駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

五寒二温

2010年02月17日 | 自然
 玄関を出ると冷たい風が耳と鼻先を襲う。今朝も寒い。顔を上げれば鉛色の雲が空を覆い、白青緑の三層が目に入る。白青緑に見えるのはなんでしょうは有名小学校の入試のようだが、雪を被った遠い山の白、数十キロ先の青い山肌、そして近くの山の緑だ。
 駅に着く頃には顔は凍てつき鼻水がお出ましになっている。昔は三寒四温と云ったのだがこの頃は*寒*温に適当な数字を入れなさいという様相で、暖冬を外した気象庁は口を噤んでいるようだ。気象予報は衛星の弾道予想よりも桁桁違いに難しい。世界二番目のコンピュータでは追いつかないシミュレーションと聞く。
 鉛色の空と冷たい風は冬そのもので北国の人はうんざりだろう。南国とまでは行かないが、温暖の当地では鉛色の空が居座ることはなく冷たい風のどこかに春の兆しがあり、梅がしっかり咲いている。逃げる二月が過ぎれば、めっきり春めいてくるだろう。寒風の中、点滅する青信号目掛けてひらひらと駆けて行く女子高生の後ろ姿にも春を感じた。
 
コメント
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