脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

続1月の右脳訓練ー市民火山教室参加

2013年01月28日 | 私の右脳ライフ

素晴らしい晴天の中、1月の市民火山教室に参加しました。
「伊豆半島の北上・日本列島衝突、海進・海退の記録を探る」というテーマで狩野川流域の探訪でした。

ひもり山からの眺望。南アルプスの山々が一峰ずつ!    さすがに雪の多い富士山でした。
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御坂の山々の手前が箱根連山。右端が駒ヶ岳。        箱根火山の噴火でできた伊豆の国市の山々

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昨年、伊豆半島は日本ジオパークに認定され、現在は世界ジオパーク認定を目指しているところで、地質学的に興味ある地域であることは知る人ぞ知るところです。
伊豆半島が、南の海に浮かんでいた火山島で、フィリッピンプレートに乗って本州にぶつかったということは知っている方も多いでしょう。

「一番初めに、そのぶつかったという証拠を見ましょう」という先生のことばに、期待が膨らみます。中伊豆(ということはおおざっぱにいって伊豆半島の真中です)の山の中へ入っていきます。
林を下ったところに細い川が流れています。
「その川の淵の岩がその証拠です」
2013012710550000???湿り気のある普通の岩にしか見えません。

「岩石は岩ー砂ー泥(粘土)というふうに粒子が細かくなっていきます。
河川は、近くから岩ー砂ー泥と運びます。小さい泥は遠くまで運ばれます。
ここにあるのは、砂と泥の中間のシルトという物質からできた岩なのです。つまり、ここが海岸線よりはるかに遠くだったという証拠になるわけです。
もう一つ、砂や泥は海底火山からは生まれません。風雨や河川が削って作るもの。つまり近くに丹沢という陸地があったから、そこからこのようなシルトが運ばれて間の海が埋められたんですね。だからここが、衝突の一つの証拠になる・・・」

ことばの説明としてはわかった気になりました。
ロマンですねえ。南の島がやってきたんですよ!
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参加者のお1人が、川向うの岩を小枝でひっかいて来てくださいました。
小枝でひっかくことができるほど柔らかい。
指でこするだけで崩れてしまう。

とっても納得。
砂より細かく泥より大きいものが固まった岩なのですね。
この細かさなら、海岸線から遠くに運んでもらえるはず。
こんな山の中に、といっても長い時を経て「山」になったわけですが、島が衝突した証拠がありました。

衝突といっても車の衝突みたいに「モロ」激突ではありません。

「南の島からも本州の山からも、噴火や川が運んだ岩石が間の海を埋めて陸地ができ、伊豆半島が完成されたことになります。
だから、伊豆半島の北部、狩野川中流域にはもともと海だった証拠がたくさんあるのです」2013012712530000

左の写真の中央の建物は、伊豆中央高校です。工事中に、亜熱帯特有の貝の化石が出て、海の証拠がまた積み上げられました。

左の丘は、実は離れ小島だったのです。

狩野川中流域の勾配は0.4/1000しかないそうです。普通の河川だと20/1000くらいだそうですから、ほとんど流れがない状態ということになります。このこともそもそも、元来海だったことを意味しています。

下流域にしかないはずのS字に蛇行した流れが何か所も観察されました

有名な狩野川放水路だけでなく、いくつもの支流に逆流防止の樋門があって、洪水対策がなされていました。狩野川台風だけでなく何度も何度も洪水の被害があったそうです。

2013012714450000_2伊豆半島は本州に衝突した後も、火山活動が活発だったために、海であった証拠はそのほとんどが地下深くに隠されてしまいました。

一方で溶岩が貫入している地形もたくさんあるそうです。
大規模な凝灰角礫岩の採石場跡にみられる岩脈です。幅が1メートル以上ありました。

伊豆半島では、陸地化した後の火山活動の様子は、そこここで知ることができるようです。

少しわかってくると興味もわくし、ようやく疑問を口にすることができるようになりました。

駿河湾の夕日(輝石安山岩由来の砂浜。黒くてキラキラ)         香貫山と沼津御用邸とウミウの群
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話は変わりますが、MHKの朝の連続ドラマ「純と愛」。
ヒロインの母親が「若年性アルツハイマー」という展開になっています。いくつかの事件(伏線)があって、とうとう診断が下されたところです。
「治るということはない。薬で進行を遅らせることはできるけど・・・」という、現在の常識的発言は仕方ないでしょう。

でも、伏線も首をかしげるものばかりでした。
まだ初期の設定のはずなのに、「混乱」を暴発させるシーンが多すぎる!そのほうがドラマチックですけど。確かにドラマでした(笑)

2013012115550000それにもまして気がかりなのは、ヒロインの「お母さんの笑顔を取り戻すためなら何でもする」
というセリフです。さあ、どのような展開が用意されているのでしょうか?
「若年性アルツハイマー」なら、どのような対応をしても、急激に悪化し介護負担も大きいものです。笑顔がないとは言いませんが、昔の笑顔とは意味が違うものです。
真の「若年性アルツハイマー」の家族の方々の苦しみを思うと、家族の努力で改善していくということにならないことを祈るのみです。

認知症も、実態を知らないと取材をしても的が外れるのですね・・・


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