本当は第4番の順でしたが今回は少し戻って第0番を取り上げます。当初、第0番からスタートするべきか第1番にするべきか迷いましたが少しでも早くブルックナーの最高傑作の第8番に到達したいという気持ちが強く第1番からスタートしてしまいましたが、私がよくお邪魔するeyes_1975さんのブログでも少し前に取り上げられ、また朝比奈隆が日本初演した作品なので、やはり通り過ぎるわけにはいけないと思い今回、取り上げたいと思います。
ブルックナー 交響曲第0番二短調
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アンダンテ
第3楽章 スケルツォ
第4楽章 フィナーレ、モデラート
1983年、楽譜を整理をしていた作曲者は若い頃の交響曲の楽譜を発見し破棄するにはしのびず、次のように記入しました。
「交響曲第0番、まったく通用しない、単なる試作」
ただ、この「0」という意味は「1より前」という意味ではなく「無効」「無価値」という意味らしい。
作曲者は「単なる試作」と述べていますが1番や2番と並ぶブルックナーの初期の作品と並んで魅力満載で間違いなくブルックナーファンには聴き逃せない作品である。
この作品に関してはeyes_1975さんのブログで詳しく述べられていますので、どうかご覧下さい。
ミュージック・トリビアの世界
①大阪フィルハーモニー交響楽団(1869年ノヴァーク版 1978年大阪フェスティバルホールでのライブ録音)ビクター盤
②東京都交響楽団(1968/1981年ノヴァーク版 1982年東京文化会館でのライブ録音)フォンテック盤
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①はこの作品の日本初演のライブ録音。この当時、初めて大手レコード会社から発売された朝比奈隆のブルックナーの録音だった。学生時代、ジャンジャンの交響曲全集を購入できなかった私は本当に飛びつくような気持ちで購入した記憶があります。当時まだ初期の作品をよく聴き込んでいなかった私にとって、あまりよくこの作品の良さがわからなかったのが、その時の実態でした。今、この録音を聴いてみると指揮者自身も手探りのような感じを受けます。
②は日本初演から4年後の録音ですが演奏の差が歴然としている。①の録音にはない豪快さもあり「単なる試作」とは、けっして言えない作品である事を確信させてくれる録音である。また朝比奈隆は1982年以降、第0番をコンサートで取り上げていないので大変貴重な録音である。