Con Gas, Sin Hielo

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「ピッチパーフェクト」

2015年07月18日 13時03分37秒 | 映画(2015)
新しい世界を開け放つ歌声。


米国で3年前に大ヒットしたアカペラエンターテインメントが、なぜか今ごろになって日本公開。向こうでは既に第2弾がヒット中。

テレビ東京の「ショウビズカウントダウン」がなくなってから、北米興行成績の情報が入りづらくなったが、当時のBillboardのチャートにA.ケンドリックが歌う”Cups”がランクインしてきて、これは何だろう?と思ったのを憶えている。

A.ケンドリックが演じるのは音楽界での成功を夢見るベッカという女の子。「大学くらい行っておけ」という父親の助言、というか命令に渋々従うもののろくに授業に出ない始末。

そこで父は、「1年でいいからサークルに入って大学生活に向き合って、それでも気持ちが変わらなかったら中退して構わない」と通告する。

ベッカは、声をかけられたこともあって女性アカペラグループ「ベラーズ」に入部する。

アカペラの選手権が存在することは知っていたが、まともに見たことがなかったので、まずは世界の広がりが新鮮でおもしろい。

ハーモニーだけじゃない、曲のアレンジ、ダンスを取り入れ、当然ファッションなど全体のコンセプトを競い合う感じ。

「ベラーズ」が冒頭で披露するAce of Baseの”The Sign”。綺麗なハーモニーで上手いなーと単純に思うのだが、劇中の観客や実況席の退屈な様子が映る。

本作の基準を示す意味でよくできた場面なのだが、それだけでは終わらず、観る者すべての度肝を抜く「暴発」で一気にテンションが上がる。

ベッカが加入した新生ベラーズの面々は強烈な個性の寄せ集め。ライバルの男性グループ「トレブルメイカーズ」との関係も含め、人と触れ合うことで成長していくベッカ。

成長と成功という王道のストーリーに、新旧色とりどりの音楽が挟まれるのだから、おもしろくないわけがない。

キーポイントとして使われる「ブレックファストクラブ」も我々の世代の琴線に触れる憎い仕掛けだ。

音楽は日々新しくなるし、底を見せていないキャラクターも多く、続篇への引き出しを残したまま軽々と及第点を超えてきた傑作である。

(85点)
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