半農から本職の作陶を行わねば、と思っていたら、
ジャガイモの収穫時期が来てしまった。
畑仕事をする前に、とにかく小さい作品を作っておかねば、とロクロに向かった。
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汲み出し碗 |
この汲み出し碗、小さいながらもとても扱いやすい器である。
自画自賛かもしれないが、自分が使ってみて良い器、と感じたものを提供したい。
この器、時季を選ばず、加えて毎回毎回の個展でも好評を得ている。
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口周りに注意して |
煎茶に、番茶に、はたまた酒席にも応用できる、ほど良い器である。
定番のデザインは決まっているが、今回は少し趣を変えた掘りこみをしてみようか。
施す釉薬は、青磁、白磁の二種。 それぞれ美しい発色の釉薬である。
いつも使っていただく為にも、飽きないデザインを試みようと思っている。
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母が掘り起こした跡 |
母の体に負担がかからないようにと、自分なりにジャガイモ収穫時期を決めていた。
が、畑に出かけてみてビックリ。 すでに4分の1を掘り起こしてあった。
これはまずい、早く汲みだし碗を作り上げ養生して畑へ・・・気がせってしまった。
梅雨とはいえ良い天気の北陸、日中は大変暑く、とても畑仕事はできない。
かといって何もせずにいると、母が又無理をしてしまう。
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ジャガイモ畝(うね) |
母が掘る前に、全部掘らねばと意を決して畑に出かけた。
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掘り起こしたジャガイモ |
2リットルのペットボトルに水を満杯に、そして麦藁帽子に軍手。
当然ながら首にはタオルを巻いてジャガイモを掘り始めた。
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土の中のジャガイモ |
ジャガイモを傷める(いためる)ことはできず、大きく鍬(くわ)振り下ろした。
昨年より成長が良い感じがする。 あまり小さいジャガイモは無かった。
午後、少し陽が傾いた頃から出かけたが、とにもかくにも暑くて暑くて。
暑くて疲れて、そして時間との競争でペットボトルの水は空っぽに。
掘り起こしたジャガイモの土をキレイに落とし、掘り起こした畑を平坦にし、
29日の作業はそこまで。
その日は先週土曜日、小松美術展の懇親会があった日。
6時からの懇親会に間に合うように必死で掘り起こした。
全身汗びっしょりになった体をシャワーで汚れを落とし、
ぎりぎりセーフで会場に。
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あと4分の1 |
日曜に掘り起こす分だけ残して、29日の作業は終了。
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ジャガイモ整理 |
日曜も天気が良すぎて、やはり午前中は無理。
なんとしても日曜中にすべて掘り起こさねばと、出かけるまでロクロに向かっていた。
こんな時は、とても大物の作品は作れないし、まず気持ちが乗らない。
やはり汲みだし碗を作るほうが次の仕事に取り掛かりやすい。
加えて手がにぶらなくてちょうど良い。
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整地したジャガイモ畝 |
土曜日より時間がかかって、ジャガイモ畝をキレイに平坦にし、
収穫したジャガイモを大きさ別にダンボール箱につめて実家、そして我が家に運んだ。
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収穫跡 |
昨年は成長時期に大雨にあい、ジャガイモは大きくなったが長持ちしなかった。
今年は見た限り、出来が良く長持ちしそうな感じがする。
いずれにしても農家の仕事は天気との戦い、そして体力勝負である。
畑には力のあふれている若者は誰一人として仕事をしていない。
みな現役を終えた方々ばかりが鍬を振り下ろしている。
この町内で、母より年上の人は誰も畑に出ていない。
かなり無理している様子の母、これ以上体を壊さないようにと願うばかり。
私も絶対に無理は禁止、と主治医から指導されているが、
母に比べたらはるかに若いし、疲れも翌日には残ることは無い。
お互いに、できる範囲で畑仕事を楽しみ、収穫を喜びたいものだ。
何とか玉ネギもジャガイモも収穫でき、やっと本来の作陶に取り掛かれそうだ。