世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

世の中、何だこれ!(WBC敗退、59)

2013-04-25 00:26:43 | Weblog

美しい瞬間

WBCは対プエルトリコ戦(準決勝戦)で敗退という結果となった。

でも物は考えよう。現役メジャーリーガーが一人も参加しないというメンバーでよく準決勝までこぎつけたと思う。三大会連続、準決勝まで勝ち進んだのは日本だけだというのだもの。

今大会では、何んと言っても日本での台湾戦が印象に残る。九回表二死から鳥谷の果敢な二盗スチールが功を奏して(井端の適時打で)同点に追いつき、十回表に中田の犠牲フライで1点を奪い、逆転勝利した。四時間三十七分という長時間ゲームだったが観客達は席を立つことができなかった。そのあげくの、うれしいカタルシスだった。

それだけでも歴史に残る好ゲームだったのだが、実は、その試合の背景には日本と台湾の心の交流を物語る貴重な秘話があったという。私はそのことを報道番組『Mr.サンデー』で知った。

発端となったのは一つのツイッターだったという。台湾は3.11の東日本大震災の時、どこの国よりも多くの義捐金を提供してくれ、また、いち早く救援隊を送ってくれた。それに答えるために、日本の観客たちは客席で感謝のプラカードを掲げようではないか---ということを呼びかけるツイッターが流され、そのツイッターに賛同する人は多く、観客席には「台湾謝謝」といったプラカードが多く見られたという。

もともと台湾に野球を持ち込んだのは日本だった。日本が台湾を統治していた時代、というから百年ぐらいの昔、日本は台湾に野球を教え、広めたのだった。そういう歴史的経緯もある。

四時間三十七分の死闘に敗れた台湾チームはそこで思いがけない行動を取った。負けて口惜しがるのではなく、マウンドを中心に大きな円陣を組み、観客席に向かって深く一礼したのだった!観客席からは大きな拍手が湧いた。
日本と台湾、両者のリスペクトの念が一つに溶け合った、貴重な光景だった。

私はこういうシーンにヨワイ。思わず涙が噴出してしまう。常日頃、台湾も含め近隣諸国の領土・領海侵犯のあれこれには不快な思いを抱かずにはいられないでいるのだけれど、「そうか、野球を通じて、つかのま、こういう美しい瞬間を見ることもできるのか」と思わずにはいられなかった。

・・・・・・(略)



と記述されていた。これも台湾と日本の関係の強さを表しているものであろう。次の記事も参考のため掲げておくので、是非読んでいただきたい。


2011.05.17 MSN Sankei Photo NEWS
【東日本大震災】No.75 台湾義捐金 「世界最高額」の背景」

 東日本大震災で、台湾からの義援金総額が5月上旬、約160億円(約57億台湾元)にのぼった。同規模の米国に比べ、台湾は人口10分の1以下の2300万人。平均所得が年約2万ドル(約160万円)であることを考慮すれば「世界最高額」といえる。突出した親日ぶりの背景には何があるのか。

日本の支援への恩返し

 台湾紙「自由時報」や「中国時報」などの電子版によると、馬英九総統(66)は5月5日、台湾を訪れて「台湾の支援に感謝を伝えた」という衛藤征士郎衆院副議長(70)に、巨額の義援金は「台湾中部大地震(1999年)や台風による豪雨被害(2009年)で日本から受けた支援への恩返し」と説明した。4月下旬に来日し、一部義援金の日本への贈呈式に出席した王金平・立法院長(70)=国会議長に相当=は、5月12日にも観光業者ら約300人を率いて北海道を訪問し、日本の安全性をアピールした。

 馬総統の指摘通り、台湾のこれまでの自然災害で日本が台湾に寄せた多額の義援金や、救助隊の派遣、仮設住宅の提供などは台湾の人々の記憶に鮮明に残っている。今回、台湾赤十字を通じ、義援金約1万4000円(500台湾元)を寄せたという台北市在住の元小学校教師は「情けは人のためならず」と、日本語で動機を説明。菅直人首相(64)が4月11日、米英などの7紙に感謝広告を出した際、台湾が対象から外れた件についても「親類に礼状は不要。日本の感謝の意は別の形で伝わっているから問題ないよ」と寛大だ。台湾外交部(外務省に相当)も今回の義援金は「民間、小口が中心だった」としている。

約半世紀の歴史を共有

 こうした対日支援の手厚さは、日清戦争の下関条約(1895年)から第二次世界大戦の終戦(1945年)まで、約半世紀の歴史をともにした「本省人(台湾籍)が持つ親日感情と絆の産物」と一般的に解釈されている。だが、日本統治時代をよく知る世代はすでに80歳以上で、社会の一線から退いて久しい。
 同時に、国共内戦に敗れて中国大陸から台湾に流入、中国人の視点で総じて日本に厳しいとされる外省人(中国大陸籍)も世代交代し、出身地の違いによる隔たりは対日観も含めて薄らいでいる。
 外省人エリート家庭出身の馬総統は、経済活性化を目指して対中接近姿勢を強く打ち出すとともに、尖閣諸島の領有権などでは厳しい対日観を持つとされたが、震災発生直後の義援金募集イベントには夫人とともに駆けつけて協力。また、5月8日には台湾南部・台南市官田区の烏山頭ダムを訪れ、日本統治時代の1930年、このダムを建設した金沢出身の日本人技師、八田與一(1886~1942年)の業績をたたえる記念公園の開園式にも出席した。
 公園造営自体が馬総統の指示で、「自由時報」は馬総統の「私は日本の最良の友人」とのアピールを日本メディアも報じたと、反日イメージからの脱却姿勢を伝えた。

来年の総統選を意識か

 今回の震災では台湾も約550億円もの経済的損失を被る可能性が指摘されており、台湾政治が専門の学者の1人は、日台の緊密な経済関係から、「来年1月に再選のかかる総統選を控え、馬総統が、より親日的と目されがちな野党(民主進歩党)の女性総統候補、蔡英文氏(54)との対決で、無用に日本側世論を敵に回さぬ配慮」とみている。
 しかし、台湾外交部の元高官は、「一部には実利的理由もあるだろうが、戦後、国民党政権の腐敗と横暴が本省人を苦しめ、『日本時代はよかった』と懐かしんだように、急激な対中接近の結果、札束かざして土産物を買いあさる中国大陸からの観光客のマナーの悪さが当時と二重写しとなり、台湾全体の親日回帰に拍車をかけたのでは」との見方を示している。 (国際アナリスト EX)
http://photo.sankei.jp.msn.com/essay/data/2011/05/0517taiwan/



この記事には沢山の写真が添えられているので、是非ともこのURLを訪れてみてほしい。更にはここに述べられている烏山東(うさんとう)ダム八田与一技師の話は、2011.10.18の小生のブログ「日韓併合100年、NO.174」を参照されるとよい。台湾で日本人が好意をもって迎えられていることの理由の一端でも知ることができる。


また2013.3.8(金)の2次ラウンド(東京ラウンド)の台湾戦については、次のyoutubeなどを参照されるとよい。



謝謝台湾3.11支援WBC2013
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=Sgl5cUZ7r5o&NR=1


ここには関連する動画も沢山載っているので、是非削除される前に視聴願いたい。きっと感ずるものがあると思います。これを機会に、お互いにリスペクトしあうと言うことでただ単に感傷的にならずに、その対象となった代表としての大本(おおもと)である自分の国というものの存在の大きさにも心を配りたいものである。そのためには自分の国の存在が、無事維持されていることに感謝しなければならないのであり、その存在を自分達で守ることがいかに大切かということも感じていただきたいものです。

といったところで、このテーマは終了することにしよう。

(この項、終り)
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世の中、何だこれ!(WBC敗退、58)

2013-04-25 00:00:01 | Weblog

「日本はスポーツマンシップを見せた」公式サイトたたえる/WBC
2013年3月19日(火)12:55

(サンケイスポーツ)  

 17日に行われたWBC準決勝でプエルトリコに敗れた日本に対し、WBC公式サイトが18日、「日本はスポーツマンシップを見せた」とたたえている。

 同大会3連覇の夢が絶たれた直後、試合後の日本代表は三塁線上にチーム全員が整列し、スタンドと相手チームへ向かって帽子をとり、深々と一礼してグラウンドを去った。悔しい敗戦に沈む中で、日本代表がみせた姿を同サイトは「プエルトリコの選手が喜びで踊りまくる中、彼らは自分たちを打ち負かした相手への尊敬の印をみせた」と大きく讃えている。

 また、3連覇が期待される同大会で大リーガー抜きの“和製チーム”で臨んだ日本代表のチーム事情も紹介。「勝負どころで相手を打ち取る投手も十分ではなかった」とし「イチローもダルビッシュも今大会に参加していなかった。2連覇したチームには2大会で松坂もいた」と分析している。
http://news.goo.ne.jp/article/sanspo/sports/npb/ssp20130319525.html?fr=rk



まあこれは、WBCIが日本に対しておくった「オベンチャラ」と思っておいたほうがよい。なんと言っても日本はアメリカが期待する褌なのだから。こんなことで気をよくしていては身ぐるみ剥がされてしまうよ。

まあWBCでの「侍ジャパン」の活躍に一喜一憂する気持ちはわからないでもないが、その間に我々が汗水たらしての稼いだものが、結果として、MLBの懐にすんなりと入ってしまっているという事も念頭においておく必要がある。まあその片棒の一翼を担いでいるのが読売新聞社だということも気になるのだが、本来ならばそれらのかなりの部分が日本側の懐に入るべきものなのだから、怒って当たり前なのだ。


以前にも紹介したのであるが、参考のために今一度次の記事を掲載する。
(2012.7.26,世の中、何だこれ(WBC不参加、29)を参照のこと。)



新井会長「5年後、10年後、間違っていなかったと信じたい」
[ 2012年7月21日 06:00 ]   選手会 WBC不参加表明

WBC不参加を表明する日本プロ野球選手会の新井会長
Photo By スポニチ   

 【日本プロ野球選手会・新井会長に聞く】

 ――これが最終決定なのか。

 「1年前から要望を出しているが、今の段階で(主催者側から)アクションがあるとは思えない」

 ――今後主催者からアクションがあれば。

 「仮定の話にはお答えできない。僕たちは主催者側にボールを投げている」

 ――ファンはWBCを楽しみにしていた。

 「選手も楽しみにしていました。当然見たかったと思うし、出たかった。ただ5年後、10年後を見たとき、今回のことは間違ってなかったと信じています

 ――11月には親善試合のキューバ戦もあるが

 「WBCを前提にしないで、侍ジャパン(日本代表)としてアクションを起こしたい。侍ジャパンのユニホームを着て新しい形で国際大会をつくっていきたいとは考えている」

 ――NPBとの協力態勢は。

 「NPB、経営者側と選手会は同じ方向を向いているのは間違いない」

 ――WBCIに対して。

 「米国は野球の発祥の地でしょ、大先輩。その背中を見て、追いつき追い越せでやってきた。だから大先輩らしい振る舞いをしてほしい
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/07/21/kiji/K20120721003722450.html



さて、・・・しかしこれでこのテーマは終えよう、・・・と言うわけではない。まだ続き、と言うわけではないが、終わりにはもっとふさわしい結末があるので、それを伝えよう。

それは2013.3.8(金)の2次ラウンド(東京ラウンド)の台湾戦でのことである。

その状況は「サンデー毎日4月7日号」(58P)の「満月雑記帳」と言う「中野翠(みどり)」氏のエッセイに詳しく書かれているので、それを紹介しよう。

(続く)
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世の中、何だこれ!(WBC敗退、57)

2013-04-24 00:00:01 | Weblog

WBCは米国野球への「採用テスト」

 では、外の世界を認めないMLBが、なぜその発想と相いれないWBCを始めようとしたのでしょうか?

 「ワールドシリーズが世界(全米)最強チームを決める大会だとすれば、WBCは世界最強国を決める大会だから」というのが、MLBの喜ぶ模範解答かもしれません。しかし、真相は違います。実は、既に飽和してきた国内市場とは別に、国際市場を開拓・育成して、MLBにその果実を取り込むためだと考えられます。

 過去の歴史をひも解くと、MLBはこれまで球団拡張(エクスパンション)によって国内市場を開拓してきました。1903年の発足以来、60年まで16チーム体制が続きましたが、61年に実施された最初の球団拡張以降、6回の球団拡張によって98年に現在の30チーム体制が出来上がりました。

 16チーム時代、すべてのチームは鉄鋼や石油、自動車産業といった重工業が盛んな米国東北部や五大湖沿いの10都市にフランチャイズを置いていました(図1)。しかし、その後の産業構造の変化(西海岸でのハイテク産業の勃興)や、西部への人口流入、自動車・航空機時代の到来などによりビジネスチャンスが増えると、MLBは球団拡張や球団移転を繰り返してマーケットを全米に拡大していきました(図2)。

 図1:16チーム時代のフランチャイズ(注:複数のチームがフランチャイズを置く都市があるため、都市数はチーム数より少ない。以下同)  

 図2:現在のフランチャイズ  

 「では、もっと球団数を増やせばいいではないか」との声もあるかもしれません。しかし、球団拡張にはリスクが伴います。

 第1のリスクは、プレーのレベルの低下です。1球団における1軍選手枠は25人ですから、16チームから30チームになったことでメジャーリーガーの数は400人から750人にほぼ倍増した計算になります。これはすなわち、技能レベルが相対的に低い選手が流入することを意味しますから、試合のレベルが下がるわけです。実際、エクスパンション直後には必ず1球団の平均本塁打数が増加しています。投手のレベルが下がって、強打者が本塁打を打ちやすくなるからです。

 第2のリスクは、球団と都市の需給バランスを崩してしまうことです。「チームと都市のパワーゲーム(中)」で詳説しましたが、MLBはその閉鎖型モデルにものをいわせて、球団数を巧妙にコントロールしています。球団を誘致できる経済力を持つ都市の数が、球団数よりも多くなる状況を作り出すことで、常に球団が都市に対して交渉上の優位を確保できるように仕向けています。つまり、チームがスタジアム建設にあたって税金を注入してもらい、さらにスタジアムからの収入を得られるようにコントロールしているわけです。球団数を増やし過ぎると、地元自治体に対する優位性を失ってしまうのです。

 では、どうやって収入をさらに増やすのか――。この課題に対してMLBが出した結論が「国際化の積極推進」でした。

 人口に占める才能ある野球選手の割合は限られているため、メジャーリーガーを米国内だけで調達しようとすればおのずと限界があります。そこで、各国のトップレベルの野球選手をMLBに取り込み、国内の「人材不足」を補う手段にしてしまえ、という発想です。また、「中国3億人のバスケ人口を取り込め(下)」でも触れましたが、海外トップタレントの獲得は、国際市場開拓の起爆剤にもなります。海外選手を取り込めば、海外へのテレビ放映権が販売しやすくなり、グッズなども売り込むことが可能となります。さらには、スポンサーシップ収入も期待できるわけです。現在、MLBではおよそ4人に1人が外国人選手です。マイナーも含めれば外国人比率は選手全体の40%を超え、出身国も30カ国以上に上ります。

 確かに、WBCは野球界の国際発展のためのツールであることは間違いないのですが、世界を取り込むMLBにとっては、「世界的な野球の普及=MLBの利益の増大」ということになります。つまり、WBCは国際化を積極的に推し進めるMLBが、その果実を効率的に手にするために作り出した大がかりな「仕掛け」でもあるのです。誤解を恐れずに言えば、WBCは、MLBにとっての公開トライアウト(選手採用テスト)のような存在なのかもしれません。

 実際、第1回WBCの日本代表メンバーの中からは、松坂大輔選手(現ボストン・レッドソックス)、上原浩治選手(現ボルチモア・オリオールズ)、岩村明憲選手(現タンパベイ・レイズ)、福留孝介選手(現シカゴ・カブス)ら中心選手がMLBに移籍しています。

WBCで負けても「MLBが世界一」

 MLBが世界最高峰のプロ野球リーグとして君臨し続ける限り、WBCをテコにしたMLBの国際戦略は崩れることがありません。MLBが世界のタレントを取り込んで成長していく限りにおいて、MLBは拡大した各国の野球市場の一部を、テレビ放映権やグッズ販売といった形で手にすることができるからです。

 極端な話、別にWBCで米国代表チームが優勝しなくてもいいのです。「MLBこそ世界」であり、米国代表チームが勝とうが負けようが、多国籍軍であるMLBの評判は下がらないからです。仮に日本代表チームが連覇しても、中心選手はメジャーリーガーですから、MLB自体の評判は下がりません。

 確かに、WBCに参加することによって日本でもそれまで野球に関心を示さなかった層の取り込みや、キャンプ地への経済効果などの果実もあるでしょう。しかし、それらは国内市場に対する限定的な効果であり(しかも、必ずしもNPBが手にするリターンではない)、MLBが手にする国際市場からの果実と比べると相対的に小さなものです。

 このように、WBCは「世界を取り込んで、自分たちだけが繁栄していく」という閉鎖型モデルの発想を持つMLBが主催しているだけに、日本球界としても「寄らば大樹の陰」的なアプローチでWBCに参加し続けることは危険です。かといって、MLBと真っ向勝負するには体力差がつきすぎてしまいました。

 1995年当時、日本プロ野球(NPB=日本野球機構)の売り上げは推定約1200億円、MLBのそれは約14億ドル(約1400億円)と言われていました。しかし、それから13年後の2008年には、NPBの売り上げにほとんど変化がないと言われているのに対して、MLBは約60億ドル(約6000億円)にまで売り上げを伸ばし、マーケットを4.3倍に拡大しました。

 この背景には、厳格なビジネスとして「拡大再生産に資するチーム経営」というDNAを持つMLBと、親会社の宣伝広告ツールとして「広告費の枠内でのチーム経営」というDNAを持つNPBの組織としての性格の差があるのではないかと思います。グローバル化が進展し、MLBとNPBが市場を奪い合う競合としての色彩を一層強める中、NPBのリーグ経営のあり方WBCに参加し続けることは危険が根本的に問われていくことになりそうです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090311/188766/?leaf_ra


だからWBCは「MLBヤクザ」のてら銭を稼ぐ賭場だと言うことが、身にしみてご理解頂けたことと思う。さてMLBの貪欲さを伝えたところで、こんな話もよかろうと思うので、今年の2013WBCの出来事を参考のためにお伝えする。
(続く)
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世の中、何だこれ!(WBC敗退、56)

2013-04-23 00:00:01 | Weblog

これは4年前の2009年のWBCに関する論考であるが、状況は一向に変わっていない。2013年の現在のWBCの状況もここに述べられているものと、何ら変わっていない。この状況を少しでも変えることに寄与するために、新井貴浩の努力を生かしたかったのである。しかし結局は読売新聞がそれを潰した。
 


WBC連覇でも、日本球界は浮かばれない?(下)
負けてもMLBだけが輝くシステム
2009年3月12日(木)  鈴木 友也http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090311/188766/?leaf_ra

 16の国と地域が参加して世界一の座を争うワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が先週5日に開幕しました。セキュリティー上の問題から、徹夜で並ぶことは禁止されていたものの、東京ラウンドの会場となった東京ドームには早朝から観客が集まり、夜からの試合開始にもかかわらず、午前11時には約400人のファンが列を作りました。

 初戦の中国戦の平均視聴率は28.2%(関東地区)、宿敵韓国との一戦は37.8%(同)だったことからも、日本国民全体が大きな関心を示していることがうかがえます。韓国戦の瞬間最高視聴率は46.3%(同)と、国民の2人に1人がテレビ観戦していた格好です(数字はビデオリサーチ調べ)。

 残念ながら、日本代表チームは9日の1次ラウンドA組1位決定戦で敗者復活戦から勝ち上がってきた韓国に0-1で惜敗し、1位通過はなりませんでしたが、2位で15日からサンディエゴで開催される2次ラウンドへの進出を決めました。当地で、B組(オーストラリア、キューバ、メキシコ、南アフリカ)の1位と対戦することになります。

巨大なフラッグで初戦の勝利を祝うファンたち © AP Images  

「本気の日本」とは対照的な米国

 米国に暮らしながら日米のWBCに対するマスコミ報道に接していると、両者の間に大きな温度差があることを感じます。日本のテレビ報道では、スポーツコーナーでWBCがトップニュースとして扱われ、各球団のキャンプ情報は後回しにされるケースが多いようです。

 一方、米国。実はこの時期、最初に報じられるのは、クライマックスを迎えている大学バスケットボールです。次いで、シーズン中のプロバスケットボール(NBA=米プロバスケットボール協会)やアイスホッケー(NHL=北米アイスホッケーリーグ)が続き、その次にやっとシーズンオフのプロフットボール(NFL=米ナショナル・フットボールリーグ)や野球(MLB=米大リーグ機構)の話題になるのです。しかも、移籍情報や契約交渉状況、キャンプ情報が先に報じられ、WBCが出てくるのは、ニュースの終盤ということが少なくありません。

 例えば、日本が事実上2次ラウンド進出を決めた7日の韓国戦(14-2で日本がコールド勝ち)は、米国でも早朝5時からスポーツ専門ケーブル局ESPNが生中継していましたが、放映権を持つESPNですら当日のニュースで報じたのは、米国代表チームが初戦でカナダに逆転勝ちしたことと、ドミニカ共和国が格下のオランダに敗れる波乱があったことだけでした。日本に関する報道はなく、WBC関連も1時間のスポーツニュース番組の後半に5分程度報じられただけでした。

 代表チームの編成についても、日本はトップ選手を招聘して2月16日から早々と宮崎にキャンプインして全体練習を開始しています。ところが、米国チームでは数々の一流MLB選手が出場を辞退しており(例えば、昨年の20勝投手4人は全員出場を辞退している)、チーム全体として練習を開始したのも、つい先日の3月2日のことでした。代表監督についても、原監督がWBC期間中は巨人から離れて代表チームの指揮を執るのに対し、米国では現役監督が日本のように5週間もチームを離れることは考えられない(球団が許可しない)ようです。

 ニューヨーク・タイムズ紙はこうした日本代表チームの雰囲気を「レギュラーシーズンを犠牲にしても構わないという気持ち」(Willingness to sacrifice the regular season)と多少の驚きをもって評しています。逆に言えば、米国ではWBCよりも公式シーズンに重きを置くことが当たり前だと考えられています。

 このように、「真の世界一を決める大会」として米国主導で始まったWBCですが、少なくとも米国国内では「公式シーズンの前座として開催されるエキシビションマッチ」程度に捉えられています。掛け声と取り組みには、多くの矛盾を抱えた大会となっています。

矛盾の原因はMLB中心主義

 国際野球連盟(IBAF)に主導権を渡すことを拒否してまで強引に大会を主導することになったMLBが、言行不一致に陥っているわけです。その理由は、MLBが自分たち以外の世界と協調することを考えていない「閉鎖型モデル」を採用しているためです。

 閉鎖型モデルでは、リーグがチーム数とその所在地を厳密に管理しています。つまり、各チームには、一定地域におけるビジネスの独占権(フランチャイズ)が与えられるわけです。もし新規参入しようとすれば、巨額の参加費が必要となります。言ってみれば、一見さんお断りの有料会員制クラブのようなものです。「自分たちこそ世界最高峰」であり、「その外に自分たちより高い山はない」という世界観を持ったビジネスモデルです。全米選手権を「ワールドシリーズ」と呼ぶことからも、その発想が垣間見えます。

 一方、これと対照的なのが、欧州サッカー界が採用している「開放型モデル」です。このモデルの特徴は、リーグが階層的に組織されており、上位リーグの弱いチームは下位リーグに降格し、下位リーグの強いチームは上位リーグに昇格するという「昇格・降格システム」が採用されている点です。このモデルでは、各チームに地理的な独占権はなく、新規参入についても参加費を払うことなく最下層のリーグから興行を開始することが可能です。こちらは、出入り自由の将棋クラブといったイメージでしょうか。

 外界との協調を前提としている開放型モデルでは、国際大会がうまく機能します。例えばサッカー界では国際サッカー連盟(FIFA)を中心に各国サッカー協会が協力体制を築いています。だから、「ワールドカップを世界最高峰の大会と位置づけ、各国内リーグはこれに協力する」というコンセンサスが取られています。「ワールドカップ>国内リーグ戦」という優先順位が明確になっているので、基本的に代表チームからの招集をクラブが拒否することはできません。大会開催期間についても、FIFAは2006年のドイツ大会から国内リーグ終了を大会開始の約1カ月前に設定し、確実に選手が休養期間を取ったうえで大会が実施されるように配慮しています。

 「真の世界一を決める」はずのWBCで、世界最高峰の選手の出場辞退が頻発しているのは、「自分たちが戦っている場所が“世界”なのだ」という発想でビジネスモデルが構築されてきたMLBにとって、WBCという大会自体が「想定外」の存在であるためです。仲間内(MLB加入チーム)だけで世界が完結し、その中で利益を最大化するビジネスシステムが既に出来上がってしまっているため、開催時期やチーム編成、選手のインセンティブなどの面から、WBCと国内リーグ戦の整合性が確保できていないのです。MLBや選手会としても、頭が痛い問題でしょう。
(続く)
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世の中、何だこれ!(WBC敗退、55)

2013-04-22 00:10:00 | Weblog

ついでに次の論考も参考になろう。是非ご一読願う。


WBC連覇でも、日本球界は浮かばれない?(上)
メジャーだけが肥える不平等なカラクリ
2009年2月26日(木)  鈴木 友也
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090225/187280/?leaf_ra&rt=nocnt

 2月に入り、日本のプロ野球選手たちは春季キャンプで汗を流し始めました。4月のシーズン開幕に備え、多くの球団が宮崎県や沖縄県などにキャンプを張っています。暖かい地で、選手たちは、半年以上続くシーズンを戦い抜く体力作りと、実戦感覚を取り戻すために練習に励んでいます。

 毎年この季節に見られる「風物詩」ですが、今年のキャンプはある異変が起こっています。例年に比べ、多くのファンがキャンプ見学に押しかけているのです。そのお目当ては今年3月から開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表チームの代表候補選手たち。王貞治監督率いる日本代表チームが、3年前の第1回WBCで初代チャンピオンに輝いたのは記憶に新しいところです。そこで、各チームの代表候補選手の仕上がり具合を、期待を持って見守っているわけです。

 当然ながら、代表チームのキャンプは大盛況となっています。悪天候や強風などの悪条件にもかかわらず、最初の4日間の練習に17万人もの野球ファンが集まりました。24日夜に放送された強化試合、日本対オーストラリアの平均視聴率は20.8%、瞬間最高視聴率は27.4%(ビデオリサーチ社調べ)にものぼりました。

 日本中の注目を集めるWBC――。しかし、その生い立ちには根深い問題が潜んでいます。果たして、WBCは閉塞感が漂う野球界の救世主となれるのでしょうか?


2006年のWBC第1回大会での王貞治監督とイチロー選手 © AP Images   

米国のリーグと選手会が牛耳る大会

 WBCは誰のための大会なのか。

 野球の世界一を決める大会は、米大リーグ機構(MLB)の発案によって始まっています。MLBが世界大会を発足させようとした動機は、国内市場の飽和にありました。国際市場開拓の必要性を痛感し、オリンピックに代わる真の世界一”を決定する国際大会を作ろうとしたわけです。

 野球が盛んな米国が国際大会を発案することは、ごく自然な流れだと言えるでしょう。しかし、一国が国際大会を掌握してしまったらどうなるでしょうか。

表:WBC運営委員会の構成
 所属組織     人数
MLB機構        2名
MLB選手会       2名
国際野球連盟(IBAF) 2名
日本野球機構      1名
日本プロ野球選手会  1名
韓国野球委員会    1名
韓国プロ野球選手会  1名
読売新聞         1名
Chelsea Piers, L.P.     1名

 事実、WBCは米国主導の大会となっています。MLBとMLB選手会が共同出資して「ワールド・ベースボール・クラシック株式会社」(World Baseball Classic, Inc.)を設立し、WBCの大会運営主体として関与しています。

 参加国の決定など、WBC大会運営において主導的な役割を担う「WBC運営委員会」(WBC Steering Committee)では、12人のメンバーのうち、その1/3に当たる4名がMLB関係者で占められています(詳細は右表参照)。読売新聞関係者が入っているのは、同社がアジア地区予選の興行権を持っているからです。

 当初、日本と韓国は「MLB主導」に反対していました。日本は国際野球連盟(IBAF)のような国際機関が主催することを主張し、IBAFも加盟113カ国すべてに参加資格が与えられることを望んでいました。しかし、MLBは国際機関に主導権を渡すことを拒否したのです。第1回大会開催の1年半前、MLBのCOO(最高執行責任者)ボブ・デュパイ氏は米ウォールストリート・ジャーナル紙の取材に次のように答えています。

 「MLB機構とMLB選手会は、IBAFと協力しながら大会を運営することで合意したが、あくまでも大会運営を主導するのは我々(MLB機構とMLB選手会)である。もしIBAFやその他の第三者機関が大会を主導するのであれば、我々は大会に参加しないだろう。恐らく、大会に参加する選手の3分の2以上はメジャーリーガーになるため、MLB機構とMLB選手会には第1回大会開催に際し、非常に大きな利害関係がある」

 こうして、MLBに強引に押し切られて、米国主導のWBC開催が決まったわけです。2005年6月、MLBは日本や韓国、中国、キューバ、ドミニカ、ベネズエラなど合計16カ国を招待することを正式に発表しました。皮肉だったのは、この1カ月後に国際オリンピック委員会(IOC)が2012年のロンドン五輪から野球正式種目から除外する決定をしたことでした。

なぜオリンピックではなくWBCなのか?

 「世界一を決めるのなら、オリンピックでもいいじゃないか?」という声も当然ありました。しかし、MLB選手がオリンピックに出場することはできません。MLBは自らが主催しない大会に選手が出場することを禁じているからです。イチロー選手や松坂大輔選手ら日本人メジャーリーガーが北京オリンピックで日本代表チームのユニフォームを着ることができなかったのは、このためです。

 では、なぜMLBは選手のオリンピック参加を禁じているのでしょうか?

 それは、営利目的のビジネスに徹しているからです。米国の企業経営者と同様に、リーグや球団の経営者は、株主に最大の利益をもたらす責務を負います。リーグ経営のCEO(最高経営責任者)に当たるコミッショナーには、常にリーグ価値の最大化が求められていますし、球団オーナーは収益を増加させ続けなければなりません。

 オリンピックは、各国のトップアスリートが競い合う場を設けて巨額の富を生み出しているわけですから、米国の球団経営者は、選手派遣に対する対価や、故障した際の補償をIOCに求めるのが当然だと考えています。しかし、IOCはプロ選手のオリンピック参加を解禁していますが、参加選手に対して報酬を払うことはありません。MLBにとっては、選手のオリンピック派遣は自らのスター選手を無償でIOCの収益活動に貸し出すようなものであり、認められないと判断しています。

 ちなみに、WBCの大会運営で上がった利益については、その47%が賞金に、残りの53%が各国の野球組織に分配されます。賞金47%の内訳は、優勝チームが10%、準優勝チームが7%、準決勝敗退2チームが各5%、2次リーグ敗退4チームが各3%、1次リーグ敗退8チームが各1%となります。各国野球組織への分配金については、米国35%(これをMLB機構と選手会が折半)、日本7%、韓国5%、IBAF5%となっています。米国の取り分が突出しているのは、「赤字が出た際はMLBが全額を負担するため」という理由からです。

 米スポーツビジネスジャーナル誌によると、第1回大会では約780万ドル(約7億円)の賞金が配分されており1大会全体として1660万ドル(約15億円)の利益が出た計算となります。つまり、優勝した日本が手にした取り分はこの17%(優勝賞金10%+分配金7%)に当たる約282万ドル(約2億5400万円)、2次リーグで敗退した米国が手にした取り分はこの38%(賞金3%+分配金35%)に当たる約631万ドル(約5億6800万円)となります。

 こうして、MLBは選手派遣の機会損失すら穴埋めできないオリンピックの代わりに、投資効率の高いWBCというイベントを立ち上げたわけです。

出場辞退の裏にあるマネー至上主義

 MLB主導で船出したWBCですが、足並みの乱れが続いています。各国代表チームに辞退者が続出しているのです。しかも、主導するMLBの選手たちが不参加を表明するケースが目立ちます。

 例えば、日本代表チームでも、ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手や、ロサンゼルス・ドジャースの黒田博樹投手、ボストン・レッドソックスの斎藤隆投手らが出場辞退を表明しています。参加可否は基本的に選手に任されていますが、第2回大会から新設された規定により、(1)過去2シーズンで故障者リスト(DL)に90日以上登録、
(2)昨シーズンDLに45日以上登録、(3)今オフに手術を受けた、あるいは今後受ける予定、という3項目に当てはまる選手は、所属球団の承認がなければ出場できなくなりました。怪我に対する補償がない分、そのリスクを判断する権利をチームに与えた格好です。

 これにより、左ひざ痛で50日以上DL入りし、昨年9月に左ひざの内視鏡手術を受けた松井選手はチームが出場を認めませんでした。ドジャースに在籍していた昨年7月に右ひじのじん帯部分断裂で約2カ月戦列を離れた斎藤投手も、故障再発を避けたい移籍先のボストン・レッドソックスとの話し合いの結果、出場辞退を表明しました。黒田投手も昨季は右肩痛で6月下旬から一時戦列を離れたため、レギュラーシーズンへの調整を優先する考えのようです。

 球団の思惑が、選手の不参加につながる例は、MLBだけではありません。中日の4選手全員が、理由を明らかにしないまま出場辞退を申し出て波紋を呼びました。中日は公式シーズン中から選手の故障情報を伏せているので、この一環とも考えられます。しかし、昨年の北京オリンピックで所属選手を酷使されたことから、代表チームへの派遣を見送ったのではないか、と噂されています。また、親会社である中日新聞の影も見えます。ライバルの読売新聞がWBCのアジア予選を主催しているために協力しないのではないか、という憶測も呼びました。

 また、チーム事情だけでなく、個人の思惑で出場を辞退する選手も少なくありません。特に、新チームでシーズンを迎える移籍直後の選手や、レギュラー争いにしのぎを削っている選手にこの傾向は強いようです。例えば、オフにヤンキースが大金をはたいて獲得したC・C・サバシアとA・J・バーネットは、「チームに慣れることを優先したい」という理由で辞退しています。年俸と期待が大きいだけに、ほとんどカネに結びつかないWBCに出ている場合ではないのでしょう。

 選手が置かれたチーム内の立場(チーム内の競争状態)によって出場が左右されているわけです。「イチロー選手がWBCに集中できるのは、シアトル・マリナーズでの傑出した実績ゆえにポジションが確約されているうえ、近年のチーム低迷によりレギュラーシーズンに期待できないためだろう」などと穿った見方も出ています。

 こうした「出場辞退問題」が続出するのは、レギュラーシーズンとWBCの優先順位が定まっていないためです。そして、これは日米をはじめとする世界の野球界が、他国の野球リーグとの共存共栄を念頭に置かない閉鎖型モデル」を築いていることが背景にあります。

 次回は、野球界の国際発展を阻害する根源のシステムについて解説したいと思います。


鈴木 友也 (すずき・ともや)   
ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。1973年東京都生まれ。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て、マサチューセッツ州立大学アムハースト校スポーツ経営大学院に留学(スポーツ経営学修士)。世界中に眠る現場の“知(インサイト)”を発掘し、日本のスポーツビジネス発展のために“提供(トランス)”する――。そんな理念で会社を設立し、日本のスポーツ組織、民間企業、メディア、自治体などに対してコンサルティング活動を展開している。ほかにも講演、執筆でも活躍中。著書に『スポーツ経営学ガイドBOOK』(ベースボール・マガジン社、2003年)、訳書に『60億を投資できるMLBのからくり』(同、2006年)がある。中央大学商学部非常勤講師(スポーツマネジメント)。ブログ『スポーツビジネス from NY』も好評連載中。Twitterのアカウントはtomoyasuzuki
(写真 丸本 孝彦)

鈴木友也の「米国スポーツビジネス最前線」
「スポーツビジネス先進国」と言われる米国。その市場規模や人気などで日本を凌駕する。そこでは、日本にいては思いつきもしない先進経営が繰り広げられている。だが、進みすぎたが故の問題も内包する。米在住のスポーツマーケティングコンサルタントが、米国スポーツビジネスの現場を歩き、最新トレンドを解説していく。
果たして、米国は日本スポーツ界の「模範解答」となるのだろうか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090225/187280/?leaf_ra&rt=nocnt
(続く)
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世の中、何だこれ!(WBC敗退、54)

2013-04-19 00:00:01 | Weblog

日本が熱狂すればするほどアメリカが儲かる~『メジャーリーグのWBC世界戦略』
古内 義明著(評者:大塚 常好)

PHP新書、720円(税別)
2009年6月16日(火)  大塚 常好
評者の読了時間 3時間50分

『メジャーリーグのWBC世界戦略──六〇〇〇億円ビジネスのからくり』 古内 義明著、PHP新書・720円(税別)  

 “史上最低レベル”のボーナスシーズン、皆様、いかがお過ごしでしょうか。そんな
折も折、金の話をするのは気がひけるのだが、お許しをいただきたい。

 NYヤンキースの松井秀喜選手の年俸は約13億円で、その“給料”は、ドル建てで月2回(年24回)、銀行口座に振り込まれるそうだ。毎月10日と、25日が給料日。1回当たりの振込額は約5400万円ということになる。ちょっとした「宝くじ当選気分」。羨ましい限りである。 

 ただし、松井は今年、4年契約(総額約52億円)の契約最終年。故障の影響か、調子は今ひとつ。崖っぷちに立たされているが、たとえトレードに出されても「入金額」のケタが変わることはないだろう。だって、MLB(メジャーリーグべースボール)の選手の平均年俸は約3億1500万円だというのだから。ちなみに、NPB(日本プロ野球機構)所属の選手の平均は4000万円にも満たない。

 ──といったベースボールの国の巨額マネーの話題が満載なのが、この『メジャーリーグのWBC世界戦略』である。

 選手だけでなく、日本ではほぼお飾りの名誉職である「コミッショナー」も、MLBでは年俸15億円以上という事実など、本書を読むと、米金融業界に似た「桁違い」のスケール感に唖然とすると同時に、あの手この手で金を稼ぎ出すしたたかささに舌を巻く。

 例えば、今春に侍ジャパンが二連覇を果たしたWBCである。日本は決勝で韓国を下し、優勝賞金を得た。しかし、準優勝さえできなかったアメリカはその何倍も儲けたのだ。

 カラクリは単純明快。MLBとMLB選手会はWBCの運営会社として「WBC INC」という法人組織を設立していた。そこで、チケット販売、放映権、記念グッズなどWBCに関連する全ての権利を管理・運営していたというのである。

〈アジア一次ラウンドの主催者はNPBではなく、WBC社から興行権を推定12億円で買ったと言われる読売新聞社ということだ〉

 WBCの収入の柱は、公式スポンサー料、入場料、放映権料。収益のうち、約53%が各国の組織委員会に分配された。その内訳はMLB約17.5%、MLB選手会約17.5%、そしてNPB約7%、韓国野球委員会約5%などとなっている。

〈現役メジャーリーガーの参加なくして、WBC開催は不可能だ。彼らが利益を享受する仕組みがあるからこそ、WBCは開催できるのである〉

MLBの売上は6000億円を超える

 オイシイところはきっちりいただく。そんな強欲さは、超資本主義社会のアメリカらしいが、それは21世紀に入ってから、旧態依然とした殿様商売を、次の100年を念頭に置いたビジネスモデルに再構築してからだという。

 具体的には、「MLB.com」を立ち上げ、インターネットで各球団のHPや選手成績などの閲覧、チケット購入を手軽にできるようにしたり、ネットを通じたラジオ中継やストリーミング放送も全世界から視聴可能にしたり。あるいは、「MLBインターナショナル」としてロンドン、東京、シドニーなどに支社を設け、市場開拓、イベント、ライセンシーなどの業務を活発化させるなど。

 結果、1995年のMLB売上は1000億円ほどであったが、2008年時点でのそれは実に6100億円に達している。さらに、本書で驚かされるのが、このMLBに負けないぐらいたくましく急成長している各球団の姿である。

 1996年から2009年までの間に、メジャーでは実に21球団で買収が行われたのだが、それは「球団買収が儲かるビジネス」という証左でもある。

 メジャー30球団中、「市場価値」1位はNYヤンキース。1973年、当時のオーナーがチームを購入した時は870万ドルだったが、それが現在では約13億ドル(約1300億円)に化けた。イチローが所属するシアトル・マリナーズは11位。1992年に任天堂が1億600万ドルで買ったものが、今では4億6600万ドル(約466億円)となった。

 松坂大輔のボストン・レッドソックスは2002年に新オーナーによって買収されたが、当時、チームには約14億円近くの赤字があったらしい。それでも、2008年には前年比13%増、メジャー3位となる約816億円の市場価値を記録している。

 各球団はいかにしてその価値を高めたのか。著者の分析は明解である。すなわち、「ボールパーク(球場)のディズニーランド化」「球団が傘下に放送局を持つビジネスモデルの確立」「選手構成のグローバル化戦略」の三つだ。

 各球団はボールパークへのリピーター客を増やそうと、「食べ放題飲み放題」付きのチケットや「ベジタリアン」メニューなどを積極的に導入し、なかには1席5ドルという激安のチケットを売り出す球団もあるという。球場に足を運んでさえもらえれば、観客は飲食やグッズ購入などで金を落とす。そんな消費行動を見抜いているのだろう。映画産業など強力なライバルのコンテンツ以上の楽しみを提供できなければ生き残れない。ぬるま湯でない環境が逆に功を奏した形だ。

 また、ヤンキースなら「YES」、レッドソックスなら「NESN」というように球団が自前の放送局を設立する狙いは、より安定した収入の確保と、ファンにダイレクトに情報を発信することにある。それにより顧客満足度が上がり、球団のブランド価値が高まるというわけだ。

 球団が放映権を放送局に売却する従来のビジネスモデルでは5億円から50億円の収入しか見込めなかったのに対し、YESやNESNの場合、100億円から2000億円規模にまでふくれあがるという。加えて、放映権売却モデルでは、契約段階でチームの成績などは放映権料に反映されない。一方、自前の放送局があれば、シーズン中のチームの調子がよければ視聴率も上がり、番組スポンサー料などもそれに比例する。

 三つ目の、選手構成のグローバル化戦略とは、いうなれば“売上を確実に伸ばす”助っ人外国人選手の獲得である。例えば、レッドソックスは松坂に対し、ポスティングの入札料金を含む契約金に120億円(6年契約)を投じている。球団が期待するのは、日本のテレビ局からの放映権料収入や、日本企業の公式スポンサーの出現である。

 実はレッドソックスの三人のオーナーのうち一人は先物取引の専門家なのだ。巨額の投資に見合うだけのリターンがなければ、彼らは買い物などしない。

 そして、著者はMLBが今後さらに日本を含むアジア市場にその目を向け、もっと儲けようとしていると予測する。その世界戦略のモデルは、バスケのNBAだ。

そうだ、中国人に野球を教えよう

 NBAで活躍している中国人選手、ヤオ・ミン。この一人のスターの存在によって、NBAは2007年に中国から50億円もの収益を得たという。彼が所属するヒューストン・ロケッツのテレビ放映権やグッズなどが飛ぶように売れたのである。さらにこんな副次的な経済効果も生まれた。

 ロケッツの本拠地名は、「トヨタ・アリーナ」。トヨタが当地で新工場を稼働したことに合わせ、命名権を結んだ。著者によれば、トヨタは「ヤオ・ミンを通して、アメリカに住む中国系アメリカ人と中国市場をターゲットに絞り、取り込もうと考えた」というのである。

 MLBは、野球界のヤオ・ミンの出現を待っている。と同時に、自ら養成に動いている。中国人に野球道具を寄贈し、コーチを育成し、代表チームの監督として、日本でもプレー経験のあるジム・ラフィーバーを送り込んでいる。そうやって、将来スターになる原石を発掘しながら、マーケットの拡大にも努めているのである。

 あるメジャーのスカウトマンは著者にこう言ったそうだ。

〈中国の最大の魅力は、世界一を誇る巨大な人口だ。まだまだ野球後進国とはいえ、そのポテンシャルは計り知れない〉

 一方、NPBはどうだろうか。

〈将来的には、NPBも、コンテンツを海外に売るような体制を整えなければいけない。いくら選手のレベルが上がり、日本人選手の活躍が叫ばれても、日本のプロ野球のブランドを高める努力を怠っていては、先細り感は否めない〉

 オーナーやコミッショナーは未来志向で新しいビジネスモデルを構築するため、海外から球団マネジメントのプロや、チケット販売のプロなどをヘッドハンティングするべきだと著者は強調する。いわば、外国人助っ人“スタッフ”だ。

 球界の盟主たる読売ジャイアンツにしても、長嶋と王が球界を去り、かつての「巨人ブランド」の輝きが色褪せたにもかかわらず、いまだ「親会社の宣伝」的な性格が抜けきらない。こんなことでは1995年の野茂英雄以来、続いている人材のさらなる流出は不可避。ならば、いっそ数千億円を稼ぎ出すMLB傘下の「極東リーグ」にでもなったほうが、球団もよほど儲かるかもしれない。

 日本の選手の実力は確実にワールドクラスになってきた。しかし、球団経営陣はいまだマイナーリーグのレベルなのである。

(文/大塚 常好、企画・編集/須藤 輝&連結社)

大塚常好(おおつか・ときよし)
フリーライター。ビジネス誌を中心に、人物取材、実況ルポ、現象レポートなどの記事を手がけている。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090615/197632/?leaf_ra


だからWBCはMLBの賭場だと言っているのである。しかも胴元のWBCIは、ティラノザウルス・レックスのように強暴だ。NPB何ぞは足下にも及ばない。及ばないなりに、しっかりとその差を認識しておく必要がある。さもなくばNPB(の独自性)何ぞは潰されてしまうよ。
(続く)
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世の中、何だこれ!(WBC敗退、53)

2013-04-18 11:00:25 | Weblog

それに対して日本は、飛び道具の世界に刀なんぞと言う一昔も二昔も前の武器で戦いを挑んだ、と言うのがこの「侍ジャパン」構想なのだ。これではWBCと言うよりもMLBには勝てっこない。名前はかっこよいが「侍ジャパン」をどう使うか、どう運用するか何ぞは、皆目闇の中のようだからね。名前だけが先走っているが、次の話は一向に値するように感ずるのだが、どうかねNPBさんよ。



混迷の監督選考、落選した選手…「侍ジャパン」常設化に課題
産経新聞  2013年3月22日(金)11:43

 「侍ジャパン」グラウンドコート4万円、キャップ1万500円…日本野球機構(NPB)の公式オンラインショップには、多数の侍グッズが、並んでいる。強化試合の入場料や放映権料なども含め、ビジネス面の波及効果が大きい「侍ジャパン」という存在は、プロ野球の収益で伸び悩む日本球界にとって、収益を確保できる最後の“切り札”でもある。

 スポーツビジネスに詳しい帝京大の大坪正則教授も「普段はあまりナショナリズムを口にしない日本人だが、スポーツの国別対抗戦となると熱く燃える。侍ジャパンが優良コンテンツ(商品)であることは間違いない」と指摘する。

 NPBでは日本代表を常設化し、今後は代表に関する専門の事業部局を設置する方針を固めている。ただ、ビジネス面での期待が膨らむ一方で、肝心の代表チームの強化という側面でみると、課題もある。その代表例が、混迷を極めた監督選考の手法だった。

 ◆混迷の監督選考

 1年前の東日本大震災復興支援試合はソフトバンクの秋山幸二監督が指揮を執った。当初は昨年の7月中に監督を決定するとしながら、調整が難航。選考方針でも現役監督か、監督経験者かで揺れ続け、最後は消去法山本浩二氏が就任した経緯がある。スポーツジャーナリストの永谷脩氏も「今回は『なぜ山本監督か』という部分が残った。(監督選考の手法を)明文化すれば、選手も納得すると思う」と監督の選考方法に疑問を呈する。

 選手選考の手法では現場から異論があった。33人の候補選手を集めた2月の強化合宿では、5人を外す形で28人のメンバーを最終決定した。“落選”する形となる代表選考の手法に、主将の阿部は「あまりいい策ではない」と苦言を呈している。監督、代表選手の今後の選考手法については、再考の余地があるといえる。

 ◆アジア版WBC

 WBCを終えたばかりの日本代表だが、2年後には新たな国際大会が待ち受ける。国際野球連盟(IBAF)では4年ごとに開催されるWBCの中間年に「プレミア12」と称する国際大会を新設。2015年の第1回大会は日本が開催地で、WBC本大会に残った16チームから12チームが参加して開催する予定だ。

 NPBとしても代表の常設化を機に、今後は年2試合程度の国際親善試合を予定しているが、大坪教授は「少ない親善試合でどれだけファンにアピールできるかは疑問。もっと大規模な展開を仕掛けないとスポンサーの確保は難しい」として、韓国、台湾などを巻き込んだ“アジア版WBC”の創設を提言する。

 次世代の侍ジャパンを育て、強くすることは、ひいてはプロ野球の発展にも寄与することにもなる。そのためには、侍ジャパンを熟成させるための支援態勢や、さまざまな仕掛けも必要だ。WBCの王者から「挑戦者」となった侍ジャパンにとって、今後やるべきことは多い。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/sports/snk20130322544.html



この「アジア版WBC」は魅力的な企画だ。特別な場を設けて韓国、台湾などとの試合を設けるのではなくて、「セ・パ交流戦」のようにアジア交流戦をペナントレースの中に組み入れればよいのではないか、と思うのである。そうすれば、変な調整なんぞは要らなくなる。しかし相当な工夫が必要となろう。これが出来れば文字通りの「アジア版WBC」に設立も夢ではなくなるし、これを拡大して「真のWBC」に持ってゆく努力をすればよい。

いずれにしても、MLBだけが太るのではやりきれないし、真の国際化なんぞは夢のまた夢なのである。そうでなければ日本はWBCは、新人育成の場くらいに考えて、二軍を常に参加させるぐらいの覚悟が求められる。もともとMLBの開帳した賭場なのだから、いわゆる真の国際化なんぞは
もともと念頭にはない。あるのは「金儲け」の国際化だけである。これがMLBの国際化なのである。
このことを我々は常に念頭において、WBCを見ておかないと酷い目にあう。だから欲を出してオリンピックなんぞと言うことは、不可能に近いと言うよりも「ありえない」のである。


ちなみに「WBC2013」の参加国を次に列挙してみる。

先ず「予選ラウンド」参加国(16カ国)と1次ラウンド進出国

(1)フロリダ会場('12/9/19~23)  スペイン、フランス、イスラエル、南アフリカ→スペインが勝利

(2)ドイツ会場('12/9/20~24)   カナダ、チェコ、ドイツ、イギリス→カナダが勝利

(3)パナマ会場('12/11/15~19)  ブラジル、コロンビア、ニカラグア、パナマ→ブラジルが勝利

(4)台湾会場('12/11/15~18)ニュージーランド、フィリピン、タイ、チャイニーズタイペイ台湾が勝利


この4カ国に、予選免除の次の12カ国が参加して、

1次ラウンド→2次ラウンド→決勝ラウンド   と進むのである。


次に「1次ラウンド」参加国と「2次ラウンド」進出国

(5)日本会場(3/2~6) 日本、中国、キューバ、ブラジル→日本、キューバ

(6)台湾会場(3/2~5) 韓国、オランダ、オーストラリア、台湾(チャイニーズタイペイ)→オランダ、台湾

(7)P・リコ会場(3/~10)ベネズエラ、プエルト・リコ、ドミノカ共和国、スペイン→P・リコ、ドミニカ共和国

(8)アリゾナ会場(3/7~10) USA、メキシコ、イタリア、カナダ→USA、イタリア

このアリゾナ会場は、なんとなくUSAに有利な組み合わせと思いませんか。

次に「2次ラウンド」進出国と「決勝ラウンド」進出国

(9) 東京会場(3/8~12)   日本、キューバ、オランダ、台湾→日本、オランダ

(10)マイアミ会場(3/12~16)  P・リコ、ドミニカ共和国、USA、イタリア→P・リコ、ドミニカ共和国

次に「決勝ラウンド」と優勝国(3/1719)

(11)サンフランシスコAT&Tパーク(準決勝戦
             P・リコ、日本、オランダ、ドミニカ共和国→P・リコ、ドミニカ共和国

(12)サンフランシスAT&Tパーク(決勝戦
             P・リコ、 ドミニカ共和国→ドミニカ共和国(優勝国)



といったところがWBC2013の結果である。頭が覚めたところで、一寸古いが2009年の次の記事を読んで頂きたい。

(続く)
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世の中、何だこれ!(WBC敗退、52)

2013-04-17 00:00:05 | Weblog

 私は運よく、MLBNをキャリーしているタイムワーナー・ケーブルに加入しているため、このサービスを利用することができたのですが、テレビを視聴できない環境(オフィスなど)にいる場合は、パソコンやモバイル端末を利用して試合中継を見ることができます。
 また、試合会場にいても、座席の場所やアングルなどにより試合が見づらい場合や、試合を多面的に楽しみたいファンには、球場内で試合を見ながら携帯端末で試合映像を確認するという新たな楽しみを提供することができます。私も実際、準決勝の日本対プエルトリコ戦で試しにやってみたのですが、球種やコースなどの細かい部分は中継映像の方が分かりやすい場合が多く、「意外に面白いな」というのが感想です。

モバイル中継を見ながら試合観戦、という新たな楽しみ方

第4の窓」での取り組み

 テレビ、パソコン、モバイル端末をそれぞれ「第1」から「第3」の窓とするなら、口コミは「第4の窓」と言えるかもしれません。そして、この4つ目の窓でも、WBCは今大会から新たな試みを始めています。

マンハッタンの一角に出現した「ファンの洞窟
 MLBは2011年シーズンよりニューヨーク・マンハッタン内に「ファンの洞窟」(Fan Cave)と呼ばれる特設スタジオを設置し、ソーシャルメディアを活用したマーケティングキャンペーンを展開しています。この「ファンの洞窟」には、約1万人の応募者の中から選ばれた特派員2人が住み込み、MLB全2430試合を視聴してその経過やイベント情報などをFacebookやツイッターなどのソーシャルメディアを通じて発信しています。いわば、口コミマーケティングの拠点です。

スタジオ内には多数のモニターやオブジェが所狭しと配置されている
 約1400平方メートルの広大なスタジオには、試合を視聴するテレビモニターのほか、カフェ、バー、ビリヤードスペースなどの擬似生活空間を併設し、ライブミュージック等が披露されるほか、選手、監督、芸能人らもゲストとして定期的に訪れます。
 こうしたイベントや来客は直前まで極秘とされ、ソーシャルメディアを用いてゲリラ的に告知されるため、ファンには「何か面白いコトが起こる場所」として記憶されることになるのです。こうしたすべてを明らかにせず、秘密の部分を併せ持つことがソーシャルメディアの伝播力をより強めているようです。
 MLBは、この「ファンの洞窟」の仕組みもWBC用にアレンジして活用しています。マンハッタンのスタジオにはWBCのディスプレーが用意されるなど、WBCの雰囲気盛り上げに一役買っています。

「ファンの洞窟」に設置されたWBCを紹介するディスプレー

 さらに、WBC開催に合わせて参加国を代表する“洞窟の住人”の特別オーディションが開催されました。晴れて国を代表する“住人”に選ばれたファンには、ニューヨークまでの往復航空費、ホテル宿泊費、現地での生活費は支給され、“洞窟”で2次ラウンドまでの全ての試合を観戦、毎日ソーシャルメディアを通じ、試合の感想や観戦記を伝える任務を果たすことになります。

将来の収益化に備えてカマを研ぐ

 代表ファンは母国が敗れると“洞窟”を離れなければなりませんが、決勝ラウンドにコマを進めた4か国の代表ファンは、決選の地サンフランシスコのAT&Tパークにて母国の戦いを観戦する機会を与えられます。球場内には、サンフランシスコ名物のケーブルカーを模したWBC版“ファンの洞窟”が設置されており、ファンが記念写真を撮影することができるようになっています。

AT&Tパーク内に設置されたWBC版「ファンの洞窟」

 このように、今大会からMLBは「第1の窓」から「第4の窓」(ソーシャル)までのすべてのウィンドウを内製化し、来る収益化への臨界点に備えて既存資産を有効活用しながらマネタイズの仕組みを築き上げています。「今か、今か」とカマを研ぎながら、果実を刈り取る機会を虎視眈々と狙っているのです。
 WBCを巡っては、大会収益からの各国への分配金比率が米国に偏り過ぎだとして、“MLB中心主義”への批判も聞かれます。しかし、米国以外の国が今回ご紹介したような収益化の仕組みを作ることは簡単ではないと、今大会での変化の兆しを目の当たりにして痛感した次第です。

鈴木 友也 (すずき・ともや)

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。1973年東京都生まれ。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て、マサチューセッツ州立大学アムハースト校スポーツ経営大学院に留学(スポーツ経営学修士)。世界中に眠る現場の“知(インサイト)”を発掘し、日本のスポーツビジネス発展のために“提供(トランス)”する――。そんな理念で会社を設立し、日本のスポーツ組織、民間企業、メディア、自治体などに対してコンサルティング活動を展開している。ほかにも講演、執筆でも活躍中。著書に『スポーツ経営学ガイドBOOK』(ベースボール・マガジン社、2003年)、訳書に『60億を投資できるMLBのからくり』(同、2006年)がある。中央大学商学部非常勤講師(スポーツマネジメント)。ブログ『スポーツビジネス from NY』も好評連載中。Twitterのアカウントはtomoyasuzuki
(写真 丸本 孝彦)

鈴木友也の「米国スポーツビジネス最前線」
「スポーツビジネス先進国」と言われる米国。その市場規模や人気などで日本を凌駕する。そこでは、日本にいては思いつきもしない先進経営が繰り広げられている。だが、進みすぎたが故の問題も内包する。米在住のスポーツマーケティングコンサルタントが、米国スポーツビジネスの現場を歩き、最新トレンドを解説していく。
果たして、米国は日本スポーツ界の「模範解答」となるのだろうか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130322/245423/?mlt&rt=nocnt


このようにMLBは着々と金儲け話を進めている。まあ賭場を広げてきているのである。米国と言うよりも北米だけでは金儲けに限界があると悟ったMLBが、更なる金儲けのために国際化を迫ってきたのだ。それがWBCだ。いわゆる他人の(主に日本の)褌で相撲を取ろうと仕掛けてきた(かっこよく言えば)ビジネスモデル(賭博場)の展開なのである。
(続く)
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世の中、何だこれ!(WBC敗退、51)

2013-04-16 11:58:26 | Weblog

まあ野球を「スポーツ」なんぞと考えているうちは、何も出来ないね。野球と言うよりもBaseballは、完全な賭博(崇高なスポーツなんぞではなくて金儲け)だ、と思って何事も当たらないと間違ってしまうのではないかと、小生は危惧している。だから素人の加藤コミッショナーの言うことなんぞは、御伽噺の一つくらいに聞いておくことが肝要ではないかと思っている。土台「野球」と「Baseball」を同じ土俵の上では考えないことが必要。



WBCのマーケティング活動に見た変化の兆し
米国内の収益化モデル構築に本腰

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130322/245423/?ST=print
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130322/245423/?mlt&rt=nocnt

2013年3月27日(水)  鈴木 友也

 2006年からスタートしたワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)も今回で3回目を迎えました。参加国も当初の16カ国から28カ国に増え、国際スポーツイベントとして少しずつ定着してきた感があります。

準決勝開始前のセレモニーに臨む日本代表チーム。以下の写真はすべて筆者の撮影

 3連覇を目指した日本代表チームは、残念ながら準決勝でプエルトリコに惜敗してしまいましたが、手に汗握る素晴らしい試合でした。私はスタンドから応援していましたが、日本人として彼らの活躍を誇りに思いました。

 ところで、WBC米国内の認知度は依然として低いままというのが現状です。今大会中、米国内で最も多くの視聴者数を集めた米国対ドミニカ戦も、視聴者数は88万3000人に過ぎません(ちなみに、決勝戦のドミニカ対プエルトリコの視聴者数は84万3000人)。米国の人口は約3億人ですから、国民340人に1人が見ているに過ぎない計算です。

 340人に1人と言われてもピンと来ないかもしれませんが、山手線の朝のラッシュ時に1車両当たり約350人前後が乗車していると言われていますので、ラッシュ時の各車両に1人ずつというイメージです。これでは「昨日WBC見た?」という会話も成り立ちません。

 日本が登場した決勝ラウンド初日の夜、米スポーツ専門局ESPNの看板番組「スポーツセンター」(その日のスポーツニュースをオンエアする1時間番組)を見ていたのですが、WBCに触れたのは番組開始45分後で、それもたった40秒だけでした。それまでは、延々と大学バスケットボールや米プロバスケットボール協会(NBA)、プロフットボール(NFL)、NASCARのニュースを取り上げていました。

 以前、「WBC連覇でも、日本球界は浮かばれない?(下)~負けてもMLBだけが輝くシステム」などでも解説しましたが、もともとWBCは米メジャーリーグ(MLB)にとって国際市場開拓ツールとして機能してきたという経緯があります。WBCの米国内人気が低かろうが、米国代表チームが敗れようが、WBCが世界各国の野球タレントの“見本市”として機能する限り、MLBは他国の野球市場の一部をテレビ放映権協賛権、グッズ販売という形で吸い取ることができるのです

 この位置づけは今でも変わりません。しかし、今回から米国内でのWBCのマーケティング活動にいよいよMLBが本腰を入れてきた感があります。今回のコラムでは、米国内で見受けられるWBCマーケティング活動の変化の兆しをご紹介することにします。

「第1の窓」での変化

 今大会での大きなビジネス上の変更点の1つは、テレビ放映局をESPNから、MLBが自ら設立・保有するケーブルチャンネル「MLBネットワーク」(MLB Network、以下MLBN)にスイッチした点でしょう。これはある意味賭けでもあると思います。

 というのは、視聴世帯数1億を超えるESPNに比べ、MLBNのそれは5500万世帯と言われており、カバレッジが半分になってしまうからです。実際、前述のように今大会で最も多くの視聴者を集めた米国対ドミニカ戦が88万3000人でした。しかし、これは前大会の放映権を持っていたESPNの大会平均視聴者数160万人の半分に過ぎません。

 テレビはスポーツビジネス界では、メディア消費者が最初に向かうスクリーンということで「第1の窓」などと言われますが(ちなみに、パソコンを「第2の窓」、モバイル端末を「第3の窓」と言います)、この「第1の窓」での変更はなぜ起こったのでしょうか?考えられる理由は次の2つでしょう。

 まず、WBCはまだスポーツコンテンツとしては成長期にあり、逆に言えば大きく収益化できる収穫期にはありません。この成長期にMLB自身がテレビ放映を行うことで、WBCを大きく育てて後から刈り取ろうというのです。

 MLBNでは、24時間365日MLB関係のコンテンツが休みなくオンエアされています。これは、多くのスポーツの放映権を抱える(WBCの放送枠が時間的に限られる)ESPNに対してMLBNが有利な点でしょう。つまり、WBCの試合中継だけでなく、ハイライトや過去の大会映像などWBCに関するコンテンツを多面的・戦略的に提供することで、ESPNとのカバレッジの差を挽回することができるのです。

 米国代表は残念ながら今大会でも2次ラウンドで姿を消しました。眠れる獅子がいつ目を覚ますのかは分かりませんが、開催国である米国が優勝を手にするとなれば、国内での盛り上がりに火をつけるきっかけになるかもしれません。

 2つ目の理由は、以下で解説する「第2、第3の窓」につながる戦略なのですが、MLBNが放映することで番組制作を内製化し、関連映像コンテンツを自由自在に「第2の窓」(パソコン)、「第3の窓」(モバイル端末)に流通させる仕組みを作るのです。つまり、MLBNをWBCのコンテンツ制作工場にしてしまうのです。

「第2、第3の窓」での変化

 以前、「「テレビの失敗」からの大逆転劇(上)~メジャーリーグ版YouTubeの裏に100億円近い設備投資」などでも解説しましたが、MLBはいち早くインターネットビジネスの可能性に目をつけ、ネットビジネス専門会社MLBAMを設立しました。その中心ビジネスの1つが、「MLB.TV」です。

 これは課金型のオンライン試合視聴パッケージで、ユーザは年間100ドルちょっと支払えば、年間2400試合以上がリアルタイム視聴できるだけでなく、過去のアーカイブ映像を視聴したり、ラジオ音声を聞くこともできます。MLBは「At Bat」(アット・バット。「打席に立つ」の意味)というモバイルアプリを開発し、2010年からは携帯端末でも「MLB.TV」を視聴できる環境を整えました。


 そして、今大会からMLBはこの仕組みをWBCにも流用し、モバイルアプリ「WBCBaseball」を開発、WBCの試合映像も「第2の窓」「第3の窓」で視聴することが可能となりました。現在は試験的にMLBNをキャリーしているケーブル会社の加入者のみ無料で利用できる限定サービスとなっていますが、課金の仕組みはすでにMLB.TVで整備されているので、利用者さえ集まればすぐにでもマネタイズすることが可能です。

(続く)
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世の中、何だこれ!(WBC敗退、50)

2013-04-15 10:58:24 | Weblog

だから今回のWBCには、「侍ジャパン」には参加してほしくなかったのである。いたずらに参加しない、と言った邪(よこしま)な考えで言っているのではない。

WBCとは、米国の大リーグ機構MLB(Major League Baseball)と大リーグ選手会MLBPA(Major League Baseball Players Association、かなり強い労働組合である。)とが結託して、そのてら銭を稼ぐ為に作った賭場なのである。まあ何とかきれいごとを言っているようだが、所詮人のふんどしで金を稼ごうとして作ったものなのである。だからMLBは形だけしか、このWBCには参加していないのだ。そんなわけだから、WBCIは、と言うよりもMLBは、順位には無頓着なのだ。金さえ稼げればそれで御の字なのだ。だから本気で戦おうとはしていない。人の、と言うよりも日本の褌(ふんどし)で、相撲が取れればそれでよいのだ。そのため分配は独断で決めている。WBCは米国の一私企業(民間団体)が運営している営利事業なのである。だから公的に国際化するには、そこらへんを直さないと国際化できた何ぞとは認められない、と小生は一人憤慨している。

その賭場を運営する組織が、WBCI(WBC Inc.、World Baseball classic Incorporated 、WBC運営会社と言ったところか)で、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会が共同で設立した会社で、大会の収益はこの会社が管理し、自社や参加チームに分配する方式を取っている。2009年の前回大会は約15億円の収益があり、66%の10億円をWBCIが取り、残りの34%を他の参加チームに分配した。日本は優勝したにも拘わらず、その償金も含めてわずか13%の2億円しか配分されなかった。これで辛うじて黒字と言われているが、真実は収支トントンかやや赤字だったのではないかと想像される。

だから新井貴浩などが、自分たちが獲得したものなので、せめてスポンサー料グッズのライセンス料だけでも、自分達のものにしたいと言っただけなのである。本来はこの分配率にまで攻め入りたかったのであろうが。(世の中、何だこれ(WBC不参加、34)、2012.7.31などを参照願う。)

それにしても今回のWBCの収支勘定はどんなものなのであろうか。先回は優勝できたから、辛うじて黒字だった(?)と言われていたが、今回のWBCは四強どまりであった。だから分配金は先回よりも相当少ない額となろう。すると赤字となっている筈である。是非とも収支勘定を公表してもらいたいものである。NPBは相当損をしたのではないかと、他人事ながら心配をしている。

こんな事情をもって生まれたWBCである。オリンピックの種目にしようなどと言うことは、百年早いと言うことであろう。

いやいや、そんな純な考えでは甘い。WBCIは金に貪欲だ。オリンピック委員会を篭絡することもやぶさかではない筈だ、金のためならね。IBAF(International Baseball Federation 国際野球連盟)を隠れ蓑にして、WBCと言う営利事業は(IBAFと言う皮をかぶり)半ば国際化して、虎視眈々と牙をむいている。その一つが「プレミア12」なのであるが、IBAFにもそれなりにアプローチしたのであろう。そうでなければ、WBCに参加したチームで「プレミア12」を戦う何ぞとはならなかったであろう。WBCIは、今後どんな金儲け策を打ち出してくるか、見物である。

NPBも「侍ジャパン」も、きりっと褌の紐を締めなおしてもらいたい。締めなおす、と言うことはWBCに参加する意義をしっかりと明確にすると言うことなのである。それは単に「侍ジャパン」が参加するだけのことではない、国際化するにはWBCのルールまで国際化すると言うことであり、NPBがそれにどれだけ貢献してゆくか、と言うことなのである。

いくら国際人だからと言って、まあ野球素人の加藤コミッショナーなんぞに主導権を執らせるのが、間違いの元であろう。こんなことで良し、としているNPBもNPBだと思うよ。国際化と言う趣旨には賛成出来るが、次のようなこんな話はコミッショナーからNPBに相談があったのかねエー。




WBC閉幕とともに露になった実体のないプロ野球国際化計画
2013年3月22日(金)17:06

 日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナー(71)が主導してきた気宇壮大なプロ野球国際化プロジェクトは、第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の閉幕とともに実体のなさがあらわとなった。国際試合に適応するための統一球、NPBの財源となる日本代表の常設化-。うまくいかないのは、理念先行で現場の人間の視点欠けているからだ。

 加藤コミッショナーは19日(日本時間20日)、米サンフランシスコで会見。米大リーグ機構(MLB)のバド・セリグコミッショナー(78)と18日(同19日)に会談した際、日本シリーズとワールドシリーズの王者が対戦する試合の実現を目指す意向を伝えられたことを明らかにした。

 この「リアル・ワールド・シリーズ」は加藤コミッショナーの宿願だ。2014年に巨人と阪神の開幕戦を米国で開催する構想についても、セリグ氏から「実現するなら歓迎するし、支持すると言われた」と胸を張る。

 米国通として知られた元外務官僚らしく、コミッショナーに就任して以来プロ野球の国際化にご執心。前回のWBCで選手が公式球に戸惑ったことを受け、11年シーズンからはWBC球に近い反発力の統一球を導入した。ただ戸惑いの本質は反発力ではなく質感にあり、今回も多くの投手が適応に苦しんだ。

 それでも加藤コミッショナーは「日本の選手にとってはちょっと滑ったりするが、日本の球のほうがけがをしにくい。すぐに実現はできないが、日本の球を世界で使ってもらえるようにしたい。もうキューバは使っている」と成果を強調する。

 WBCの出場経験者ですら「選手は生活がかかっている。ボールが変わって人生が台無しになった選手だっている。4年に1度のWBCに参加する一部の選手のために、普段からそこまでやる必要があるのか」と疑問の声を上げるが、世界ばかりに目が向く御仁には届きそうもない。

 昨年、WBC出場拒否を表明した選手会に対し、説得材料にしたのが日本代表の常設化だったが、これも日に日に形骸化している。

 昨秋は監督人事が難航を極め、候補者にさんざん断られたあげく、消去法で山本浩二監督(66)が就任。結果は大会3連覇を逃した

 加藤コミッショナーは「非常によくやってもらった。感謝と敬意を表したい」と評価したが、3月末で満了となる契約は更新しない。「常設」をうたいながら、当分の間、代表監督は空席になる。もちろん、サッカーの代表監督のようにシーズン中の試合を視察することはない。

 「常設日本代表の企画として、どういうゲームをいつやるのかが最初。それにふさわしい陣容を整える。誰が監督になるかはどういう大会になるかから。まず人を先行して、とは考えていない」というのが同コミッショナーの説明。つまり、スポンサーが付いてどれだけ稼げるか次第なのだ。侍ジャパンの「強化」という意味合いは薄い。

 今オフに国際試合の開催を想定しているが、監督人事は「秋から考えないといけない。そこまでにちょっとした青写真を描かないと」と話すにとどめた。ただ、今後も「山本監督に何らかの形で協力してもらう」とも話している。続投の可能性を残したことで、今後のつきあいが大事なメディア側も“山本ジャパン批判キャンペーン”の勢いをそがれた。

 大会の総括もないまま、秋にはまた“なし崩し”で指揮官が決まるとすれば、不幸の連鎖は続く。国際野球連盟(IBAF)では、15年世界ランク12チームによる新設の国際大会「プレミア12」日本で開催する予定だ。しかしターゲットが秋の国際試合だけなら、長期的なチームづくりが進むはずもない。

 集合期間の短さは、プエルトリコとの準決勝での重盗失敗でも明らか。代表選手が「パワーや身体能力では勝てない」と再三口にしている通り、個々の能力任せでは日本は勝ち上がれない。だとすれば代表を常設化してチームの熟成度を高め、戦術や戦略で勝負するしかないのだが…。

 どれだけコミッショナーが豪華な舞台を用意しようと、プレーするのは選手であり、指揮を執るのは監督だ。夢をみるのはいいが、もっと現場に寄り添った策を取らない限り、世界一奪還もまた夢のままである。
http://news.goo.ne.jp/article/fuji/sports/zak20130322017.html


どうもこれだけではそこらへんの事情はわからないが、いずれにしてもNPBもどっぷりと噛んでいかないと、うまくゆく話ではないように思うよ。ただでさえ生き馬の目を抜くMLBのことだ。そんじょそこらの思いつきで話を進めても、MLBの金儲け主義の暴力にはかないません、ぶっ飛ばされるのが落ちと言うもの。次の話を知るにつけ、そんな気を強くする。
(続く)
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