Con Gas, Sin Hielo

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「SING」

2017年03月25日 12時25分31秒 | 映画(2017)
テーマパークだけじゃないユニバーサルの強さ。


ラジオ日本の「全米トップ40 THE 80's」の放送が3月で終了とのこと。懐かしい音楽に浸って過ごす時間とのお別れは寂しい。

「SING」には懐かしい曲も出てくるが、現役のTeylor Swift、Sam Smithから往年のFrank Sinatra、果ては00年代初頭の一発屋Crazy Townまで幅広い年代とジャンルの音楽が全篇を彩る。それだけでとても楽しい。

「ララランド」の成功がミュージカルの復活などという向きもあるが、過去を振り返るとミュージカルに限らず音楽を題材にした映画は常に一定程度あり、そのどれもがお気に入りであることに改めて気が付く。

昨年の「シングストリート」、もう少し前だと「ピッチパーフェクト」「ヘアスプレー」も良かったし、一般にはあまり評価が高くなかった「ロックオブエイジズ」でさえ個人的には大好きである。

結局、映画と音楽のコラボに弱いんだ。単純だけど認めざるを得ない。

ただ、本作はそれだけではない。なにしろ最近絶好調のユニバーサルのアニメである。

ミニオンのシリーズ以降はずっと安定していて、今回もキャラクターの外見と個性は魅力十分。本作は「ズートピア」よろしく動物に当てはめていく手法をとっているが、比較しても特に見劣りしない出来栄えである。

もう少しキャラクターのことを詳しく書こうと思っていたら、あることに気が付いた。それは、本作には悪役が登場しないということだ。

様々な環境にあるキャラクターのエピソードが並行して描かれるが、いずれも生きていく中で障害を持った普通の動物(?)たちが奮起して一つのことを成し遂げる一本道に絞っている。

物語の上で転換点となるのは悪役による妨害ではなくて自身の弱さが招くトラブルとなっている。これは地味だけどとても好感が持てる脚本である。

自分の至らなさの原因を誰かに押し付けて非難ばかりする光景が日常絶え間なく流され続ける中で、自分を謙虚に見つめて立ち上がる動物(?)たちの姿に素直に感動することができた。

音楽に戻ると、最も良かったのはゴリラのジョニーが魂を込めて歌うElton Johnの"I'm Still Standing"。洋楽を聴き始めて間もないころに大好きだった曲でもあり、この選曲がいちばん痺れた。歌ったTaron Egertonもお見事。

(90点)
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