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脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

小布施町講演会-WHO「認知症予防の生活習慣」を考える

2019年06月23日 | 認知症予防講演会

小布施町での認知症予防講演会で何度お話ししたでしょうか?もともと「脳のリフレッシュ教室」を各地区で展開していくための講演会でした。「正常な高齢者が、認知症にならずに正常なままでいるための教室」を一年間は行政指導で、その後は各地区の自主活動で継続していくというのがこの事業の骨子です。
各地区一巡しましたので、今回は少しお話を変えようかと思っていました。
一応パワーポイントも出来上がり、最後の確認をしていた時に、世界保健機構による2019年版の「認知症予防の生活習慣」が5月に発表されたという記事が目に留まりました。

ちょっとびっくり!あまりの旧態依然さに。
最近になって、スエ―デンのカロリンスカ研究所などを筆頭に「生き方としての生活習慣」が認知症の発症に影響しているのではないかといわれ始めてます。
にもかかわらず、これは何でしょう?
「脳」という視点がゼロなのです。
小布施町の皆さんが、WHOが提唱するこの生活習慣を守れば認知症にならないと賛同されるかどうか。そこから話を進めることにしました。
講演が始まる前の様子です。いつものように和気あいあいとしたいい雰囲気です。

最初に、上のスライドを出しました。
あまりにも左脳的なアプローチですから、イラストにしたスライドを続けて提示しました。
「脳の中でイメージ化してみてください。どんな運動かはわかりませんが定期的な運動はしています。そしてたばこは吸わない。休肝日は守る。ヘルシーな食事をして、体重が増えないように気を付けてる。もちろん血圧、コレステロール、血糖値のコントロールもばっちり。それを家の中で『一人で』してるんです。趣味も楽しみごとも友だちも必要とは一言もいってません。どう思いますか?」
会場の様子を一言で表現すれば、失笑という言葉が一番近かったと思います。よかった…
エイジングライフ研究所では、認知症予防はまず脳の働きの説明から始まります。
Sikumi
もちろん仕事や勉強の時に発揮される左脳の能力、趣味や遊びや人付き合いを楽しむ右脳の働きを解説するのです。そして人が生きていくときの前頭葉の大切さを強調します。
Photo_3
認知症の本体は、体に起きるほかの老化と同じように、だれでも加齢とともに老化していく脳の能力が、そのスピードを速めること。その原因は脳を使わないために老化が加速するというごく単純なことなのです。
「それでは、脳を使うことってどんなことですか?」と質問タイムに入ります。普通だと「読む・書く」という回答が必ず出るのですが、今回の小布施の皆さんは「楽しいことをする」「チャレンジする」など正答続き。
三頭立ての馬車の説明が結構功を奏したのでしょうか!
いつものように小ボケ―中ボケ―大ボケという認知症の三段階も納得してくれました。

だから、脳機能検査を受けることで早期発見が可能なこと、早く見つけることができると改善できることも言いました。

最後の質問時間に、女性の方が「今日は目からウロコ。いろいろ気弱にもなったりしてたけど、お話を聞いて自信が持てました」とわざわざ挙手して言ってくださいました。講師冥利につきます。
ちょっとだけ質問しました。
「ということは、楽しみごとがたくさんあるでしょう?」待ってましたとばかりに
「コーラスに太極拳に。他にもいくつもあって、忙しいんですよ」

一番前で聞いてくださった山下さん。講演の後で「とても納得。よくわかった。思ってた通りだな」
右脳の説明の時に、紺色のポケットチーフをお借りしました。白と青のストライブのシャツに、薄い青色のジャケット、胸に罹っているひもも青系統のものととてもおしゃれに決めていらっしゃいます。
「ボクはデザイナーなんだよ。色は三色以内、同系統でそろえるといいんだよ」

皆さんが、元気になってお帰りになったことがうれしかったです。

講演前のおしゃべりタイム。
小布施町で新しく、松村地区で地区の皆さんの賛同を得て「子ども食堂」のお話しが進んでいるそうです。
長田会長。「活動を松ぼっくりって言うんだけど、松は漢字だけどあとはひらがな。会長よりも準備段階だから岡埜事務局長が大変なんだよ」そう言われましたが、なんとも言われない優しさが伝わってきました。

その岡埜事務局長。岡埜というお名前から「東京に岡埜栄泉がありますね?」という質問は大当たりでその流れの方でした!定年後奥様のご縁はあるようですが小布施にお住まいになったとのことです。
「この活動は、子供たちの育成でもあるし、地域の活性化にもなるし、何よりかかわる人たちのボケ予防だよね」そうおっしゃっいました。
「まさにその通り!今日の話で納得なさるでしょう」とお話ししました。きっと納得なさいましたよね。そして松村地区松ぼっくりの活動がどのように展開されるかを楽しみにしています。
私の本当の気持ちをお話しておきます。
高齢者の皆さんの脳機能が、活動しているとより元気になるということは目に見えるようです。その時に小布施町で使っている脳のイキイキ度チェックでその事実を客観的に測定できたら素晴らしいと思うのです。そうすると、これからの少子高齢化の日本を救う素晴らしい「高齢者の力で子どもを育成し認知症予防をも図ることができる地域活動のモデル誕生」ということになります。
そういうことにつながる活動が始まろうとしているのですよ。
がんばれ。松村の皆さんたち!

ロビーには、先日のレインボーランタンを楽しむ会の展示がありました。写真と作品から、参加された方はまた楽しさがよみがえったでしょうし、いらっしゃらなかった方々は興味津々だったのではと思いました。


いつも駅にお見送りくださる、林中扇地区の女性陣。イキイキして皆さんキレイです💗

また来年の2月を楽しみに。それまで体も脳も元気にしておきましょうね。

付録です。
レインボーランタンを楽しむ会の最後に講師の久保さんのリクエストで「みかんの花咲く丘」と「信濃の国」を合唱しました。「みかんの花咲く丘」は久保さんと私の住んでいる伊東市でできた歌なのです。

「碑があるのですよ。写真が撮れたら今度の講演会の時にお見せします」といったのに、お見せできませんでした。

亀石峠に向かう坂道の途中にあるのです。
石碑から見える伊豆の海です。手前の町が伊東市街、右奥にかすんでいるのが伊豆大島です。

この写真を目にしたら、メロディがうかんできますよね。


by高槻絹子

 

 



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