オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

歌劇「ドン・カルロ」

2009年09月07日 17時23分11秒 | オペラ
昨日の深夜、NHK・BSで昨年12月ミラノ・スカラ座でのヴェルディ作曲の歌劇「ドン・カルロ」の上演の映像が放送されました。この公演は慣例版といえる全4幕版によるものです。
今、一気に録画を見ました。オリジナルより1幕少ない全4幕版といっても約3時間半の演奏時間ですが、時間の長さは全く感じませんでした。
このオペラの魅力は何でしょうか?ソプラノ、メゾ・ソプラノ、テノール、バリトン、バスといった主役の歌手による独唱、重唱、そして合唱も大活躍でまさに声の饗宴!第3幕第1場では2人のバスによる重唱もあり聴き応えがあります。
しかし単に声の饗宴だけがこの作品の特徴ではありません。複雑な人間の葛藤が緊迫感のあるドラマとして観る者、聴く者を最後まで引っ張っていきます。そして登場人物の持つ「悲しさ」「愛」「貴品」などがヴェルディの音楽から伝わってきて時間の長さを感じさせません。
ヴェルディのオペラというと「アイーダ」が有名ですが私は「ドン・カルロ」の方が遥に好きです。ヴェルディの数多いオペラの中でベストワンを挙げるのはたいへん難しいですがベストスリーとなると「仮面舞踏会」「椿姫」と並んで「ドン・カルロ」を私は挙げてしまいます。

さて現在ミラノ・スカラ座は来日中で「ドン・カルロ」も上演されています。本当は行きたくてたまりませんが、物凄く高額なチケット代+交通費を考えると諦めるしかありません。ですから今回の放送は私にとって本当に嬉しかった!
なお当ブログのご常連のハルくんが今回の来日公演のゲネプロを見られています。
レポートはこちらです。
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-61db.html
今回の放送を観ると、スカラ座としては簡素な舞台装置ですが、現在流行の時代の読み替えによる演出ではなくドラマと音楽を正面から見せる、聴かせる正統的な演出で、さすがはスカラ座である。
ダニエリ・ガッティ指揮のスカラ座管弦楽団、合唱団も素晴らしいものでした。生はもっと凄かったでしょう。
放送ではフィリッポ2世はフェルッチョ・フルラネット、エリザベッタはフォレンツァ・チェドリンスでしたが、ハルくんのレポートでは来日公演はフィリッポ2世がルネ・ハーぺ、エリザベッタはバルバラ・フリットリとの事で来日公演の方が凄い顔ぶれである。特にソプラノのフリットリは、おそらく現在最高のヴェルディを歌うソプラノと言っても過言ではありません。まさに、あの美しい容貌とあわせて世界最高のエリザベッタでしょう。さぞかし素晴らしかったに違いありません。
なお、このオペラのストーリ等はeyes_1975様が詳しく書かれています。
http://blog.goo.ne.jp/eyes_1975/e/4ececc5d3f23fc5262e21dca18c0e104

ところで歌劇「ドン・カルロ」の録音ですがカラヤンやムーティの録音が定評ありますが私はやはり1961年、ドイツ・グラモフォンによって録音された全5幕版によるガブリエーレ・サンティーニ指揮のミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団によるスタジオ録音が最高だと思っています。ボリス・クリストフのフィリッポ2世、エットーレ・バスティアーニのロデリーゴ、フィオレンツァ・コッソットのエボリなど歌手も最高としか言い表わせません。
いや単に「ドン・カルロ」のベストと言うだけでなく数多いヴェルディのオペラの録音の中でも最上位の録音であると思っています。
なお残念ながら、これだけCDが普及している時代にもかかわらず、私の記憶では、この録音のみ、この名盤中の名盤が1度も単独でCDが発売されていません。ですから現在でも私はこの録音に関しては、まだレコードで聴いています。
本当にメーカーに対して怒りを感じます。




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4 コメント

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ヴェルディのオペラ (オペラファン)
2009-09-08 22:03:09
ヴェルディのオペラでは「オテロ」や「ファルスタッフ」などの後期の作品は絶対にはずせませんが、私はこの数年、中期の作品より前の作品、「ナブッコ」や「十字軍のロンバルディア人」など初期の作品にも魅かれています。
後期の作品には無いほとばしる情熱とエネルギーを感じます。
ヴェルディは26曲のオペラを残しています。人それぞれ、いろいろな好みが出て来るのでしょう。
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「ドン・カルロ」 (ハルくん)
2009-09-07 23:42:26
小生の拙ブログ記事をリンクして頂いてありがとうございました。

「ドン・カルロ」はもちろん素晴らしいのですが、実は小生のヴェルディのベスト3を上げると「オテロ」「アイーダ」「リゴレット」(もしくは「イル・トロヴァトーレ」)なのです。好みというのは実に面白いですね。
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歌劇「ドン・カルロ」 (オペラファン)
2009-09-07 20:45:19
歌劇「ドン・カルロ」は主役から脇役まで力量のある歌手が必要なのでキャスティングが大変なオペラだと思います。また充実した合唱団も必要です。
この世界的に不景気な現在、スタジオでの全曲録音は、もう無理かもしれません。
今回の来日公演の写真を掲載した音楽雑誌の発売が楽しみです。
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歌劇「ドン・カルロ」 (eyes_1975)
2009-09-07 19:41:43
やはり、舞台上演は4幕版でしたね。
また、オペラ事情ですが、費用の面からですが、上演、あるいはCDにするのは難しいようです。それも日本で上演されたことは嬉しい。その反面、スカラ座を始めとし、キャストの動員などかなり神経を使ったでしょうね。
スカラ座に尽きます。
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