとは「一般的なアメリカ人の生活を考えれば、50マイル(80km)あれば十分」という触れ込みだった。それが量産化に向けて40マイル(64km)となり、実用での様々な走行条件が重なると、最低で25マイル(40km)、最長で50マイル(80km)という説明に変わった。

後席試乗時に撮影したGM「シボレーボルト」。

 こうした「言い訳」をネガティブに捉えるメディアが多い。だが、本連載で度々紹介しているように、現在のリチウムイオン二次電池搭載の電気自動車では、エアコン/ヒーター使用や急加速/高速走行などでの電気消耗が大きく、カタログ値と実用値が大きく異なることは「致し方がない」。問題は、メーカー側がそれを消費者にどう説明するかだ。GMの場合、「(電気自動車は特殊なので)ごめんなさい」を小出しにして、消費者サイドに徐々に理解を求める作戦だ。

 だが「ボルト」の場合、バッテリー量がなくなっても、ガソリンエンジンで自家発電し、さらには駆動としてガソリンエンジンがモータをアシストするのだから、「最悪、どこかで止まってしまう」ような状況には陥りにくい。

(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(76)

2011-04-16 12:27:08 | Weblog

<価格/販売台数比較>
「ボルト」

価格:4万280ドル(1ドル83円換算で約334万円)。36ヶ月・頭金2500ドル(約21万円)、毎月350ドル(約2万9000円)のリース契約。7500ドル(約62万円)の税務控除は、新車購入、リース契約ともに有効。
発売時期と予定販売台数:2010年11月中旬(GMの株式市場への再上場に合わせ)発売開始。2010年中は、カリフォルニア州、テキサス州、ニューヨーク州、ニュージャージ州、コネチカット州、ミシガン州、ワシントンDCで限定的に販売。予定台数は3000~5000台。その後12~18ヶ月で全米50州で販売予定。2011年は1万台、2012年は4万5000台の販売予定。

「リーフ」

LAオートショーの日産ブースに展示された電気自動車の「リーフ」。
価格:3万2780ドル(約272万円)。7500ドル(約62万円)の税務控除。
発売時期と予定販売台数:2010年12月から日米発売。日米での予約台数は約2万台。そのうち半数以上が米国受注。

<外観比較>

「ボルト」
全長x全幅x全高、ホイールベース=4500mmx1788mmx1438mm,2685mm。

「リーフ」

全長x全幅x全高、ホイールベース=4445mmx1770mmx1550mm,2700mm。

 パッと見た目の印象は、上記実寸そのままのイメージ。「ボルト」の方が低く、長く、ドッシリと見える。「リーフ」はミニバンっぽい箱型の印象が残る。 「ボルト」はいかにもアメ車、いかにもシボレー顔。「リーフ」は中性的で、日本車というよりヨーロピアンな雰囲気が先行する。


<内装比較>

 「ボルト」は、ダッシュボード周りに各種スイッチ類がゴチャゴチャある印象。インパネ内のデジタル表示もゴチャゴチャ。総じて、飛行機のコックピットのイメージ。「リーフ」は、近未来的。シンプルで使い易さを優先のイメージ。

<数値による性能>

「ボルト」

モータ最大出力/112kw、最大トルク/370Nm。バッテリー容量/16kwh。
※電気自動車として航続距離/GM発表値40マイル(64km)、GM関係者は「実用では25~50マイル(40~80km)」と説明。1.4リッターガソリンエンジン(最大出力60kw)が発電用、及び走行中に駆動を補助。満充電までの時間/交流240Vで4時間、交流120Vで10時間。

「リーフ」

モータ最大出力/80kw、最大トルク/280Nm。バッテリー容量/24kwh。
※航続距離/100マイル(約160km) 、米LA4モード走行による。最高速度/140km/h。満充電までの時間/交流200Vで8時間、直流急速充電で30分間(リチウムイオン二次電池の特性上、満充電の約80%)。

<走行性能>

「ボルト」

「ボルト」のボンネット内部。ガソリンエンジンは、小型車「クルーズ」などでも搭載している1.4リッター直列四気筒ユニット。

・スタートボタンは、ブレーキを踏んだ状態で行う。車内のシステムが起動すると同時に、ブレーキがジンワリと柔らかくなる。これは回生ブレーキが準備段階に入ったことを示すが、慣れないと違和感がある。

・走行モードは、ノーマル、スポーツ、マウンテンの3段階。これをセンターコンソール(ダッシュボード中央)内のスイッチで切り替える。これら3モードを切り替えながら走行したが、動力性能が極端に変わるイメージではなかった。

・アクセルを踏み込んだ際の押し出し感は緩やか。スポーツモードでも、「リーフ」より出足は緩やか。

・全体として車全体の重さ(3718ポンド=1715kg)を強く感じた。端的に言って、ボッテリとした動き。乗り心地はソフト過ぎず、硬過ぎず、ほどよい。パワーステアリングは停止状態から低速走行ではかなりソフト。だが、走行速度が上がり、車線変更時など走行条件に応じてガッチリとした操舵感に変わった。

 走行中の雰囲気は、いかにもアメ車、いかにもシボレー。試乗中、エンジンが作動することはなく、電気自動車として走行していたが、電気自動車という特殊性を感じず、通常のガソリン車、またはハイブリッド車のような運動特性のイメージが強い

・ブレーキのタッチ感に特殊性あり。ストローク(踏みシロ)が大きい。これは、トヨタの初代「カムリハイブリッド」で感じられた回生ブレーキの感覚。現在の「プリウス」、「カムリハイブリッド」ではこうした感覚はなくなっている。

・インバータやモータからの高周波音は、車内(運転席)でも車外でもほとんどなし。後席乗車の場合、車体後部から若干の高周波音があった。




このボルトの航続距離は、電気自動車として/GM発表値40マイル(64km)、GM関係者は「実用では25~50マイル(40~80km)」と説明していると言う。ご承知の通り、車を乗るときには「エアコン」を使ったり、「カーナビ」を使ったり、「テレビ」や「DVD」を使ったりしている。それらは電気で動いているため、バッテリーの電気を使うことになる。すると走行可能距離は当然短くなってしまう。だから運転者は、そのつど走行可能距離を確認して、バッテリーが空にならないかビクビクしていなければならない。GMはそれがいやで、小型のエンジンを積んで、発電させることにしたものと思う。しかしバッテリーだけでは、どうも心もとないので、トヨタのパテントに触れない程度に「スプリット方式」のハイブリッドを採用したのであろう。するとこのトヨタのパテントが、とても気になるのである。

(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(75)

2011-04-15 09:27:17 | Weblog

 後者の問題を、簡単に振り返ると次のような流れだ。

 GMは「ボルト」を「レンジエクステンデッド・エレクトリック・ヴィークル航続距離延長型・電気自動車)」と呼んでいる。これは、技術的にはシリーズハイブリッド方式であり、エンジンは発電機のみとして作動し駆動力はモータのみ、のはずだった。だが量産型「ボルト」では、「走行中にエンジンが駆動力として加わることがある」と判明。これでは「電気自動車というよりハイブリッド車にかなり近く、GMの表現は消費者に誤解を招く」という論調が全米に広がったのだ。

 こうした様々な「ボルト」評を受けて、今回の受賞でもメディアが「ボルト」への冷ややかな目を持ってしまったといえる。

 今回の賞はグリーンカージャーナル誌とGreencar.comの編集者が選考するもの。米国では2010年秋以降の発売車を2011年モデルと呼ぶことから、ノミネートされたのは2010年中の生産車だ。同賞のファイナリストとなった5台は、「ボルト」以外に、日産「リーフ」、フォード「フィエスタ」、ヒュンダイ「ソナタ・ハイブリッド」、リンカーン「MKZハイブリッド」だった。

 「ボルト」はこれ以前に、「2011年モータートレンド誌・カー・オブ・ザ・イヤー」、「2011年オートモービル誌・カー・オブ・ザ・イヤー」など、米大手自動車雑誌からの表彰を相次ぎ獲得している。

 一般的に考えると、こうした「賞の総なめ現象」は「GM再上場へのご祝儀」に感じられる。だから今回の受賞現場でも米国人自動車業界関係者の間から「あ~、やっぱりね」という声がチラホラ聞こえた。

 では、この「ボルト」、実際のところはどんな車なのだろうか?



ここでハイブリッド方式を勉強してみよう。先ずは「シリーズハイブリッド」方式とはどんな方式なのであろうか。ハイブリッドHybridとは「2つ以上の異なるものを組み合わせること」を表しているが、一般的には主に植物の交雑種のことでハイブリッドと言う言葉に接したことがあると思われるが、自動車で言う「ハイブリッドビークル」とは、2つ(以上)の異なった動力源を使う車を意味する。即ち内燃機関(主にガソリンエンジン)とバッテリーに蓄積された電気によるモーターと言う2つの動力で駆動する自動車である。そして、エンジンとモーターの使い方によってハイブリッド方式が異なる。

シリーズハイブリッド(直列式)方式は、エンジンは発電機を回すことだけに使われて車の駆動には使われない。車の駆動には発電機で作られた電気を蓄電池Battryに蓄え、その電気でモーターを回して車を動かすものである。したがってエンジンは小型で、その代わりバッテリー・モーターは大型となる。エンジンで充電するため長距離走行が可能となる反面、出力はそれほど期待できない。

        バッテリー
         ↑↓    (直流電力)
       インバーター
         ↑   ↓ (交流電力)
E/G-→発電機  モーター-→車軸(駆動) と言う動力の流れになる。

これに対して、

パラレルハイブリッド(並列式)方式と言うものがある。
この方式では、エンジンで発電もするが車の駆動にもつかわれ、更には発電された電気はモーターを介して、駆動にも使われる。発進や加速時にはエンジンとモーターが使われ(場合によっては発進時はモーターのみ)、低速時には発電機も回し充電も行うなど臨機応変に起動させる。そのため構造や制御が複雑となる。

            バッテリー
             ↑↓ (直流電力)
            インバーター
             ↑↓ (交流電力)
E/G-→{発電機→モーター}--変速機→車軸(駆動) と言う流れになる。ホンダのIMAはこの方式となる。そしてその両者のいいとこ取りをした方式が次のスプリット方式である。

スプリット(動力分割式)方式とは、
プラネタリーギアによる動力分割機構により動力を発電機とモーターに分割(スプリット)する方式である。プラネタリーギアによる発電機とモーターの回転制御を行うため、変速機が不要となる。
発進や低速走行ではEV走行し、通常走行ではエンジンで充電しながら駆動輪を回して走行できる。動力分割機構の制御が複雑になるが、変速機が不要となるコストメリットや低燃費と走行との高効率管理が可能となり、トヨタが採用している(THS)方式である。

          バッテリー
           ↑↓   (直流電力)
       イ ン バ ー タ ー
        ↑     ↑↓
      発電機    ↑↓ (交流電力)   
        ↑     ↑↓
E/G-→動力分割→モーター-→車軸(駆動)
    (遊星歯車)

GMのシボレーボルトはこのうちどんな方式化は知らないが、このスプリット方式に近い方式なのであろう。そのためプリウスのこのプラネタリーギアの制御方式の中身を、知りたくて仕方なかったことであろう。そのためありもしない急加速問題を起こし、電子制御システムを無理やり提出させたものであろう。

さて本文に戻ろう。




 LAモーターショーで開催された次世代車試乗会で、量産型「ボルト」を運転席及び後席(都合2回)で試乗してみた。さらに、日産「リーフ」と乗り比べをしてみた。 
 走行ルートはショー会場の地下駐車場を出て、同会場周辺の一般道路を3kmほど。法定速度は35mph(約56km/h)だが、他車両を含めて筆者が後席試乗した際、ほとんどの参加者は法定速度を超過して加速性能を試していた。
 なお筆者は、年間を通じて、日米欧の各種試乗会で合計数百モデル(同一車種でもモデル別などがある)を乗り比べている。または守秘義務がある条件下で、各種メーカーのテスト車両試乗を行っている。そのため、今回のLAショーでの状況のような短時間試乗でも、車両の基本特性を感じ取ることが出来ると自負している。

(続く)
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