まだ雪が残っている数日前、
長靴をはいて寒風吹き抜ける堤防を歩いた。
防水仕様のスニーカーはあるが、雪道では役に立たず、長靴が一番。
足裏の、土踏まずの形に何枚もの敷物をして、即席の長靴スニーカー。
雪を踏みしめて歩くのだから、いつもの何倍もの脚力が必要だった。
このことは運動が必要な私には丁度良い負荷が掛かって具合がいい。
家から産業道路をくぐって堤防に出、30分の折り返し地点、
そこには堤防強化の為なのか、ずいぶん前からテトラポットが置いてある。
いつの日にか写真にと思っていて、光線の具合も程よく、パチリと一枚。
太陽が照り、色があるほうが面白いかな?とも思ったが、
曇り空の下、モノクロの光景が絵になると思ってカメラに収めた。
極力歩かねばの思いでいるが、天気の状態でコースが変わることも度々。
友人たちの見舞いを兼ねて、金沢の中間点あたりで歩いてみようと試みた。
場所は、「 手取川 」の堤防。
一瞬雨雲が去り、少しは歩けるだろうと車から出た。
我が家あたりから望む、見慣れている白山と異なり、
少し丸みを帯びた形に見えた。
異口同音に言う言葉だが、
「 我が家から見える白山の姿がいちばん美しい! 」
少し歩いて再び金沢に向かった。
年上の友人たち、毎週水曜日に行く私を待っていて下さる。
偶然にも同じ病院で、それぞれ話題を替えての話をしてくる。
長期の入院となると、次第に見舞いに来られる方々も少なくなる。
私自身、何度も手術入院を繰り返し、
その都度、信頼できる友人が来て下さった。
その優しい心がとても嬉しかった。
見舞いを終え、すぐに家に直行。
せっかく曇りだったのに、早くも天気が変わろうとしていた。
玄関先の山茶花に太陽光線が当たっているが、その向こうの西の空、
雨か、雪か、雷か、いずれにしても好ましくない空の色。
急いで昼食を済ませ、
仕上げ段階に入っている作品の手入れを始めた。