駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ドナルドトランプ旋風の中身

2016年02月21日 | 政治経済

             

 アメリカ大統領候補指名選挙で共和党のドナルドトランプ氏が善戦というか旋風を巻き起こしている。まさかここまで頑張ると予想していなかった?評論家も、今ではさまざまな理由を挙げてこの躍進を予想していたかのように説明している。そしてマスコミは日本にこんな人は居ないと感心したように書いている。

 そうかなと考える。トランプ氏は言葉遊びと言っては言い過ぎかも知れないが、言葉を操ることでアメリカ大衆の不満を吸収し支持を集めている。そこそこ頑張っているし自分は白人なので優遇されて良いはずなのに、どうも恵まれないと感じている人達に、悪いのは彼奴等だ、けしからんのは奴等だ。そんな連中は閉め出すに限る。アメリカを守ろうとしない奴等に金を使うことはない、面倒見ることなど止めてしまえ・・・。なるほど、そうだと聞こえる言葉を繰り出してくる。それは不満のはけ口を求める人達の心を掴むが、詰まるところ排除と悪口に過ぎず、建設的ではなく成算も少ないと見られる。

 ただ、トランプ氏は言葉遣いの才能に恵まれているので、どのような批判も切り返しはぐらかし、「儂は正しい」路線を外れることはないだろう。勿論、言葉遣いが優れているだけでなく、計算策略にも長けているので、権力に近づけば実際には言っていることとは違う八方睨みで現実味を帯びた判断をし行動して行くだろう。マスコミは日本にこうした人は居ないなどと、とろいことを書いているが、同根同才の政治家は何人も居ると申し上げておきたい。

 ことほどさように、政治というかたぶん多くの仕事も、策略が極めて大きな意味を持つことに今頃気が付いている。政治家が本心で何を狙っているかどのような人物かを、時々立ち止まって考えないと策略で動かされてしまう。民主主義を謳いながら、民主主義の弱点を利用するのが、当然かも知れないが有能な政治家のようだ。

コメント
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