goo blog サービス終了のお知らせ 

私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

現在、過去の記事を移行先のはてなブログにアップ中です。

2025年5月~7月仙台市西部都市公園池のバン(1)

2025年07月27日 | 青葉区西部都市公園池

■2025年5月3日(土)~7月24日(木)【天気】晴れ・曇り【機材】EOSR5Ⅱ+RF100-500 EOSR7+EF500Ⅱ
【場所】仙台市西部都市公園池
【種名】バン(1科1種)
【メモ】このフィールドは、2018年にアメリカヒドリ♂が来ているという情報をいただいて以来、通っている場所だ。昨年は水質が悪化し、また、水草の管理もかなり難しく、環境的にはあまりよい状態ではなかった。池を管理する方々の苦労も察して余りある。
さて、今年はどうかと期待して5月の連休に行ったら、ちょっとびっくりだった。この公園池には、毎日たくさんの方が訪れており、犬の散歩の方々も多い。自分を含め、その人たちを驚かせたのが、バンが最初に巣を作った場所だった。低い木橋の最初の曲がり角の真下にバンが巣を作り、卵を4個産んだ。抱卵もしている。橋を通る誰もが「えっ」と言う場所。犬が卵を咥えられる近さで、雨が降って増水すればひとたまりもない。案の定、翌日の豪雨でどうなったのかと翌々日に見に行ったら、水位が上がっていて、巣は水没していた(かわいそう)。
次に、バンが巣を作ったのは、岸につながっているヨシが密集している場所で、何度か出入りしていたが、ここはやめて、これもまた前例のない場所に営巣した。一見ヨシが茂ってよい場所に見えるところに、2度目の卵を4個産み、抱卵。このヨシの茂みというのが、何と根の部分が切ってあって、浮島になっている。風が吹くと橋に接岸したり、池の東側のエリアを常に漂っている移動する浮巣だ(以下浮巣)。結局、この場所も営巣を放棄し、巣は空になった。
それから、さきほど述べた岸近くのヨシが茂っているところに営巣した。この時は、すでに6月中旬に入っていた。その後しばらく行かず、7月に入って行って見たら、例によってバンがパンを運んでいる。これはヒナ誕生かと思って、1週間後に行ってみたら、ヨシで隠れていたはずの巣が、周囲から丸見えになっていて何もいない。また、失敗か?と思って24日に行ってみたら、バンの♂♀がいて、しかもスイレンの葉の上にヒナから幼鳥になる途中の1羽がいて、葉の上を歩いている。感動!3度目の正直で繁殖成功。見ていると、次々成長の度合いが微妙に違うヒナ計6羽を確認した。この子どもたちは、前に浮島になっているヨシの茂みをベースにして、♂親が守り、♀親がパンを食べさせていた。パンは錦鯉がいるので、それに食べさせているのか、よくわからないが、以前から上げている方がいる。何はともあれ、本当に苦難の連続で、よくぞ繁殖したというのが、今回の感想だ。
さらに驚いたのは、♀がまた営巣の準備をしていたことだ。以前の観察では3番子まで産んで、先に生まれた子が後から生まれた子に餌(ここではパンだが)をやって面倒を見ているのを見たことがあった。今後の観察は(2)でアップしたい。今年は池の環境がいいので、秋以降のカモたちの飛来にも期待したい。去年は、来てはすぐいなくなるの繰り返しだった。
ちなみに、この池でバンは、周年観察できるので、ここでは留鳥となる。
【動画】
バン♂の求愛行動(1)
バンの求愛行動(2)
どちらも♂が追いかけているが、♀が♂に甘えるようにして、すりよっていくのも何度か目にした。バンの♂♀は、揃うとはっきり特徴があって、区別できる。我が家の庭に来るキジバトペアも一見似ているが、2羽揃うと♂♀では全然違うのがわかる。このバンのペアも♂の方が若干大き目で、頭部から胸のあたりがちょっとがっしりしており、♀はすらっとしている。キジバトもイワヒバリも同じ傾向。また、このペアでは顔の羽毛の生え方が少し違うので、顔を見れば、個体識別ができる。
バンの給餌
バンの♀がヒナ(と言ってもかなり走り回れるし、池の鯉をものともせず泳げるが)に”パン”を与えている。ヒナが小さな翼をパタつかせている。
【写真】
  
どちらも♀/足元の巣と卵。これは近すぎ。誰でもわかる。この巣は雨で水没。
  
♂と♀/漂う浮巣。♀が抱卵中、♂が巣材を運んでいた。
  
♂/♀を追いかける♀。時々♀が甘えるしぐさを見せていた。♂はやや顔や頭部が大きく、濃く赤い額板が少し大きめ。♀は顔が♂よりややすっきりほそく、赤い額板は濃い赤ではない。
  
浮巣で抱卵中の♀/♂に甘える♀/何やらうれしそうに走り回っていた♂
  
岸近くのヨシの茂みにいた♀/浮島の放棄した巣/また、2羽で走り回っている。
  
♂の求愛のかぶりつき。この場所を♂も♀もよくかぶりついている/パンを運んでいる。これは♂♀不明/また空になった巣。この段階で3回目失敗かと思ったが・・・。
  
♀のバン/ヒナ発見。スイレンの葉の上を歩き回っていた。
  
見ていると、次々にヒナ~幼鳥に近い子も現れ、計6羽。
  
浮巣が基地になっていて、♂が守り、♀がパンを与えていた。
  
♀親/餌を待つヒナ。錦鯉に食べられないのか心配。


Copyright(C)2025 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.

 

この記事についてブログを書く
« 2025年7月26日(土)今日見た... | トップ | 2025年6月28日(土)・7月26... »