ユバル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」と斉藤幸平の「人新世の資本論」は話題になった本だが、読んでみるとやはり僭越ながらそれだけの内容があると唸った。
著者はどちらも重要ポイントはそこじゃないと言われるかも知れないが、私には人間は考えに囚われる生物、希少性で価値を生むのが資本主義という二つの解説に目を開かされた。成る程だから世の中はこういう風に動いて行くわけだと腑に落ちた。
それとこれは特定の人から教えられたわけではなく、最近マスコミを介して世に溢れる情報に接して、三馬鹿大将ならぬ今だけ金だけ自分だけの三だけ大将が世に憚っていると感じるので、考えに囚われる人間と希少性で価値を生む資本主義と併せて、今の世界の危機が生まれていると診断したい。
ハラリも斉藤も将来に希望を見い出そうとしているが、人間は果たして理知的で寛容で理想を追えるだろうかと三だけ大将が憚る日本のマスコミを見聞きすると不安を覚える。他者を尊重しない異論に耳を貸さない口だけ達者で不安を煽り利益誘導で自分の都合を通そうとする自己中の人物を憚からせるのは危険な気がする。寛容温厚冷静で視野の広い人物の解説に耳を傾けたい。悪が強い狡いが得は今だけの錯覚と申し上げたい。