駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

民意の氷山

2015年07月12日 | 世の中

                             

 昨日は日本医師会での研修のため上京、永田町周辺に泊まった。一人だから高級ホテルでなくてもよかったのだが、外人客のためか適当なところがすべて満杯で、気に入っているここにした。夜、折角だからと評判の良い店で食事を楽しんだのだが、そこでびっくりするような会話を耳に挟んだ。同年輩の紳士が三人隣で食べていたのだが、「千人ぐらい死んでもいいから、**を取り戻さなくちゃいかん。あそこには**があるんだ」と強い語気が聞こえた。思わず、海老天を口にそっと首を回して隣席を見てしまった。中の半白痩せぎす鋭い感じの重役風の発言だった。こういう人は自分が100%と正しいと確信しているから辺りを憚ることはない。ここまで言い切る人は少ないだろうが、内心そうだと同意する向きはこうした店の客には多そうに思った。これも声なき声で数は少なくても、力強くよく通る。

 まあ、そうとしても、決めるべき時に決めるだとか、国の行く末を指し示すなどと言われると、それは僕ちゃん頑張れという自己暗示にも聞こえるし、あなたに指し示されたくないと申し上げたくもなる。憲法は権力を縛る為に人間が多くの血を流して生み出した砦、ご都合で裏門から抜け出すのは間違いの始まりではと危惧する。正門を通り、必要とあらば堂々と憲法を改正することに依って日本を守って戴きたい。

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