創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

青磁釉薬掛け

2010年07月30日 | 日記

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   清流

連日連夜の酷暑続き、いかがお過しでしょうか?
暑中お見舞い申し上げます。

お住まいのところの今日は、どのような暑さでしょうか?
今のところ日本海側には大雨など降ってはいませんが、
太平洋側では局地に豪雨があり、甚大な被害などが発生しております。
挨拶文には不順な気候と書きますが、今年はそれどころではなく異常気象です。

少しでも暑さをしのげるならばと、近くの小川に行って来ました。
小川と言うべきか、用水と言うべきか迷うところですが、
美しい水が勢い良く流れ、水蘚(みずごけ)までも清涼感を与えてくれました。
この水の流れ、あなたに少しでも涼しさが届きますように・・・。

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   青磁釉薬

個展用の素焼きも何とか無事に終了し、
釉薬がけを行っております。

前回の日記に書いた、パラソルの日陰での検品、
それらもすべて終え、三日前から青磁釉薬がけを始めました。
一般の焼物と異なって、青磁釉薬はタップリと釉薬をかけなければなりません。

釉薬がけを済ませた作品の表面を爪ではがすと、5~6ミリの厚さがあります。
最低でもこの位の厚さの釉薬をかけなければ青い色は発色いたしません。
たとえて言うならば、安い海老天ぷらと同じ、みたいな感じです。

釉薬は天ぷらの衣と思っていただければ間違いありません。
タップリの釉薬の中に素焼きの作品が隠れている、と思って下さい。
厚過ぎるほどの釉薬をかけ、それを焼くと青い青磁が焼き上がってきます。

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   工房

何を使って、どのように焼くと青くなるのか?
いつも青磁作品を焼き上げてはいるものの、
科学者ではありませんので詳しい説明は出来ないのです。

自分で錆を作り、それらを調合した物が青磁釉薬です。
調合したガラス釉薬の中に、ごくごく微量の錆を加えたものが青磁釉薬。
その釉薬が掛かった品を還元焼成(かんげんしょうせい)したものが青磁作品です。

0度から1、300度くらいまで温度を上げていきますが、
そのまま焼くのではなく、途中から酸素の量を少なくして、還元焼成を行います。
還元焼成、極端に表現しますと、不完全燃焼の状態にするのです。
不思議なことに、窯の中をそのような雰囲気(還元焼成)にすると
鉄分が青く発色するのです。

最初は酸素をどんどん加えて温度を上げていき、途中から酸素量を少なくしていく、
その切り替を間違えたり、不完全燃焼の仕方を間違えると青磁は焼き上がらないのです。
加えて釉薬が厚く掛かっている分、焼いている途中で飴のようにドロっと流れてしまったり。

気を抜かずに、ぎりぎり限界まで釉薬を厚くかけ焼いた青磁作品、
すべてがキレイに焼きあがってくれれば、この上なく嬉しいのですが、
残念ながら30~40%位しか作品にならないのです。

焼き上がり歩合が非常に悪い青磁ですが、一つでも美しい青磁が焼きあがれば幸せ、
そう願いつつ、青磁釉薬がけを行っております。

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2 コメント

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暑中お見舞い申し上げます (白山の狩人)
2010-08-03 10:43:00
暑中お見舞い申し上げます
暑さを避けて山へ行っても天候不順、自然の気まぐれには降参ですね
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白山の狩人 様 (by 堂前)
2010-08-03 17:27:49
白山の狩人 様

暑中お見舞い、ありがとうございます。
山歩きは気分もすっきりし、山野草にも会えていいですね。
でも今年の山は天候が良くないですね。
我が家から望める白山も、いつもぼんやりしています。
北陸の里はこんなにも日照りが続いているのに。
スカッとする天気が待ち遠しいです。
返信する

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