駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

夢中になれるのは

2020年11月26日 | 趣味
           


 K氏と将棋を指している。週三局でもう二十局ほど指した。普段本など読まないそうだが、珍しく将棋の本を買いネットであれこれ勉強していると言う。残念ながら彼が強くなる速度よりも私が将棋を思い出す速度の方が早くだんだんハンディが大きくなり二枚落ちで指している。それでも勝てない。孫に一度も負けたことがないと豪語していたが、私には一度しか勝てない。
 ちょっと嫌気がさし始めている様子で、少し緩めて時々負けてあげた方がよいかなと思ったりするのだが、子供ではないのでそれは失礼かなと手は抜かないでやっている。今のところ将棋の夢を見るというくらい熱中しているので一週間するとまた指したくなるらしくお声がかかる。
 こちらはもう殆んど医学の勉強をしなくなったので、時間はたっぷりある。いつまで続くか喜んでお付き合いしようと思う。麻雀は小遣いがいらないくらいの強豪だったそうで、将棋は五六級の棋力だが注意深くてよく考えるので三か月頑張れば二枚落ちで私に勝てるようになると思う。
 孔子大先生が七十にして矩を越えずとおしゃった。大先生に僭越ながらそれは要するに、勉学修行の賜物というよりは単に高齢で欲が減った結果ではないかと邪推している。K氏を見て七十過ぎて熱中できることがあるのは素晴らしい思う。正直羨ましい。
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