脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

宮城県旧古川市(現大崎市)の取り組み

2006年07月13日 | 二段階方式って?

宮城県古川へ行ってきました。1市6町の合併で、今は大崎市です。旧古川市では平成11年よりモデル事業開始、もう数箇所の教室が自主的に継続されています。

ここの展開法は、まず地区公民館でボケ予防講演会をします。
そこで教室の参加者を募って、直後に第1回教室開催。
初回には脳機能検査を行い、必要に応じ生活指導と教室の意義などを伝え、半年間は保健師さんが積極的に指導します。
最後にもう一度脳機能検査をしその結果を参加者に説明します。
教室終了後は自主的に継続・・・

今年は長岡地区。地区への働きかけのツボも心得たものでさすがと感心しました。
「北区振興協議会」という組織があります。
これは区長会・老人会・PTA・おまわりさん・婦人会・健康推進員・JAなどが参加し、毎年重点事業を決めて活動しているそうです。
ここを動かしたのです。
今年は「ボケ予防」がテーマで昨年12月から活動を開始。
旧市の内でも遅い取り組みでしたから、「ようやく番が来た」とやる気満々だったらしいです。
      P1000012        主たる牽引者、鎌田公民館長。
この地区出身で、ここの小学校の先生をされたそうです。

P1000016_1 P1000018                そのときの教え子、といっても数歳しか年齢は違いませんが、お世話役でがんばっていらっしゃいました。振興会会長と区長会会長。

以上のような特別の事情があるとはいえ、講演会の準備は、前日の会場設営から当日の駐車場の整理まで、すべて地区の方々が率先してなさっていました。

講演会に「地域ぐるみのボケ予防活動」「ボケない地域づくりの実現」などの副題をつけることが多くなりましたが、教室が始まる遥か以前から地域づくりが始まっていることがよくわかりました。
どの組織、どの人が、キィになってくれるのかの見極めは、保健師さんが一番適任かと思います。
後述の敷玉地区では、運営メンバーとして保健推進員、婦人会、民生委員、食生活改善推進員が参画し、老人会、区長会は協力団体です。1年間くらいかけて、いろいろな機会を通じて周知していきます。

講演会に先立って、先行した高倉地区有志の、「365歩のマーチ」にのった「ダンベルニギニギ体操」の披露もありました。
これは保健師さんの突然の誘いに応じて参加してくれたのです。
「安物ですがお揃いのブルーのTシャツを用意しました」という説明に、会場からは思わず拍手が湧き上がりました。
(写真がなくてごめんなさい。見とれていました)

講演会の前日の勉強会では、古川の練生川保健師さんが昨年実施の「敷玉ほのぼのクラブ」のまとめを発表してくれました。
  脳機能検査
   かなひろいテスト合格群は78.6%→87.1%
   個別検査で前後比較できた15人は、
   改善10名・維持2名・低下3名(うち1名死亡)
  生活改善指導(アンケートによるまとめ)
   「脳はいきいきしているか」42.4%→87.9%
   予防法としてあげた10項目すべてに理解を示し実践もした結果となった。
   特に運動の必要性に関しては47.8%→86.6%

発表している練生川さんの顔が輝いていました。

よかったね!