駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

サイエンス イズ ゴールデン

2020年12月17日 | 世の中
            

 科学で大切なものとことはデータ(事実)と論理的な解釈で、この二つを峻別し、複数の目で二つを検証して科学は進歩してきた。こうした筋立ては科学に限らず生活政策でもきちんとした主張をする時には必要と思われるが、最近マスコミで色々意見を言うオピニオンリーダーのような人達の中には事実と解釈をごちゃまぜにして、自分の好む考えを大声で主張する人たちが居る。同じような好みを持つ人はそうだと応援するので、根拠の吟味をすっ飛ばして一つの勢力になってしまう。マスコミは視聴率を上げてスポンサーに嫌われない人物を重宝がるので、そうした人達が増えてきたのかもしれない。
 そうした人達の新型コロナ対策を聞いていると、確固たる根拠もなく自分の限られた経験や好みで物を言う人がおられる。どういうわけか政治的な傾向と主張が結びついており、リベラルな人がPCR検査を勧め、保守系の人が検査を軽視する傾向がある。
 感染症のような要素の多い複雑な事象では科学的と言っても黒白がはっきりつくわけではなく、八割程度といった確かさの程度で詰めてゆくことになる。ややこしくまどろっこしいので、様々な思惑で方向を曲げる人達が出てくる。真実と信念が違うことは稀ではない。狂信がしばしば人を惑わせる。断言して自信に満ち溢れた人には引力があるので注意するようにしたい。
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