オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

喜歌劇「こうもり」

2007年11月20日 16時32分39秒 | オペラ
キム・ヨナさんが今シーズン,SPでヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」序曲を取り上げていますが、このオペレッタをベームが指揮したDVDが手に入り、あまりの楽しさに今たいへんごきげんである。

グンドラ・ヤノヴィッツ(ロザリンデ)エヴァハルト・ヴェヒター(アイゼンシュタイン)レナーテ・ホルム(アデーレ)エーリッヒ・クンツ(フランク)ヴォルフガング・ヴィンドガッセン(オルロフスキー)

カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団。
オットー・シェンク演出 1972年ユニテル製作。。(国内盤 ドリームライフ DLVC8066)

初めて「こうもり」の全曲レコードを手にしたのは高校生の時。ベームの来日記念盤として発売された2枚組のセット物だった。解説書を開けると写真がたくさんあり、スタジオで全曲撮影され、レコードは台紙を省いた演奏のみをレコード化した物という事であった。要するに当DVDはその映像版である。レコードを手にして30数余年経ち初めて映像としてみる事が出来るとは夢にも思いませんでした。
映像状態は古さを感じない。最初の序曲はたっぷりとベーム指揮を見る事が出来ごきげんである。当時絶頂だったヤノヴィッツのロザリンデが美しい声を聴かせてくれます。第2幕のチャールダッシュ「故郷の調べは」は聴き所の一つです。そしてクンツやホルムといった芸達者がドラマをかき回せてくれます。そして一番興味深いのは通常メゾ・ソプラノで歌われるオルロフスキーを当時ワーグナーのオペラのテノールの第一人者ヴィンドガッセンに歌わせている事である。これはベームの発案だろうか?怪演?を見せてくれます。とにかく、特に第2幕は楽しくてしかたない。観ていると本当に嫌な事を忘れさせてくれます。
この作品のDVDはすでに1980年大晦日のウィーン国立歌劇場の公演のものを持っていますが、スタジオで収録したベーム盤の方が好きです。(1980年盤はロザリンデがルチア・ポップ、アデーレがエディタ・クルべローヴァという豪華キャストでこちらも聴き所満載です)
なお、今回のベーム盤は2940円の超お買い得盤ですが限定盤の様です。

「ワルツ王」として名声を欲しいままにしていたシュトラウスがオペレッタの分野に脚を踏み入れさせた理由はいったい何だったのだろうか?当時ウィーンでも大ブームを巻き起こしたオッフェンバックの影響だろうか?
オッフェンバックのオペレッタは社会風刺を展開しましたが、シュトラウスはやはり「ワルツ王」。ワルツ、ポルカなどを使ってウィーン情緒をたっぷりと出し、苦しい事を忘れさせ、ひと時の憧れ、憂い、喜びの世界へ導いてくれます。

最後になぜ「こうもり」という題名なのか?第2幕で暴露されますがアイゼンシュタインの友人ファルケは2年前の仮装パーティーで「こうもり」の扮装をし、そのまま酔いつぶれ、アイゼンシュタインに市場で置き去りににされ町の笑い者になってしまった。そこでファルケは金が余りに余って退屈しているロシアの貴族オルロフスキーの夜会でアイゼンシュタインに恥をかかせて復讐をしようとする。「こうもり博士の復讐」と言ってもおかしくありません。


「どうすることもできないことを忘れてしまえる人は幸せだ!」(第1幕より)


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