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世界の片隅から、愛をささやいてみたり @goo

NHK『七つの会議』

2013年08月07日 | TVドラマ
NHK土曜ドラマ『七つの会議』(全4回)


話題沸騰中の『半沢直樹』と同じ原作者の社会派ドラマ。
先週が最終回でした。


最初は、戸次さん目当てで見始めたのですが、
なんかもう、毎回ぎりぎりする思いで拝見していました。
描かれているのは巨悪なんですけど、
その悪事に手を染めていく人たちは、そこまで悪人じゃないんですよね。
各人がそれぞれ切実な思いを抱えていたりするんです。
それでも、ネジの強度不足が明らかになったときに、
「もしもこれが原因で大事故が起きたら!」
とは誰も考えない(時間がたってから原島さんが思い至ったけど)。
「これをリコールしたら、大損害が!」
「知っててやっていたことがわかったら、会社の存続が!」
ということばかり考えて、隠蔽に走ってしまう。
隠蔽したところで、事故が起きたらばれるだろ、と思うのですが、
事故が起きる前にこっそり全とっかえしてしまおう、という動きなんですね。
消費者の感覚からしたら、とんでもない、と思うのですが、
もしもこの社内の一員だったら、まずそう考えるだろうな、というところが
このドラマの真に怖いところだと思います。
技術畑からの叩き上げで、良識派と思えた社長が
「隠蔽せよ」と言い放った場面が、一番うわーっと思いました。


いつでも朗らかに原島さんを出迎える奥さんが好きでした。
それから、子会社に出向して2年間「骨を埋めるつもりで」
がんばってきたのに、誰も不祥事を教えてくれなかった、と嘆きつつ、
ドーナツをほおばる副社長も好きでした。
それまでずっと無表情で、親会社の権力を体現している人だと思ったのに、
一番まっとうに仕事をしようとしている人でした。


そして、会社のことを考えて隠蔽にいそしみ、
しかし事故が起きたらと考えて、そんな自分に煩悶する
一凡人である原島さんに、共感してしまいました。
お父さんに「よくがんばった」と言われたときに、
ああ、私もそう言われてみたい、と思ってしまいましたよ。


それにしても坂戸さんが自殺しなくてよかった。


今後、企業で「一社員の責任で」不祥事が起こった、と報道されたら、
今回のドラマを思い出してしまいそうです。
すなわち、一人だけの責任ではないはずだ、と。
 


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