アポロ十一号乗組員で月面に降りず月周回軌道でアームストロングとオルドリンを独りで待ったマイケルコリンズさんが亡くなった。九十歳だった。そんな年だったのかと驚いたが、ついこの間のことのようでもう五十二年前のことだ。
人間を月に降り立たせるアポロ計画はケネディ大統領の発案で、その言葉通り十年以内の1969年に偉業が達成された。なかなか演説で表明しても実現は難しいものだ。それを実際に達成したアメリカは凄い国だと思う。
アポロ十一号の三人の乗組員は深謀遠慮で厳選されたと聞く。月面に立つという偉業をアームストロングとオルドリンの二人に譲り、たった一人で月を回るアポロ十一号に残る仕事ができる人物と見込まれたコリンズ氏は見事にそれを成し遂げた。裏方に徹し忘れられた飛行士と呼ばれたコリンズ氏、きっと味わい深い人だったと思う。