創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

母が遺してくれたもの

2015年07月15日 | 日記

畑仕事を生きがいにしていた母、
遠くに旅立ってから早や四か月を迎えようとしている。

もう実家の畑とは縁が切れたと思っていたが、
色々事情が発生し、広い畑の一部分を私が管理することになった。

母は野菜はもちろんの事、花を植えることも大好きだった。
でも花を植えられない事情が十年以上前に発生した。
母と一緒に季節ごとに野菜を植えていた時、
花を植えたらと勧めたが植えなかった母。

先日、我が家に兄がやってきて、
私が畑の一部を使うことを約束してくれた。
ならば花が大好きだった母の為、いっぱい植えることにした。

母が亡くなってから放りっぱなしになっていた畑、
私が使ってもいい部分の草むしりを徹底的に行った。
仕事の途中に畑に出向いて、伸びた草を一本ずつむしり取った。

何日も掛け、ようやくきれいになり石灰を撒いた。
わが家の庭ならエンジン付きの草刈機で一気に草刈するが、
野菜などを植える畑はそうはいかない。手でむしるしかない。

石灰を少し多めに撒き、耕す準備を完了した。
実家には耕運機があるが、町内の耕運機を借りることにした。

リース制度があって、一日700円で借りられる。
使う前は燃料タンクにガソリンが満タンなので、
使い終わったらガソリンを入れて返す。
余計な気を遣わなくて済む。

何度も畑の中を往復し、徹底的に耕した。
この状態で7~10日経てば畑は蘇る。

近所の方々が声を掛けて下さり、「お母さんが好きだった花」と、
あれもこれもと分けて下さり、種までも上げるからと優しい言葉。
かあちゃん、よかったなと、皆さんに頭を下げた。

おととし、剪定をし過ぎたためか、全く実らなかったミカン、
母が亡くなった今、小枝の先までにも実が付いている。
声を掛けて下さった皆さんに、好きなだけ採ってと話した。

小っちゃかったミカン、もう飴玉みたいに大きくなり始めた。
ミカン樹の隅っこに、母が可愛がっていた動物たちも眠っている。
再度、かあちゃん良かったなぁ、また畑に来れるよと声を掛けた。

 

コメント (2)
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