徹夜して、祈り込めて焼いた青磁作品が窯から出て来た。
土練機を使えないので、汗びっしょりになって粘土を揉み、
上半身裸になって大きな壺ばかりを作った。
厳しい暑さの夏、急激に乾燥させると歪んでしまうため、
油断せずに慎重に作品を乾燥させ、キレイに削り上げた。
素焼きも完璧に終えることが出来、
青磁釉薬も上手くほどこす事が出来た。
そして高温焼成開始。
数日後、窯の温度が下がり、
作品が冷め割れしない温度まで下がったところで窯出しを行った。
作品のすべて、青磁色は美しく発色している。
だが何かが違う。当初の思いと焼き上がりが異なって見える。
これは何だ? 何が違うのか? 何処でどう間違えたのか?
どうしても納得いかない。
そうこうしている内に数日が経過してしまった。
なるほど、こういう事か、原因が判明した。
これ以上ここに置いていても意味がない。
思い切って決断した。
何度このようなことをしてきたろうか。でも、これが正解と思う。
納得のいかない作品を世に出すわけにいかない。
後悔する前にさっさと見切りをつけた。
思い切って金づちを握り締めていた時、
先日、九谷と花選抜出合い展に出品した作品に
花を活けて下さる方から丁寧な電話を頂いた。
小笠原流の方が電話を下さった。
「どのような花がご希望でしょうか」と。
大きな青磁壺だけど、どの様な花でも活け方でも
ご自由にお使い下さい、と申し上げた。
展示は、10月11日~15日。
サイエンスヒルズこまつ、で行なわれる。
どの様な花と生け方をされるか、今から楽しみである。
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