脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

Stay Homeで前頭葉機能低下?

2020年06月01日 | 前頭葉の働き
3月下旬から、原則的に家にいる生活が続いています。
家にいることは決して嫌いではありません。今回はそれにしても時間がたっぷりありますから、いろいろやってみました。
アマゾンプライム!Fire Stickを使って研修会用のスクリーンでホームシアター開設。映画も何本も見ましたし、普段だとまず見ることはない今話題の「鬼滅の刃」も楽しんでいます。苦手なシーンもたくさんありますが主人公の炭次郎のやさしさが沁みて、次の展開が気になってしまうのです。
野イチゴの自生地を教えていただいて、念願の野イチゴ摘み。
むしゃむしゃ食べましたが、もちろんジャムも。
ジャムを使ってゼリーも作りました。
おやつもイロイロ作ってしまいました。ナッツをのせたパイ。
魚も作って。
このサバは7匹で350円だったと思います。もちろんシメサバ。そぼろにしたり、南蛮漬けにしたり、味噌煮も作りました。
畑づくりも。トマト。
バジル。バジル屋さんができそう!実はタイミングが遅く、苗の種類が少なかったのです。
でも探しまわって、カボチャ2本、ナス2本、ピーマン1本、トウガラシ3本追加できました。
一昨年、挿木で育てたパッションフルーツ。鉢がジャングル状態でしたからツルを整理してやったら、すぐに元気を取り戻しました。
花も。
多肉植物にも、少々手を加えてやりました。
ヘビイチゴエキス。虫刺されの秘薬と教えてもらって去年から作ってます。
息子たちから言われている、Zoomを使いこなせるようにという課題はなかなか相手に恵まれず使いこなせるところまではいっていませんが、ライブチャットは何度か体験しました。

昨日今日と二日かけて、ドクダミエキスも作りましたよ。花が咲きだした時がベストタイミングということですから、大体毎年5月末の仕事です。
根が深く、抜くのが大変です。山のように生えてますからすぐに収穫量はなかなかのものになります。きれいに洗って束にして半日干します。このくらいの束が10個以上もできたでしょうか。
花と葉をちぎって、瓶に入れホワイトリカーを注ぎ込んで、一か月くらい経ったら濾して完成となります。
楽しそうだと思われますか?
実際、楽しみながらやったことばかり(の一部)を報告しました。
ところが、事件が勃発。
ドクダミの中に一本違う植物が混じっていました!私はちょっとショックを受けました。
「そんなことなんて小さな失敗じゃないか」と思うでしょうね。
この失敗はなぜ起きたのか。
ドクダミを洗うという一見単純な作業を、脳機能からみてみましょう。
土を落として傷のあるなしをチェックして、干すために大体の長さをそろえて並べていく。前頭葉の中核的機能である注意集中力と分配力なしにはとてもできない仕事です。
何歳くらいからできるだろうかと考えてみるとわかりやすいかもしれません。
幼稚園児では無理です。小学生でも高学年になったらできる作業だと思いますが、何時間かかかることを思うと少し無理があるかもしれません。
この注意集中力や分配力は、20歳代にピークを迎える一峰性のカーブを持っています。
だから年齢を加えるとともに能力低下を感じることは、ごくごく普通のこと。
誰しも「歳をとって頭が悪くなったなあ…」と苦笑交じりに言うものです。下のグラフの縦軸「脳力」のカーブが注意集中分配力の移り変わりを表しています。

私の一草の間違いが、単なる失敗かどうか。
「まあ歳を取ったから仕方ないわ」と笑えることかもしれません。
「それにしても、こんな失敗をするなんて。どうしちゃったのかしら」と気になるかどうか。
抜いた時に紛れ込むことはあったかもしれません。でも一本ずつ洗ったのですよ。その時に気づかなかったのが不思議。
今まで何年間か作ってきたのに、一度もこのような失敗はなかったなあと忸怩たる思い。
そこでもうひとつ、面白い失敗の自覚があることに気づきました。
家にいるので、パソコンで検索することが極端に増えました。ちょっと気になるとすぐに検索。ところがパソコンの前に座って、ちょうど出ている画面に見入ってしまったり、「先にニュースやメールをチェックして」とそちらを優先すると、肝心の「検索」がどこかへ行ってしまって「アレ、何を検索するつもりだったのか?」と一瞬考え込むことが確かに増えてます。
こんな不思議な色のユリを、若い友人が持ってきてくれました。

結論です。
この2か月のStay Homeの生活は、私の前頭葉にとって、刺激の質や量としてやや足りなかったということだと思います。ストレスなく生活を楽しんでいたようでも、前頭葉が本当にやりたいことを満たしてやってなかった・・・それで老化が加速してしまった(もちろん、ほんの少しです!)のではないかと、結論付けました。
前頭葉は評価する機能も担ってますから、他者の評価が良であっても自分の評価が良でない限り、満足はできないものなのです。逆に言えば、自分が自分らしく満足して生き続けることが、老化を加速させない必要条件ということにもなります。
自粛が解除されましたから、もう少し友人との交流を増やさなくてはいけないのではないかと思ってます。私は料理したら、誰かに食べてもらいたい。挿木で植物が増えたら、誰かに差し上げたい、そんなタイプだと改めて思いました。
(続けて書きます)

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