脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

認知症予防教室の継続的自主活動は男性群がカギ

2009年10月03日 | 各地の認知症予防活動

ちょっとおもしろいデータが届きました。
O県B市。初回のテストと2年後のテストがともに実施できた人は74.1%でした。
その中で検討を加えると、改善率は112/140=80%なかなかですね!

ここは合併したところですから、各地区の教室の比較もしてみようと思ったようです。各教室ごとにまとめられていました。
(管理ソフト「エイジング」は事業のまとめのために作りました。活用してください。本年度バージョンアップ版ができていますから、届いてないところはメールをくださいtakatuki@gaea.ocn.ne.jp)

各教室の改善率の差も気になるところですが、考えてみれば認知症予防は、毎日の生活改善に支えられるものですよね。
ということは、一定の限られた期間の教室の成績うんぬんよりも、その地区で認知症予防と理解したうえで継続的に集まりを続けることができるほうが事業としては成功したことになります。
それが下表のサロン化の欄です。11地区中8地区で継続活動につなげることができたという結果になりました。うまくいくと、全部が継続していけるのですが、サロン化に成功する地区としない地区の差はどこにあるのかの検討は大切な点でしょう。

<colgroup><col width="44" style="WIDTH: 33pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 1408" /><col width="111" style="WIDTH: 83pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 3552" /><col width="93" style="WIDTH: 70pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 2976" /><col width="85" style="WIDTH: 64pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 2720" /><col width="57" style="WIDTH: 43pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 1824" /></colgroup>
地区 男性の割合順 改善率の順 事前説明 サロン化
A 1 9   成功
B 2 11   成功
C 3 3   成功
D 3 4 なし ×
E 5 2   成功
F 6 8 女リーダー 成功
G 7 6   成功
H 8 5 なし 成功
I 9 9   成功
J 10 1 なし ×
K 11 7 なし ×

以前からそれなりに「集まり」はあった地区もありましたが、今回はあくまでも「認知症予防教室」ということで、保健師さんがこの事業の趣旨を事前説明したところとしないところがあったのです。
事前説明がないところでは継続できたのは一か所だけですから、どう見てもこの事前説明は必要だということが言えますね。
お台場レインボーブリッジを歩きました。2009_0923_124200p1000094

保健師さんたちには、男性の多寡がどうも何か影響しているようだという印象があったそうです。
そこで男性の占める割合が多い地区から、少ない地区へと検討を加えてみると(寒色系の濃い色ほど改善率が悪く、ピンクは改善率がよいことを表しています)、申し訳ないほど男性群の多いほど改善率はよくない!まるで逆比例みたいですよね。

ところが、サロン化に関してみてみると、サロン化に失敗している地区ははっきりと男性群が少ない傾向が見て取れます。2009_0923_124100p1000092

添付されていたコメントです。
「地区役員には男性が多いので、男性役員が参加することで、参加者の垣根が取り払われて参加者が多くなる」


「また同時にそのような地区は、結果的に地区を挙げて取り組むことになり、教室を継続させやすい」2009_0923_124100p1000093

「男性は、目的が明確化していない事業(教室)には行かない」

サロン化に関して言えば、確かにその通りでしょう。男性参加を分析して
「もともと目的意識が明確」
「役員参加→必然的に男性増加→地区を挙げてが実現」→「教室の継続」
このような「仮説」は実態を表していると思います。

ところで、改善率の悪さはなぜでしょうか?

男性役員さんたち(特に左脳タイプの役員さん)の意向が強すぎると、教室が真面目になってしまって、楽しさに欠ける傾向は良く見られます。
それでも役員さんの意向で継続できるから捨てたものではありませんが、ど2009_0923_123200p1000090

保健師さんたちが、頑張って検査と聞き取りに励んだおかげで、生活実態と脳機能はパラレルであるということがよくわかったようです。

「地区全体の雰囲気が変わったんです。今まではまじめでどこか硬くて遊びは悪いこと、仕事をしなくてはという感じだったんですが、みんな楽しそうに集まってくれています」という話もN村保健師さんから伺いました。

<colgroup><col span="5" width="72" style="WIDTH: 54pt" /><col width="81" style="WIDTH: 61pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 2592" /></colgroup>
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