創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

壷 ・ 耳付け

2010年12月20日 | 日記

いよいよ気ぜわしくなってきたこのごろ、
少しの時間を見つけて、そう、時間を作ってではなく、
こまごまとした用事の合間にロクロに向かっている今、
先日から作り始めた壷の仕上げに取り掛かった。

Photo_4

   白磁壷用に。

凛とした姿に品格を加えるため、耳を取り付けるデザインした。
いつものように、デザインの寸法をしっかり守って作り上げた壷、
その両側に品良く耳を取り付ける作業を始めた。

壷の曲線に沿って耳を作り、その塊をきれいに面取りし、
少しずつ削っては壷に合わせる作業を行った。

Photo_3

   合わせ

完全に乾燥している耳に使う土、面取りと同時に壷の丸みに合わせるため、
耳の内側にも鉋(かんな)でそっと溝を彫っていく。

あと少しで壷の胴体と耳の曲線がぴったりと合う、
そう思って耳をなぞって隙間がないかと確認を行った。

あっ!!!
何ということ、耳が折れた!!!
折れないように、そっとなぞっただけなのに!!!

Photo_2

   耳の形

かれこれ一時間以上もかけ、少しずつ削ってきた耳、
折れるのは一瞬。
もうぉ、今までなにをしてきたんだ!!!

憤慨したってどうすることも出来ない。
上手くつながるかと粘土を溶かし、接着剤として折れた耳をくっつけた。
けれど、くっつけた部分が乾燥し始めると、またヒビが入ってきた。

あれほど気をつけて耳を仕上げ、もうちょっとのところでポキン。
ガクっとしてしまったが、デザイン通りに作り上げなければ気が済まない。
雨がやんだし、気を落ち着かせるために外に出てみた。

玄関先の山茶花(さざんか)は、ここ数日のあいだに一気に咲き出してきた。
その奥の、庭木の陰に隠れている侘び助は?

Photo

   侘び助

美しい桃色の蕾をいくつも付けている。
山茶花と違って、とても品のいい色合い。
大晦日までに咲いてくれれば嬉しいが。

うつくしい山茶花、そして品のいい侘び助、
何も無かった前庭に冬の使者の花が咲き出した。
すこし気分もよくなり、再び壷の耳つくりを始めた。
今度こそ折れないよう、慎重に!


コメント
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