こいのぼり

　甥っ子の初節句、
実家の父は、小さな鯉のぼりをプレゼントした。

この鯉のぼり…、
片手で持って走れそうなサイズの物で、
私は父に、「どうしてもっと大きいの買ってあげないの？」
…と、文句を言ったのだけれど、
妹は、「充分だよ～。可愛いし～。」と満足気だった。

甥っ子も、ひらひら動く綺麗な鯉のぼりを見て、とても喜んでいた。

　　……　去年までは　……


　今年、
妹が、いつもの様に“小さな鯉のぼり”を出すと、
「ベランダに出して
　お友達のお家は、２階でヒラヒラしてるのに
　こ～んな大きい鯉のぼり欲しい」
…と甥っ子が言い出したらしい。

そこで、
甥っ子とパパは、お婆ちゃんに直談判を…。
お婆ちゃんからは、
「お金を出すから買ってあげて」…という申し出があったらしい。

妹は、
「言う事聞いていたらキリが無いので、お気遣い無く。
　今はもう、愚図愚図言ってないですし。
　もし来年も言う様でしたら、またその時に。」
…と返事をしたそうだが、
「男の子二人だし、買ってあげたいの！」
…と言われ、８割ほどお金を出して貰い、
２メータークラスの鯉のぼりを、新たに購入したらしい。

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私：「で？　１号は喜んでる？」
妹：「…　『あ…ほんとだ…』…程度だよ」

　　　
…子供って、つくづく残酷な生き物だわぁ…