米沢市の居宅介護支援事業所「なごみの部屋」に行ってきました。
我妻社長
2005年11月に伺ってから、3年ぶり。そのときのことをブログに書いていますので、上の「なごみの部屋」をクリックすると読んでいただけます。「なごみの部屋」がどういう理念の下に発足したのかなど、ぜひ読んでください。
別れのときの言葉です。
「介護保険発足時に、老健から退所を迫られた方々のためのデイサービスつきアパートを始めました。ディサービスの希望が多くデイを増やし、訪問看護の要望にも応え、要介護の方のお世話をしていくうちに、エイジングライフ研究所二段階方式に出会い、認知症は生き方の問題だということが納得できました。認知症のかたがたには相応の生活歴があるものです。
2005年から「かくしゃくの会」の活動が始まり今に至っています。
そして今年から機能訓練事業所も開設しました。
今思うことは、正常な方々を如何に落とさずに人生を全うしていただけるかということです。イメージ的にはディつきのケアハウスです」
そこで私「参加を強制するようなディが必要ですね。従来のケアハウスは自主性を尊重しているうちに自主性をなくしてしまうようなことになりましたから」
印象的な言葉を紹介します。
「設立当時のいろいろな事情から『楽しく安全に過ごしてもらう』ことをテーマにしてメニューなし、いやがることはしない、楽しいことだけにしていくディサービスがありました。数年たつうちに低下傾向がはっきりしてきたこともエイジングライフ研究所二段階方式導入のきっかけのひとつだったんですが、脳機能テストを通して客観的に見ることができ、今では、『予防や改善』を目的にメニューを組んでスタッフが積極的に引っ張るディサービスを全箇所でやっています」
「なごみの部屋」では 介護保険外の事業がこれだけになりました。
かくしゃくの会:脳と体の健康教室
なごみーる:障害者自立支援法に基づく就労継続支援B型事業所件自立訓練事業所
フィットネスルーム:中高年向けのフィットネスケア
機能訓練事業所の仕事内容はお菓子つくりとクリーニングです。それは「なごみの部屋」での需要が確実だからだと伺って、こういう視点が市町村の事業にも入ってくるといいのにと感じましたよ。
なごみーるで、プリンやクッキー作りを主体に始めた後に、たまたま和菓子製造もできる職人さんと施設が事業に加わることになったそうです。ひとつがうまくいくと続くものですね。
ここできたお菓子ももちろん「なごみの部屋」でも使うのですが一般に販売することになっています。
なごみーる (リハビリルームに注目) なごみ庵
(祈 商売繁盛)
「かくしゃくの会」参加者の脳機能テストは継続的に実施されていました。
担当の方と一緒に、数名分結果を検討しましたが、感動的でした。
基本的には改善主体。
低下群には体調・家族内での問題発生など納得できる生活上の変化がありました。そこを乗り越えて教室に参加しているとまた改善してくるのです。
このことは十日町市松代での勉強会におけるO保さんのいわれたことと同じです。
70代80代の方が改善していってることがわかるとうれしいものですね。
なかなかまとめる時間はないでしょうが、でも、がんばってください。
今月開店したばかりの「なごみ庵」
もうひとつ。
実務研修会に参加されたS木さんのケースも検討しました。
事故で失語症という診断の53歳の男性でしたが、当日拝見したときに、「右脳の損傷もある」ということと「脳が回復できる期間は短いので、後遺症を認めてうえで積極的にかかわってあげるべきでしょう」とコメントした記憶がありました。
そのときMMS13点でした。今回23点。字も模写(立方体模写まで可)も別人のようでしたが、何より生活実態が別人のように生き生きしていらっしゃるそうです。ベッドから降りたらセンサー感知させるという状態から、独力で行きたいところへ行ける状態にまでなったそうです。
前頭葉機能は今ひとつですが、少なくとも家庭生活は問題ないところまで回復できました。
生活実態と脳機能がパラレルであるということを納得している皆さんにお会いできたことは、「なごみの部屋」の活動が大きく発展されていることとともに大きな喜びでした。