創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

引き続き ・ Ⅲ

2012年06月15日 | 日記

自宅軒下板はがれの修理が始まった。
足場を組む為に丸一日要し、大工さんが軒下修理をしやすいようにした。
大工さんの修理は五日間かかったろうか、とにかく丁寧に仕事をしてくださった。
歳は40歳前後、世間話しをしながら現在の大工さんの状況も聞いた。

彼の父親も大工の棟梁(とうりょう)とのことで、工場も備わっているとのこと。
ただ長年の不景気で仕事が激減し、工場は使っていなくて税金ばかりが掛かると。
そして殆どの大工は、工務店の下請けで仕事を回してもらっている事実。

休憩時間にコーヒーを飲みながら、様々なことを聞いた。
随分前から住宅会社が設計し、コンピューターに材木加工の入力をしたのち、
木の状態を無視し、コンピューターの指示通りに木材を加工しているのが現状との事。
若い大工さんの殆どは、柾目(まさめ)と板目(いため)の違いは分からないと。

以前のように木の状態を見、墨糸をピンと弾いて線を引き、
木の狂いが無いよう、丁寧な仕事をする大工さんが居なくなっていることに愕然。
コンピューターが発達し、すべてが便利になることは良いことだが、
大きな買い物の家まで簡略されることは果たしてどうか?
彼の話しでは30年もすれば当然のごとく、家も傷んでくるだろうとのこと。

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   工房へ避難


話しを聞きながら、ときおり彼の仕事の様子も見ながらの毎日、
一体何事かとトラちゃんが工房の中へ入ってきた。

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   屋根を見上げて


早朝から電気のこぎりや金槌の大きな音で、トラちゃんもゆっくりと出来ず、
安全な工房の中へと入ってきて、大工さんの作業様子を眺めていた。

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   屋根確認


数日間かかった自宅軒下の修理修繕も無事に完了し、
続いて自宅屋根瓦の修理が始まった。
工房とは別の職人さんが二人来て、修理箇所を確認。

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   ずれた瓦


強風で屋根瓦が数箇所ずれてしまっていた。
早速ずれた瓦や割れた瓦を確認。

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   はずれ直し


銅線を使って補強。

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   西側の屋根


1990年(平成2年)9月19日に襲来した台風19号、
西側の屋根瓦の下部分がすべてめくれ、この時は素人の私が全部直した。
銅線は弱いと思い、細いステンレス線を買ってきて頑強に補正した。

今回の修理で、職人さんは私が修理した箇所をすべて取り外し、
改めて銅線で補強し、すべて直してくれた。

ステンレス線では不都合があるのかと聞けば、
ある程度の遊び(ゆるみ)がないと、下地の添え木も痛むから、が理由。
頑丈にすれば瓦も強風に耐えると施工したが、銅線を使う意味が納得できた。
この部分は修理修繕を依頼していない箇所、それでも全部直してくださった。

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   棟修理


黒色耐水モルタルで修理補強。

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   棟修理


西側瓦のやり直しを終えた職人さんが加わって、
二人でモルタルで補強。

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   棟修理


特に痛んでは居なかったが、職人さんが現状を確認し補強して下さった。

そして、このようにしてと私が補強できるように作業方法も教えてくださった。
これまで頭では理解していたが、実際に順序を教えていただくと納得。

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   再度


最初から修理方法を分かりやすく教えてくださった。 なんと丁寧な!

依頼した修理箇所と、頼んでいない以前私が直した箇所すべてをやり直していただき、
さらに屋根全体を歩いていただき、気になった部分の何箇所も瓦交換やずれ直し、
そして補強もしてくださった。 これ等は私は依頼していない箇所。

修理最中に工務店の社長が様子を見に来て、
不具合部分を直すように指示して下さった。
修理代が気になり聞いてみたら、予算通りで大丈夫ですと。
ありがたい!

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   自宅屋根から


雨の季節前に工房の煙突部分と屋根、そして自宅の修理修繕が完了し、
これで一安心。 

私がこの場所に工房と自宅を建ててから30年以上経過、
当時、周りはすべて田んぼだったが、年々埋め立てられてきた。
変わらないのは自宅前の荒木田町白山神社。
フクロウが家の前の電線にとまっていたが、今フクロウはどうしているのか?

今回の修理修繕で、思いもかけずに時間や費用が掛かったが、
これでしばらく安心して作陶に励むことができる。
でも大切な土練機がまだ完全ではない。

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   銅線


とても親切な瓦職人さん、
帰り際に、何か修理をされるときにでも使ってください、と、
銅線をプレゼントしてくださった。

修理方法や補強方法も分かったし、
何か支障が出たときは、教えてもらった通りに自分で補修しようと思う。
台風がまた近づいてきているが、大きな被害が出なければと願っている。


コメント
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