私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

2018年、2022年と見に行き、2023年は巣が崩れてしまったらしく、今年は隣の岩で抱卵中だった。

2007年12月23日(日)稚内・宗谷岬

2008年01月21日 | 北海道
■2007/12/23(日)8:00-14:40【天気】晴れ午後から曇り
【場所】抜海港~ノシャップ岬~稚内港~宗谷岬
【ノート】
◇テトラポッドと遠浅の海
 抜海港からノシャップ岬までは原野と漁村が続く。積雪はあまりなく,雪を踏みながら歩いていくと,すぐに低い堤防と消波ブロックがある浜辺に出る。その堤防とブロックの間にシロカモメが群れている。ほとんどがシロカモメでオオセグロカモメが多少,ワシカモメがほんのたまに見られるくらいだ。ノシャップ岬まで5,6回ほど浜辺に出て観察したが,お目当てのカモメは見られなかった。
 観光地のノシャップ岬をパスして,いよいよ来る途中見ていったポイントを丁寧に観察していく。最初にオジロワシ成鳥がいたが,何枚か写真を撮って,カモメ類がたくさん集まっていた小さな川が流れこむポイントに移動する。しかし,いざ観察しようとしてやってきたのがさっきのオジロワシだ。カモメは解散し,テトラポッドの上に散り散りに止まった。鵡川でもそうだが肝心なときにオジロワシが邪魔をする。来るな来るなとしっしっしと追っても関係なくやってくる。まったくにくいヤツだ。しかし,車ならゆっくり走っても10分もかからないところを1時間以上カモメを探しながら行ったが結局,でなかった。
◇あおあおあおな・あおあおあおな
 10時40分にフェリー埠頭に着く。有名な北防波堤ドームは実に芸術的な建造物だ。その前を通って埠頭の端まで行ってみたが,あまりいない。そこから中央埠頭を見ると,オオハム,ウミガラスが見えた。コオリガモもよく見るとけっこういる。急いで戻り,埠頭内の灯台に続く防波堤を歩いてコオリガモに近づいた。目の前のペアがやってきたので,撮影していると,後ろからアオアオアオナー・アオアオアオナーと♂が鳴きながらやってきた。かなりはっきりした「青」と「青菜」だ。ききなしではなくはっきり清音でアオ・アオ・アオナと言っている。これにはとても驚いた。それからぐるっと回って北洋埠頭に行くともう,コオリガモがやたら近くにいっぱいいる。岸壁から下を見たら,直下にオオハムがいて,互いにびっくり。急いでレンズを向けたが,近すぎ大きすぎてピントが合わない。だいたい肉眼で大きく見えるのだから400mmではさらに大きい。結局,2,3秒で潜られて遠くに出たところを撮影したのが,掲載した写真だ。鳥の海の水門で見たアビよりずっと近かった。
 それから釣り人がいる埠頭の方にいくと,埠頭の岸壁から淡水が出ている場所にたくさんのコオリガモが集まってしきりに潜水していた。クロガモもたくさん近くにいる。クロガモは頭と頬の羽毛の質がよくわかるほど近くにいた。あとはシノリガモはどこにでもいる感じだ。ウミガラスは港の真ん中へんいいるので,どこに行っても,小さくしか撮影できなかった。しかし,これだけ近くでコオリガモを見られたのだから,大学時代の納沙布岬の小港で見たコオリガモの再現にになったのはとてもうれしかったし,満足した。ビロードキンクロやコケワタガモはまだだが。
◇回転寿司に行く
 宗谷岬に行く途中,市内の回転寿司に立ち寄った。伝票に書いて注文する形式で,ネタは北海道らしく巨大だった。いつもウインドウズモバイバルOSのタッチスクリーンで注文し,新幹線のようなものが注文した寿司を運んでくるかっぱ寿司で食べていると,紙に鉛筆で書くというのはなかなか風流だ。しかし,となりのおばさんがものすごい勢いで伝票に注文を書き,せわしなく寿司を食べているのにはやや興ざめといったところだった。
◇宗谷岬で日本最北端の人になる
地図で見ると稚内から宗谷岬までは遠そうに見えるが,これも30分そこそこで着く。この間,やはり遠浅の海にはシロカモメや海ガモ類が群れていたり,オオワシが浜辺にぽっつりいたりする。宗谷岬まであと少しというところで,あれ,宗谷岬ってどこ?と思ったら何と通り過ぎていた。岬というと函館の立待岬なんかのイメージがあって,やや断崖というのが頭にあったが,ここもノシャップ岬同様,平地というか遠浅の海岸の延長線上にあるといった感じだった。この時間,誰もいなかったので自分が最北端の人になったつもりでいたが,よく見ると,目の前にシロカモメが2羽いるではないか。これでは最北端になれないと,大変失礼ながら手でしっしっと追ってしまった。そして自分が最北端の動物になったのである。
◇新千歳空港で「白い恋人」を買いそびれる
いったん稚内港に戻り,短時間見た後,空港に行った。「白い恋人」が置いてあったので買おうかと思ったが,どうせ新千歳空港で買えるだろうと思っていたら,何と千歳では全部売れきれだった。がっかりして別のおみやげを買い,そしてあっという間に仙台空港に,そして自宅に帰った。飛行機はやはり速かった。
 写真は,宗谷岬から少し戻った遠浅の海岸で,クジラらしきものの死体をあさっているカラスとオジロワシ。
写真はこちらです


Copyright(C)2007 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.