創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

雨上がりの午後

2007年02月18日 | 日記
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以前、「これ以上太ってはいけません、もっと体重を落としてください」 と主治医からの指示を受けた私。
スポーツジムに通っていたのはどれ位の期間だったろう。 4~5年位だったか定かではない。
もうずい分と前のことにも思う。

その頃の私は確かにふくよかだった、と言うより太っていた。 仕事柄、どうしても家の中に居る時間が
長くなってしまう。 おまけにロクロに向かっていると、時の経過さえも忘れてしまう程であった。
極力ジムに出かけるようにはしていたものの、一週間の内、五、四、三日と次第に出かける日数も減り、
とうとうジム通いはやめてしまった。 その代り、いつでも出かけられる近くを歩くことにした。

荒れた天候の日に歩くのは苦痛を感じてしまうが、天気の良い日など太陽の光を受けているのは身も心も
スッキリと気持ちがいいものである。
加えてその日その季節(とき)を直に味わうことが出来る喜びもある。

降り続いていた雨も昼過ぎには止み、雲間からお日様が顔を見せ始めた。 
素焼き作品はすべて窯から出してしまったし、ゴミ、ホコリを取り除く作業もあとわずかになっている。
北風が少し強く吹き渡っているが、せっかくのお日様の恵み、堤防へと出かけた。

いくら暖冬とは言ってもやはり冬である。 かけはし川から吹き上がる風はつめたい。 

小雨が残した水滴だけが光を受けてキラキラと輝いている。
 
どれくらいの距離を歩いた頃だろうか、とてもちっちゃな花が目に飛び込んできた。
それは米粒2~3ヶ位の大きさの可愛い花。 北風の中でけな気に咲いていた。
一、二本採取して青磁の小壷に生けてみようと花に触れた途端、「ぽろっ」 と花が落ちてしまった。
そうか、採ってはいけないのか、ならば写真を撮らせてもらおうと一枚。

こうして歩くことによって、さまざまな季節の移り変わりを味わうことができ、また小さな発見もある。
普段けっして気づかないこのように小さく可愛い花、この冬空の下、せい一杯に生きている。 
例年だったらきっと春らしくなった頃に花開くのだろうが、少しばかり早く咲き出したのかもしれない。

このような小さな花でさえ、しっかりと根を張り懸命に花を咲かせている。
雨上がりの午後、健康維持にと歩き始めた私、一歩一歩に力を込めて約一時間の堤防の歩きを終えた。

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