天草に行ったときに、103歳の女子アナとして有名な森シノさんのお宅を訪ねました。詳細は、リンクから見てください。
私が訪問すれば、当然脳機能検査なのですが、お耳が遠くて、検査はちょっと無理でした。
居間の定位置には、すぐ横にカレンダーがはってありました。日付をたずねると。最初1週間違えてしまいましたが、すぐにカレンダーで確認。再度たずねたときには正答でした。
詳しい検査はできなくとも、見当識が合格なら、家庭生活自体には大きな問題はないことがわかります。
印象的なことがありましたからちょっとまとめておきましょう。平成3年に「超百歳老人の調査(特にかくしゃく老人)」をしましたが、共通するところが多々ありました。
☆人懐っこい。
対人親和性が高く、訪問を待ち構えてくれて、抱きついてくれました。お嫁さんが持ってきたお茶を勧め、頂き物の最中を出すように指示し、歓迎の気持ちを強く伝えてくださいました。
帰りには、外まで見送って下さるのです。
☆家族に大切にされている。
息子さんご夫婦と同居ですが、お二人とも異口同音に何も困ることはないといわれます。30項目問診票丸はゼロです!
103歳で、配慮がいらないはずはないのに・・・
コミニュケーションに支障がある程に聴力低下があっても「耳が遠い」ことよりも「目がいい」ことを強調されます。
お嫁さんが自慢そうに「百歳で綿入れを縫いました」といわれました。
シノさんも、79歳の息子の世話を焼こうとされます。
「この人(息子さん)は、おばあちゃんをみぞがるんです(かわいがる)」とおよめさんが笑います。
☆自分らしい生き方を貫く。
「仕事をしてきた」ときっぱりおっしゃいました。「今でも毎日裏山のみかんの世話(草引き)をして、毎日引くので草がない」と息子さんが笑って付け足されました。できることを形を変えながらでも続けていくことは大切なことですね。
☆信念がある。友人を大切に。
「わが気持ちを人に合わせる。」そうすれば「いっちょん、喧嘩はなか。」
「人への感謝を忘れない」これも息子さんの追加説明です。
たくさんいた友人が、みな亡くなられても、その子たちが「親ンごとある」といまでも慕ってくるそうです。
「人への感謝を忘れない」こともシノさんのモットー!
☆好きなものは好き。
晩酌に焼酎1杯。ただし「腹八分で病なし」だそうです。
上記はかくしゃく百歳調査との共通項そのものですが、実はかくしゃく百歳の方々は、もう少し「癖がある」というのか「自己主張が強い方」が多かったのです。
シノさんは、穏やかで朗らかで、楽しくユーモアにあふれ、かわいい方でした。
だからこそ、ご家族もあるがままに受け入れ、103歳という年齢を考えるとき「何も困りません」と思えるのでしょう。
心に暖かい気持ちがひとりでに湧き出してくるようなひと時をすごしました。