創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

好きな色

2010年12月10日 | 日記

いいかげん、落ち着いてロクロに向かわなければと思いつつも、
何故だか、まともに土を触れられないでいるこのごろ。
なんだかんだと用事が出来、車で街中を通り過ぎた。

小松市の街中は年毎に寂れつつ、まったく活気が感じられない。
反面、大型店舗が競い合って郊外に出店。
小さな小松市だが電気店も新規開店し、大型スーパーまでも出店予定とか。

お偉いさん方や著名人が町並み保存と題して、紙面をにぎわせている。
先日も金沢市の町並み保存をどうこうしなくてはと顔写真入りで紙面をにぎわせていた。
チラッと文面を読んでみて、また同じ事を繰り返していると呆れてしまった。
結局持論を述べているだけで何の解決策もなし。 何のことはない、彼らの宣伝と理解した。

Photo_3

   プリムラ

早く作品づくりをと焦りつつ車を走らせていたら、目の片隅に私の好きな色が入ってきた。
ん?と思い、車の殆ど通らない小松のど真ん中、後ろを確かめつつ後進。
花屋さんの店先に、色とりどりのシクラメン、シンビジュームに囲まれて、
小さな小鉢が数鉢置いてあった。

その中に私の好きな色のひとつ、黄色の可愛いプリムラが。
どれにしようかと迷いつつ、蕾が沢山付いて、葉っぱがしっかりしている鉢を選んだ。
大きさは、私のてのひらに乗るくらいの小鉢。 値段は98円。

野菜や花を育てているので、植物を育てる大変さと苦労は承知しているが、
それにしても、こんなにも安くて可愛くて美しいプリムラ。
育ててくれた人に感謝し、早速我が家に戻って素焼き鉢に植え替えた。

大荒れに荒れたここ数日、昨日は家の真上で雷がゴロゴロ。
庭には冷たいミゾレ交じりの雨、山茶花(さざんか)もまだ蕾。
けれど目の前には小さいながらも美しい黄色のプリムラ。

私の好きな色、パステル調の明るい青、緑、ピンク、そして濁りの無い鮮やかな黄色と白。
明るい黄色は大好きな色、いま着ているTシャツの色も黄色。
何となく元気が出てくるから不思議。

Photo_2

   壷

忙しい、慌しい、とはいうものの、肝心の仕事で忙しい訳ではないのである。
ちょっとした用事ばかりが増え、その都度出かけるはめに。

そんな毎日を過ごしているが、何とか時間を作ってロクロも回している。
優しく丸みのある形が欲しくてデザインし、いくつか作り上げた。

単なる丸壷ではなく、どの方向から見ても丸く見えるように作り上げた。
丸く見えるように作るにはボールのように作れば、と思われがちだが、
実はそうではないのである。 かなり扁平な形で作る必要がある。

Photo

   作り上げた壷

粘土を無駄にしないよう、殆ど削る必要がないようにデザイン通りの壷を作った。
数日のあいだ自然乾燥させ、その後うすく全体を削り、
デザインに描き込んだ線文を施して素地の完成。

切羽詰ってくるとデザインが次々と沸いてきて、その都度メモを取っている有様。
千葉三越個展に間に合うよう、作品づくりの時間の無駄は許されないが、
この月、師走の今ばかりはどうすることもままならない。

「 絶対できる!」といつも自身に言い聞かせており、
「 よし出来た!」となるよう、目の前のプリムラを眺めている。

Photo_4

   可憐な花


コメント (4)
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