駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

シトシト雨の日曜日に考えた

2020年05月10日 | 町医者診言

         

 

 今朝はシトシト雨が降ってしかも肌寒い。五月空は影も欠片もなく、えーっと今は何月とカレンダーを見上げる。

 何時だったか、同年配の友人達と食事をした時、役職に就いている人が立派とは限らないねと発言したら、その通りと異口同音の声が上がり、K氏などは今頃気が付いたのという顔だった。

 確かに七十過ぎての発見は遅すぎるが、それでも戦後五十年はまずまず首相、社長、教授・・は八割方、それなりの人物だったような気がする。どうも二十一世紀というのは尊敬できない人が憚る世の中になってきたようだ。尤も立派とか尊敬されるとかいう概念や感覚が変容してきたのかもしれない。

 新聞はまだしも、インターネットのニュースを流し読みしていると十数名の言いたい人達の主張が貼り付けてある。橋下徹、堀江貴文、東国原英夫、高須克弥、桝添要一、百田尚樹、茂木健一郎、辛坊治郎・・・、勿論、中には耳を傾けたい意見もあるのだが、兎に角耳目を集めることが主眼の画面構成のようでじっくり物を考えようとする気配がない。俺が正しいと言い合っている合唱は音楽と言うよりは騒音だ。中にソプラノやアルトも混じっているようだが、恐いので名は挙げない。

 怪しげなバーテンダーが今日の特製カクテルですと提供する目立つ言説を適当に混ぜたような画面構成になっている。勿論、編集者だけの責任ではなくネタと読者にも問題はあり、相互作用ということになりそうだ。

 衣食足りて礼節を知るというよりは小人閑居にして不善を為すの方が当たっているのだろうか。ネット情報は石も増えて、玉石混淆が顕著になってきたということとすれば、玉を見極める眼力は失いたくない。何時の世にも艱難は溢れている、何とか押しつぶされず磨いて玉を目指す心も失いたくない。

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