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オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

ヴェルディ 歌劇「オテロ」

2007年12月14日 11時20分51秒 | オペラ
ヴェルディ 歌劇「オテロ」(全曲) DVD

プラシド・ドミンゴ(オテロ)ミレッラ・フレーニ(デズデモナ)ピエロ・カップッチルリ(イヤーゴ)
カルロス・クライバー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
演出 フランコ・ゼッフィレッリ 1976年12月7日 ミラノ・スカラ座での録画

OPERA LEGACIES OL-0001

私にとって本当は今年のベストワンにしてもおかしくないDVDであるが残念ながら映像状態が良くない。第1幕や第3幕の群集シーンは本当に辛いものがある。しかしクライバーの指揮振り(やはり若い!)も見る事が出来るし、シーズン初日のスカラ座の独特の雰囲気、幕が追うごとにクライバーに対する拍手、歓声が物凄くなってくる様子は本当に面白い。イタリア人以外の指揮者がスカラ座のシーズン初日、それもヴェルディの最高傑作のオペラを振る。物凄い緊張感が伝わってくる。ドミンゴのオテロはもちろん聴き物であるし、フレーニのデズデモナも絶品である。第1幕最後のオテロとデズデモナの愛の二重唱は本当に美しい。クライバーの指揮も今まで聴いてきた彼の録音の中で最高の物と思います。目も耳も離せないというのはこの事かもしれません。しかし、その中で私が一番聴きたかった(見たかった)のは私の大好きなバリトンのカップッチルリのイヤーゴである。

第3幕の最後
群集「ヴェネチアの獅子の旗に栄光あれ!」
(意識を失ったオテロを見て)
イヤーゴ「これが獅子なのだ!」

このあとカップッチルリは大きく笑い声を上げます。この笑い声が本当のゾッとするくらい物凄い!それまでカップッチルリのイヤーゴはオテロの陰に隠れてまさに小賢しい悪人という感じであるが、ここで一気に悪党の本性をむき出しにします。イヤーゴという役が、このオペラの中でドラマを引っ張るいかに一番大切な役柄か、ここで嫌と言うほど見せ付けられます。このオペラはイヤーゴを誰が歌うかで決まると言っても過言でないと思います。
小賢しい悪人と書きましたが第2幕の冒頭の「無慈悲な神の命ずるままに」や後半の「イヤーゴの夢」そして最後のオテロとの二重唱ではまさに名バリトンの素晴らしい表現力のある声を聴かせてくれます。顔の表情も凄い!歌と演技がまさに合致した本当に素晴らしいイヤーゴである。
今年購入したCDでズビン・メータが1987年ウィーン国立歌劇場で指揮した録音があります。オテロはドミンゴ、そしてイヤーゴはレナート・ブルゾン。ブルゾンも素晴らしいバリトンで、いい声で歌っていますが、ただ歌っている感じで緊迫感もなく全曲を通して聴いても、あまり面白くなかった。私自身、昔、東京でスカラ座の2回目の来日公演、歌劇「ナブッコ」でブルゾンの素晴らしい声に接して感激した事がありましたが、やはりイヤーゴとナブッコは違うのだろうか?
この公演のスカラ座での再演の時、イヤーゴを歌ったのはブルゾンだったがクライバーの機嫌が大変悪くなり、もめ出して、その時ミュンヘンで「マクベス」を歌っていたカップッチルリと入れ替わったという話を聞いたことがあります。何かわかる様な気がします。



歌劇「トゥーランドット」の旅 その1

2007年12月07日 13時07分08秒 | オペラ
歌劇「トゥーランドット」の初演まで 

 歌劇「トゥーランドット」はプッチーニ(1858年~1924年)の最後のオペラである。「ラ・ボエーム」(1896年)「トスカ」(1900年)「蝶々夫人」(1904年)でその名声は不動のものとなっていたが、この三作品の台本はイルリカとジャコーザのコンビでプッチーニとあわせて「黄金のトリオ」と呼ばれていたが1906年ジャコーザの死によってトリオは解消となり、この後、プッチーニは台本作家探しに苦労するのである。ドビュシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」(1902年)に接し大変感動し、彼のような作品を書きたいと願って「西部の娘」(1910年)「つばめ」(1917年)を発表するが成功とはいえなかった。
1918年「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」の三つの一幕オペラをまとめた三部作をメトロポリタン歌劇場で一気に初演。ストーリー的には全く関連ない三つの作品を並べているが暗く悲劇的な「外套」女性しか登場しない叙情的といえる「修道女アンジェリカ」ユーモアのある喜劇的な「ジャンニ・スキッキ」。「ドラマティック」「叙情的」「喜劇的」という三つの異なった要素を対比させたユニークな三部作である。そして歌劇「トゥーランドット」ではトゥーランドットの「ドラマティック」な要素、リューの「叙情性」、三人の大臣の「喜劇的」要素が一つの作品に融合された見事な傑作のオペラと私は思います。
「つばめ」と「外套」の台本を書いたのがアダミであるがイルリカやジャコーザのように高く評価していなかったプッチーニは当時、知り合った作家であり劇評家のシモーニをアダミの共同の台本作家として次の新作の準備にはいるのである。

中国を舞台にした古くからヨーロッパに伝えられていた物語を18世紀ヴェネチアの劇作家カルロ・ゴッツィが五幕からなる寓話劇としてまとめた「トゥーランドット」をシモーニが新作の題材として提案、プッチーニーが承諾したのは1920年夏のことだった。
台本を書いたアダミとシモーニは原作をそのまま台本としたのではなくリューという可憐なヒロインを創作しトゥーランドットの強い性格を浮き立たせるなど、作曲者の意図に従いオペラの台本を作成していくのである。

ミラノ・スカラ座はプッチーニの新作の初演を1925年のシーズンと決定。初演の指揮は当時スカラ座の音楽監督のトスカニーニに託された。
初演の期日も決まり歌劇「トゥーランドット」の完成にプッチーニは全力を傾けていたが1924年2月のどの痛みをおぼえ(咽頭癌だった)10月には衰弱して作曲を続ける事が出来なくなった。残るは第3幕のフィナーレを残すのみとなっていた・・・
当時のプッチーニのアダミへの手紙「私ののどの病気は、私にとって肉体より精神的な苦痛です」
また「もし私が死んで、このオペラが未完成のままになってしまったら誰かが舞台で聴衆に『ここで、作曲者は死にました』と告げなくてはいけないだろう」と廻りの者に言ったという。

1924年11月19日の朝、プッチーニ死去。65歳の生涯だった。

未完に終わった部分はプッチーニの弟子だったアルファーノがプッチーニーの草稿にしたがって補筆作曲される。

予定より約1年遅れて、歌劇「トゥーランドット」は1926年4月25日ミラノ・スカラ座にて初演。
第3幕リューの死の場面の最後でトスカニーニは指揮棒を置き、客席に向かってスピーチをして、初演の演奏を終えた話は有名である。
「ここで、ここのところでジャコモ・プッチーニ氏は彼の仕事を終わりました。彼にとって死は芸術より強かったのです。」

翌日の2回目の上演でアルファーノの補筆を含む第3幕最後のフィナーレまで初めて上演された。

歌劇「トゥーランドット」の旅  はじめに

2007年12月04日 11時41分37秒 | オペラ
NHKスペシャル「荒川静香 金メダルへの道」の再放送をみて本当に静かな感動を覚えました。そして、その後、何度もトリノ・オリンピックのDVDで荒川静香さんの演技(特にフリー)を毎晩見ている日々が続いている状態です。ちょっと前にも記事にも書きましたが何回みても飽きる事が無い、音楽で例えば最高の演奏を何回も繰り返して聴き込んでいるという事と同じ状態でしょう。
そして荒川さんに感謝したいのはフリーでこの数十年、私の一番大好きな歌劇「トゥーランドット」の音楽を使ってくれたということです。多いのか少ないのかよくわかりませんが現在このオペラのCDは10組、DVDは2組所持しています。私なりに大変こだわってきた作品だけに荒川さんがこの作品のメロディでトリノに於いて最高の演技を見せてくださった事は本当に大きな喜びであり感激であります。

トリノ・オリンピックからかなり月日が経ってきましたが私なりにオペラと荒川静香さんに変わらぬ愛と感謝の気持ちを込めてこのプッチーニの最高のオペラである「トゥーランドット」を何回になるのかわかりませんが語っていきたいと思います。

私が歌劇「トゥーランドット」を知ったのはいつの頃だったのでしょうか?高校生の時、オペラに興味を持ち出した頃、何枚かいろいろ寄せ集めて的なオペラ・アリア集のレコードを購入しましたが「トゥーランドット」からのアリアは一曲も含まれていませんでした。現在だったら「誰も寝てはならぬ」は絶対収録されていたでしょう。約30数年前はプッチーニの作品と言えば「ラ・ボエーム」「蝶々夫人」「トスカ」の三大オペラが主流で「トゥーランドット」はどちらかと言えばこの3作品の陰に隠れた作品だったのかもしれません。ただ私が初めて購入したオペラの全曲レコードの「ラ・ボエーム」の解説書に作曲者の生涯が紹介されていて「トゥーランドット」を未完成のまま逝ったと書かれていましたが気に留めることはありませんでした。ですから「トゥーランドット」の全曲レコードの購入は他の著名なイタリアオペラの全曲レコードの中では遅い方だったと記憶しています。

このオペラの音楽のユニークさ、素晴らしさに最初に目を向けるようになったのは大学生の頃でしょうか?その頃購入したあるオペラ歌手のオペラ・アリア集の中で収録されていた第二幕でトゥーランドットが歌う「この宮殿の中で」を聴いて大変驚きました。それまでプッチーニの音楽といえば単に美しいメロディばかりと思っていましたが、大変気高く、そしてドラマチックな作品があるという事にたった一曲のオペラアリアで初めて気が付きました。初めて購入した全曲レコードはカラヤン盤でした。初めて聴く第2幕のドラマチックな三つの謎解きの場面。そして第3幕でカラフ役のドミンゴの歌う「誰も寝てはならぬ」の素晴らしいとしか言いようがない歌、そして声。
私の歌劇「トゥーランドット」への果てしない旅がここから始まったといえるでしょう。

今回はここまで。今後、この作品のあらすじや聴き所、録音などを時間はかかると思いますがコツコツと書き込んでいくつもりです。


トゥーランドット「いいえ!私は誰のものにはなりません!私は誰のものにはなりません!(中略)謎は三つ、死は一つ!」
カラフ「いや、いや!姫よ、謎は三つ!ひとつなのは命!」  第2幕より


                       



喜歌劇「こうもり」

2007年11月20日 16時32分39秒 | オペラ
キム・ヨナさんが今シーズン,SPでヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」序曲を取り上げていますが、このオペレッタをベームが指揮したDVDが手に入り、あまりの楽しさに今たいへんごきげんである。

グンドラ・ヤノヴィッツ(ロザリンデ)エヴァハルト・ヴェヒター(アイゼンシュタイン)レナーテ・ホルム(アデーレ)エーリッヒ・クンツ(フランク)ヴォルフガング・ヴィンドガッセン(オルロフスキー)

カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団。
オットー・シェンク演出 1972年ユニテル製作。。(国内盤 ドリームライフ DLVC8066)

初めて「こうもり」の全曲レコードを手にしたのは高校生の時。ベームの来日記念盤として発売された2枚組のセット物だった。解説書を開けると写真がたくさんあり、スタジオで全曲撮影され、レコードは台紙を省いた演奏のみをレコード化した物という事であった。要するに当DVDはその映像版である。レコードを手にして30数余年経ち初めて映像としてみる事が出来るとは夢にも思いませんでした。
映像状態は古さを感じない。最初の序曲はたっぷりとベーム指揮を見る事が出来ごきげんである。当時絶頂だったヤノヴィッツのロザリンデが美しい声を聴かせてくれます。第2幕のチャールダッシュ「故郷の調べは」は聴き所の一つです。そしてクンツやホルムといった芸達者がドラマをかき回せてくれます。そして一番興味深いのは通常メゾ・ソプラノで歌われるオルロフスキーを当時ワーグナーのオペラのテノールの第一人者ヴィンドガッセンに歌わせている事である。これはベームの発案だろうか?怪演?を見せてくれます。とにかく、特に第2幕は楽しくてしかたない。観ていると本当に嫌な事を忘れさせてくれます。
この作品のDVDはすでに1980年大晦日のウィーン国立歌劇場の公演のものを持っていますが、スタジオで収録したベーム盤の方が好きです。(1980年盤はロザリンデがルチア・ポップ、アデーレがエディタ・クルべローヴァという豪華キャストでこちらも聴き所満載です)
なお、今回のベーム盤は2940円の超お買い得盤ですが限定盤の様です。

「ワルツ王」として名声を欲しいままにしていたシュトラウスがオペレッタの分野に脚を踏み入れさせた理由はいったい何だったのだろうか?当時ウィーンでも大ブームを巻き起こしたオッフェンバックの影響だろうか?
オッフェンバックのオペレッタは社会風刺を展開しましたが、シュトラウスはやはり「ワルツ王」。ワルツ、ポルカなどを使ってウィーン情緒をたっぷりと出し、苦しい事を忘れさせ、ひと時の憧れ、憂い、喜びの世界へ導いてくれます。

最後になぜ「こうもり」という題名なのか?第2幕で暴露されますがアイゼンシュタインの友人ファルケは2年前の仮装パーティーで「こうもり」の扮装をし、そのまま酔いつぶれ、アイゼンシュタインに市場で置き去りににされ町の笑い者になってしまった。そこでファルケは金が余りに余って退屈しているロシアの貴族オルロフスキーの夜会でアイゼンシュタインに恥をかかせて復讐をしようとする。「こうもり博士の復讐」と言ってもおかしくありません。


「どうすることもできないことを忘れてしまえる人は幸せだ!」(第1幕より)


ハンス・ホッターの「ハンス・ザックス」

2007年10月23日 13時21分13秒 | オペラ
ワーグナー 楽劇「ニュールンベルクのマイスタージンガー」全曲盤より第1幕への前奏曲および第3幕

ハンス・ホッター(ハンス・ザックス)オルフガング・ヴィンドガッセン(ワルター)Gri Brouwennstijnn(エヴァ)ヨセフ・クラインドル(ポーグナー)カール・シュミット・ワルター(ベックメッサー)

アンドレ・クリィタンス指揮バイロイト音楽祭管弦楽団・合唱団
1956年バイロイト音楽祭ライブ録音
(輸入盤)WALHALL  WLCD0191

正規のライブ録音のCDでないだけに予約する時も聴く時も大変な覚悟でした。しかし不安は第1幕の前奏曲が鳴ったとたん消えてしまった。録音の古さを感じなかった。本当によかった。あの時代なので当然モノラルですがオケやコーラスも明瞭な録音で歌手とのバランスもよく本当にこのオペラを堪能しました。この時代、合唱指揮で有名だったピッツ率いるコーラスも素晴らしかった。所々キンキンノイズがあり気になりましたが・・・
本当は第1幕からじっくりと聴くべきですが、やはり大好きな第3幕から聴いてしまった。

イタリアオペラの場合、私は歌手でCDを選ぶ事が多いですが、ワーグナーの場合は指揮者からになってしまいます。しかし今回は例外。どうしても聴きたかった歌手の配役で飛びついてしまった。それは「ハンス・ホッターのハンス・ザックス」。
ホッターと言えばヴォータン。ヴォータンと言えばホッター。そのくらいワーグナー歌手として、ヴォータン役として一時代を築いたのですが、写真は見たことはあったのですがザックス役は正規の録音もなく、私自身、数多いオペラの役柄の中でザックスはー番好きな人物だけにホッターのザックスはどうしても聴きたかった。1960年代このオペラのミュンヘンでのライブ録音に参加しているのですがポーグナー役であった。

ホッターはヴォータン役は長く続けたがザックス役はなぜ早く引っ込めたのであろうか。ヴォータンは神の長である。声が衰えても立っているだけで神々しさを伝えることができたかもしれません。しかしザックス役は年配者かもしれませんが声の若さが必要。若い女性に密かに心を寄せる気の若さ、情熱がなくてはただの老人になってしまいます。1956年当時のホッターの声はそれを表現できる最後の時だったかもしれません。本当に貴重な録音です。
第三幕エヴァがザックスの仕事場で靴の具合が悪いと訴えてザックスが彼女の靴に触れた時、
「ああ、ここだ!原因がわかったよ。あんたのいう通りだ。縫い目のところだ・・・」
ここで聴かせるホッターの声の張り、躍動感はヴォータンでは聴けない物凄さを感じました。この場でのワルターの存在を知りながらザックスのけっして表に出さない悲しさ、心の動きが見事に伝わってきます。
その他第三幕冒頭の「迷いだ!迷いだ!」歌合戦最後での「ドイツのマイスターを尊敬して下さい」などの聴かせ所では朗々とした声を聞かせてくれます。

ワルター役はウィンドガッセン。ジークフリートがワルターを歌うのですから聴き応えがあります。最後にクリュイタンスの指揮。フランス系の指揮者がバイロイトに登場したのは彼が初めてであったのではないでしょうか。早めのテンポで熱のこもった演奏ですが重厚さは失われていません。ラベルなどのフランス物のスペシャリストと思いがちですが、ワーグナー指揮者としてももっと評価すべきではと思いました。
今回は思いがけない素晴らしい演奏に接し胸が一杯です。

兵庫県立芸術センターのオペラ公演

2007年10月04日 01時11分59秒 | オペラ
兵庫県立芸術文化センターのオペラ公演の予定
2008年1月26日
 團伊玖磨 歌劇「夕鶴」
セミ・ステージ形式。つう役は鮫島有美子さん。
 
 
2008年3月27日~4月3日
 プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」
昨年7月の公演のリバイバル上演。あの素晴らしい名舞台が再びよみがえります。指揮は当然、佐渡裕氏です。ぜひもう一度行きたいものです。


2008年7月19日~21日
 パリ国立オペラ来日公演
演目 ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」、バルトーク「青ひげ公の城」、ヤナーチェク「消えた男の日記」、デュカス「アリアーヌと青ひげ」
あのザルツブルク音楽祭の総監督だったモルティエ体制での来日公演。私自身「トリスタンとイゾルデ」を生のステージで体験できる最大のチャンスですがやはり想像どうり料金が高額・・・


いろいろ期待がふくらみますが、一つも行けないかも・・・
その時は自分の運の悪さ。あきらめましょう。







 

今日聴いたCD 9月20日

2007年09月20日 11時42分35秒 | オペラ
マリア・カラスの録音からいろいろ(「ノルマ」「清教徒」「仮面舞踏会」等より)

久しぶりにカラスの録音を聴き胸が一杯になる。今年は没後30年らしい。9月16日が命日でした。
あれからもう30年も経ったのかという気持ちが強い。DVDが登場して私自身、人生が楽しくなった。手軽に、そしてビデオより鮮明な映像でオペラを楽しめるのだから・・・しかし私にとってやはりオペラは聴くものである。生のステージに縁のない地方在住の為かもしれませんが。素晴らしい全曲録音を聴くと映像を伴うDVDよりも満足感を得る事があります。オペラの全曲レコードを対訳書を見ながら何度も繰り返して聴く事の大切さ、面白さがDVDの普及で、お手軽になりすぎて無くなってきたのかな?と思ったりします。作曲者は音楽だけでもドラマを語っています。聴きながら対訳書を読み込む事によってせりふも頭に入り、ト書きによって、その時の情景をつかむことが出来ます。カラスにも確かに映像は残されいますがほんの少ししかありません。状態の良い映像が残っていないからカラスは忘れられていくのでしょうか?否!現在も彼女の録音は繰り返して再発売されています。カラスのオペラの全曲録音を聴くと他の歌手の歌が生ぬるく感じる時があります。ちょっとした短い部分でも胸が張り裂けそうになるときがあります。

ヴェルディ「仮面舞踏会」第2幕でアメリアがリッカルドに言います。

「・・・ si,t’amo・・・ (あなたを愛してます)」

ほんのちょっとのフレーズですがどんなにカラスが思いを込めて歌っているでしょうか?まさに大アリア以上の重要さを訴えて来ます。他の歌手の録音も持っていますが単に歌っているだけで本当にのんきに聴こえます。
オペラは単に聴かせどころのアリアだけを楽しむものではない。オペラは「ドラマ」であるという事を私はカラスから教えてもらったと言い切ってもよいでしょう。私がオペラをリサイタル盤より全曲盤を好むこともカラスの影響でしょう。

オペラは舞台芸術なので当然「観るもの」です。今後、私の所持するDVDの数は間違いなく増えていくでしょう。しかしオペラを「聴くこと、聴きこむこと」という姿勢は崩さないで行きたいものである。そしてマリア・カラスの録音は今後も私にとって大きな指針になるでしょう。

オペラ三昧。

2007年09月17日 18時27分58秒 | オペラ
午前、NHK衛星第2にてパヴァロッティ追悼特集で1988年サンフランシスコ歌劇場でのプッチーニーの歌劇「ラ・ボエーム」の公演の放送がありました。ロドルフォ役はパヴァロッティ、そしてミミ役はフレーニという最高の顔合わせによる映像である。あの風格、そしてあの巨漢な体つきのパヴァロッティがステージでは貧乏な詩人見えてくるのだから不思議である。そしてフレーニのミミ!さすがに初々しさはもうありませんが私にとって最高のミミです。
やはり第4幕はいつもながらジーンとくる。ショナールが部屋を去り、舞台にはロドルフォとミミだけになり、オケによる第1幕の愛の二重唱のメロディが流れます。
「・・・たった一つだけ海のように大きいもの。海のように深く限りない物。あなたは私の愛で、私の命の全て!」
「ああ、ミミ!私の美しいミミ!」
「私はまだ美しいかしら?」
「日の出のように美しいよ」
「あなたは比べるものが違うわ。こう言うべきなのよ。夕日のように美しいって・・・」
このあたりにになるとプッチーニーの美しいメロディにのって、目頭がいつも熱くなります。今日もそうでした。
ビデオテープに録画したので、また涙を流したいと思います。

午後は四国二期会のオペラ公演を観に行く。演目は「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」のヴェリズモ・オペラの2本立て。原語上演である。まさか地元でこのオペラを観る事が出来るとは昔を思い出すと考えられないことである。キャストは東京の二期会と地元勢の混成である。サントゥッツァ役には下原千恵子さん(藤原歌劇団)というビッグネームもあり大いに楽しむ。「道化師」の第2幕ではカニオが劇中劇を経てネッダを刺し最後に「喜劇は終わりました」と語るまでのドラマの緊迫感、盛り上がりは劇場でないとわからないものであると初めてこのオペラを見て痛感する。
都会のオペラ公演に比べると見劣りする点もあるのは事実ですが、これだけのレベルに持って行くのは大変だったと思います。1点だけ、コーラスはよく歌っていましたがまだまだ唱歌を歌っているようでヴェリズモ・オペラの熱さを感じる事が出来なかったので、いかにオペラの雰囲気を身に着けるかが今後の課題でしょう。
最後に今日は祭日で昼間の公演にもかかわらず学生さんなど若い方の姿が会場であまり見る事が出来なかったのが残念でした。数日前の記事で書きましたが商店街のCD店にパヴァロッティのCDが売り場に並んでいないくらいなのだから、残念ながら致し方ないのかもしれません。

パヴァロッティ死去

2007年09月10日 11時07分01秒 | オペラ
パヴァロッティが亡くなりました。正直なところ私自身は熱心なファンではありませんが訃報を聞いて、やはり寂しさを感じました。3大テナーの中で一番華があったと思います。また名前をふされても声を聴いただけですぐ彼だとわかる輝かしい声!ただ残念なのは晩年はコンサートが中心でオペラの舞台に立たなくなった事です。私にとってやはりパヴァロッティは「オペラの人」である。ポピュラーソング等を歌っているパヴァロッティにはあまり興味ありません。

熱心なファンではない私ですが私の大切な節目で2度彼が登場します。最初は高校生の時初めて購入したオペラの全曲レコードはプッチーニの「ラ・ボエーム」でしたがロドルフォ役が彼でした。彼の声を始めて聴いたのもこのレコードです。第1幕の「冷たき手を」の素晴らしさは今も色あせません。
2度目はやはり昨年のトリノ冬季オリンピックの開会式!開会式はテレビで見ましましたが最後のパヴァロッティの声しか覚えていません。ステージ上のたった一人の声がこれだけ強烈に人々の記憶に残す「人間の声の素晴らしさ!輝かしさ!」イタリアはやはりオペラの国。まさにオペラ万歳でした。

最後に私が所持しているパヴァロッティのCDでお気に入りの録音を3点。
①プッチーニ 歌劇「トゥーランドット」(全曲)
 ズービン・メータ指揮ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
 (輸入盤)デッカ 414274ー2 (1972年録音)
 私が持っているこのオペラの全曲盤の中でも1番のお気に入り。第3幕の「誰も寝てはならぬ」は何度聴いてもしびれます。他のキャストも脇役まで万全である。
②プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」(全曲) 
 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
 (国内盤)私の所持しているCDは20年前の初CD化された時に購入した物なので番号が大きく変わっているはずである。(1972年録音)
 私が初めて手にしたオペラ全曲盤。ミミ役のフレーニ共々このオペラの決定盤だと思っています。
③マスカーニ 歌劇「友人フリッツ」(全曲)
 ジャナンドレア・ガヴァツェーニ指揮コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団
 (輸入盤)EMI 7243 5 67373 2 7 (1968年録音)
 この素敵な全曲盤は国内盤は発売されたのだろうか?ヒロインのスゼル役はフレーニである。二人ともリリコの美声が最高潮の頃の録音。第2幕のさくらんぼうの二重唱は本当に美しい。

余談ながらパヴァロッティのオペラ全曲盤で私はベルリーニの「清教徒」とドニゼッティの「ラ・ファヴォリータ」をまだ手にしていません。レコード会社では追悼盤が発売されるようですがリサイタル盤ばかりのようです。オペラの全曲盤も見直して欲しいものです。