脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

白内障手術体験記ー左目版

2009年06月11日 | 白内障手術体験記

6月11日。今日は左目の手術です。
今日はいろいろと得難い経験がありました。

200906101802000 一番目の執刀ということでしたから遅刻しないように、家を6:45に出発し、病院到着は7:40でした。
8:30前には術後回復室へ案内され、術衣に着替えて、目薬の点眼が始まります。3種類くらいあったようです。

前回は、術後回復室ではメガネをかけない状態になるので、ほんとに自分の周りにしか関心がいきません。
部屋の真ん中のテーブルの上に目薬があることはわかるのですが、どんな目薬?というふうに関心が深まらないのです。

隣の人の表情はわかりませんから、会話も目を合わせることもしませんでした。

今日は違います。
右目の視力がちゃんとあるので、いろいろなことに関心がぐっと深まります。

二番目の手術が予定されているサイトーさん。
私の横の椅子に座られました。
たまたま、一階で名前を呼ばれた時から間違われて「アノー、サイトーです」「イエ、タカツキです」というやりとりがあった後、一緒にエレベーターで二階にやってきたので、顔なじみみたいな気持になっていました。

エレベーターに乗っている時から
「私はおなかはいっぱい切りまくっているけど、目は初めてなので怖くて…」と言われていましたから、ゆっくり椅子に座ったところを見計らって
「手術中、何が見えるか心配なんでしょ?」と声をかけました。
「そうなんです。昔やった人からメスが見えるって聞きました。怖くて二度といやだって」
「ほんとに怖くないんです。私は先週やったばかりですよ。何が見えるかというとすごく明るい光。それにちょっと黒いところが私には見えました。そこをみていればいいんです。その他にはちらっと光るものが一瞬見えたくらいでしょうか」
「右目で見えるでしょ?(サイトーさんも左目の手術です)」
「一番最初に、手術する方の目の所に穴が開いた布を顔にかけられますから」
「ああ、そうですか。だから手術の方の目で光だけ見るんですね」
「第一、5分か10分ですから。怖くない怖くない!」

などと励ましているうちに手術準備室へ。
200906101806000
ここでも術後回復室と同じようなことを感じました。
前回の手術の時には、平常心というかむしろ興味津津で漏らさず起きることを感じて覚えておくつもりだったのに、今日もう一度体験してみると、
「アレッ、ここはこういうふうにされたかしら?」と記憶に入っていないことがありました。
忘れているのではなく、認知されていない。という感じです。
なぜ認知度が低下したのか?
  良く見えないので刺激量そのものが少ない。
  初めての手術で緊張状態だった。
  もしかしたら、軽い安定剤のようなものが処方されていた。

色々考えられますが、私の前頭葉は来るべき手術の方に関心がいっていたのかもわかりません。
自覚はしていなかったけど、手術への緊張感や怖さなどを克服するように、前頭葉は一生懸命対処していたのかもわかりません

手術室でも同様で、前回とは違う空間みたいでした。
看護師さんが3~4人いらしたでしょうか。前回はそんなにたくさんとは気が付きませんでした。
直前に私を覗き込むようにして、目薬をさしてくださった看護師さんの目がきれいだったこと。(前回は看護婦さんの目を見た記憶がないのです)
目をあける閉じるの指示も「前回もあったかしら?」
シールを貼られる時に、今回ははっきり見えましたが、前回は何も見ていません。(見た記憶がないのです)

手術前に、H江先生とブログの話などして、緊張感の中にもほっとした気分でスタートしました。

手術に関しては、前回と違うなあと感じた体験はありませんでした。
「器械の音が、こんなに大きく聞こえたかなあ」などと思っていました。
それから、昨日高校の同窓会報がきて、校歌誕生のいきさつが掲載されていたためだと思うのですが、頭の中では「戸畑高校校歌」が流れていました。

見つめる光の形状は左右で、多少違うようです。

200906111323000 そして、今回も10分足らずで終了。
最後につけていただく軟膏の量が少ないような気がしましたが。比較できたのですから、前回の軟膏の量をちゃんと認識していたということですね。

手術室から術後回復室へ戻ったところです。着替えの前に鏡の前でパチリ。
右目が見えるので、今日の眼帯はドーム状ではなく、ガーゼで覆われていますから、どのくらい見えるようになったかは明日のお楽しみ。

認知度が高いというか刺激をたくさん受け取ったというか、なんだか今回の方が興奮したような気がするのですが、術後の血圧は136/90と文句なし。

私が部屋を出るときに、サイトーさんは術後の血圧測定をやってもらっていました。
「大丈夫だったでしょ?」と笑いかけると
「ほんとに!でも先に教えてもらってたから。あれがよかったんですねえ」
いわれました。
「サイトーさんの前頭葉も、知っていることに立ち向かう方が好みなんだな。お任せのほうが好きな人もいるでしょうけど」と思いながら別れました。

200906081346000 「自分」が体験しているのに、その「自分」を支配しているものがあるというようなことを感じた一日でした。
「自分が見てるのに、どのように見るかを決めるものがある」それって前頭葉の働きの中でも、中核的なものでしょう。

前頭葉ってすごいですね!