オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

カール・ベーム・没後30周年「R・シュトラウス」

2011年06月08日 10時23分20秒 | カール・ベーム(没後30周年)
R・シュトラウスの作品と言えば、普通の音楽ファンですと「英雄の生涯」や「ツァラトウストラはかく語りき」などの管弦楽曲の作曲家としてのイメージが強いかもしれませんが、私にとってはオペラと歌曲の人である。
よく思う事があります。R・シュトラウスのオペラでは「サロメ」や「ばらの騎士」が特に有名ですが、もし、カール・ベームがいなかったら「ナクソス島のアリアドネ」や「影のない女」は現在まで、きちんと知れ渡っていたであろうか?と。
R・シュトラウスのオペラにはマニアック的要素がたくさんあり、それらの要素、面白さを伝えてくれたベームは正にR・シュトラウスのオペラの伝道師だったと言っても過言ではありません。
ベーム自身、R・シュトラウスと親交が深く、そしてR・シュトラウスとゆかりの深かったドレスデン国立歌劇場の指揮者を務めただけに、単に大編成のオーケストラを単に鳴らすだけの演奏とは次元が違うものがあります。
さて、私自身、R・シュトラウスのオペラの中で一番好きなオペラは「アラベラ」です。残念ながらベームのきちんとした全曲録音はなく、1947年のライブ録音があるらしいですが、私はまだ聴いていません。
ただ、幸運なことにベームが戦前ドレスデン時代に録音した「オペラ名場面集」のCDが復刻され、その中にアラベラとマンドリーカとの聴かせどころが収録されているのが嬉しい。「ばらの騎士」もいいですなー。このCDで聴く当時のドレスデンのサウンドも聴き所ですし、解説書に掲載されている多くの写真を見ると録音当時へのタイムトラベルした気分になります。ベームが世界初演した「ダフネ」の初演メンバーによる録音も収録されていて、私にとって貴重なCDである。


さて、私のベームが指揮したR・シュトラウスのオペラのお気に入りの録音を何点か。

楽劇「サロメ」(全曲) 1972年ウィーン国立歌劇場でのライブ録音

これは、評判のよいカラヤン盤を吹っ飛ばす物凄い演奏である。特に「7つのヴェールの踊り」以降のベームの燃え方はライブ録音ならではある。ベームが自分の娘と呼んだレオニー・リザネックのサロメはまさに迫真のサロメである。

楽劇「影のない女」(全曲) 1977年ウィーン国立歌劇場でのライブ録音

レオニー・リザネック、ビルギット・ニルソン、ジェームズ・キング、ワルター・ベリーの素晴らしい歌唱にしびれるばかり。特に第3幕の巨大なフィナーレは本当に凄い。これを支えるベームの指揮。凄すぎるとしか言いようがない。
さてベームは1974年と1075年にザルツブルグ音楽祭で、このオペラを上演していますが、ライブ録音はあるのだろうか?調べてみなくてはいけないが、あれば、ぜひ聴いてみたい。

歌劇「ナクソス島のアリアドネ」(全曲) 1965年ザルツブルグ音楽祭でのライブ映像。

DVDである。オケはウィーンフィル。映像は白黒ですが全く気にならない。
解説書に「ベームほどこのオペラを愛した指揮者は、いないのではないのか。ベームほどこのオペラで評価された指揮者は、いないのではないか」と記されていたコメントが強く印象に残っています。
1966年のバイロイトでのあの楽劇「トリスタンとイゾルデ」の録音の前年の演奏。正にベームの絶頂期の演奏を記録したお宝映像である。
パウル・シェフラー、セーナ・ユリナッチ、ジェス・トーマス、レリ・グリストといったザルツブルグ音楽祭ならではの豪華メンバー。特に第1幕の作曲家役のユリナッチは見事!彼女のズボン役は本当にさっそうとしていて素晴らしい。
終演後のカーテンコールでツェルビネッタ役のグリストと2人だけで手をつないでステージに登場した嬉しそうなベームの表情。いかにベームがグリストを、そして、このオペラを愛していたかが強く伝わってくるものがあり熱い気持ちが込み上げてきます。

以上、挙げた3点の録音、全てライブ録音である。

R・シュトラウスのオペラを知り尽くしていた指揮者ベーム。
劇場内の高揚感、陶酔感。正にライブでの燃えに燃えるベームを聴く醍醐味そのものです。


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2 コメント

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無題 (パルジファル)
2012-04-04 22:57:30
 あなたの言われることは 将に私が思っている事です。
ナクソス島も影の無い女ともフィナーレの凄さとその持続性は 神々の黄昏やマイスタージンガーの終幕にも匹敵しますね。

 ただ、シュトラウスのほうがヴァーグナーより色気(?)があり 虜になったらもう離れられない。
ほんと ベートーフェンと彼ら二人に出逢えて幸せです。

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Unknown (オペラファン)
2012-04-04 23:31:32
パルジファル様へ

「ナクソス島のアリアドネ」や「影のない女」は有名な「サロメ」や「ばらの騎士」より私の好きなオペラです。これらのオペラの魅力を教えてくれたのは指揮者カール・ベームでした。

>シュトラウスのほうがヴァーグナーより色気(?)があり 虜になったらもう離れられない。

私も同感ですね。一旦、あの魅力を知ったら、おっしゃる通り離れることができません。


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