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オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

今晩のオペラ放送。

2010年06月26日 21時21分00秒 | オペラ
今晩の夜の11時前からNHKのハイビジョン放送でベルリーニの歌劇「夢遊病の女」とベルクの歌劇「ヴォツェック」の放送があります。「夢遊病の女」はパリ・オペラ座の公演でナタリ・デッセイが出演。「ヴォツェック」は新国立劇場での公演である。
特に「ヴォツェック」が楽しみです。
それにしてもベルリーニの次にベルクとは凄い組み合わせである。
そして明日の早朝のNHK交響楽団の放送はオットマール・スウィートナーの追悼番組である。
明日も仕事なので、いずれも、しっかりと録画予約をしました。
今晩は早く寝ましょう。

歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」

2010年06月02日 09時12分51秒 | オペラ
今日は歌劇「ラ・ボエーム」はお休み。
昨晩は久し振りに一昨年のフレンズ・オン・アイスのプログラムを取り出しました。あの伝説になった「オペラ座の怪人」の年である。
会場で買った前日のリハーサルでの出演者の集合写真を特に感概深く眺めました。
前列中央の荒川静香さんから向かって右側に中野友加里さん、佐藤友香さん、シェーリーン・ボーン姐さん、高橋大輔さん、本田武士さん。そして荒川さんから向かって左側に恩田美栄さん、タニス・ベルビン、井上怜奈さん、チン・パンが並んでいる。
後列にはライザチェックや小塚嵩彦さんの姿がある。
写真を眺めながら、年月の流れの大きさを強く感じました。
大好きな中野友加里さんは引退し、恩田美栄さんの姿をスケートリンクで見る事は出来なくなった。井上怜奈さん&ジョン・ボールドウィンの演技も見ることは、もう無いであろう。
またチン・パン&ジャン・トン、高橋大輔さんのバンクーバー冬季オリンピックでの感動的な演技が脳裏をよぎる。
たった2年、されど2年である。本当に年月の経つことの大きさを改めて感じるばかりである。
今年は荒川静香さんのフレンズとして誰が登場するのでしょうか?

先週の土曜の深夜、NHKハイビジョン放送でチレア作曲の歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」全曲が放送されました。今、その録画を見ながらパソコンに向かっているところである。
昨年7月、イタリアのトリノ・レージョ劇場での公演。アドリアーナ役はミカエロ・カロージ、マウリツォ役はマルセロ・アルバレス。
チレア独特の美しい旋律には仕事の疲れも癒される思いがします。
第1幕のアドリアーナが登場して歌う「私は神の卑しいしもべ」の美しいアリアは大好きである。
演出は、今、流行の読み替えでなくオードソックスなもので舞台装置や衣装もハイビジョンで見るとたいへん際立っていた。歌手ではテノールのアルバレスの声が美しかった。
さて、このオペラは専門家から見ると二流の作品と烙印を押されがちですが、私にとって、たいへん懐かしく、オペラの魅力を知った、けっして忘れられない作品である。
私は約30年も昔、大学生の時、私はこのオペラの日本初演を見ました。第8回NHKイタリア・オペラ公演でした。
モンセラ・カバリエ、ホセ・カレラス、フィオレンツァ・コッソットという今でも身震いしそうな凄い顔ぶれでの公演だった。
私にとって人間の持つ声の美しさ、素晴らしさに正に驚愕した公演である。オペラの醍醐味を初めて知った公演といって良いでしょう。このオペラの公演のあとのヴェルディの歌劇「シモン・ボッカネグラ」も忘れがたい公演だった。こちらも日本初演だったはずである。
あれから30年以上の年月が経っていますが、あの歌声、舞台姿は今もはっきりと憶えていて死ぬまで忘れることはないでしょう。

凄いもの、素晴らしいものを見た時に受けた感動は終生、記憶が薄れることはないに違いありません。
昨年、一昨年見たフレンズ・オン・アイス、また昨年暮のメダリスト・オン・アイスの記憶も私の脳裏から終生離れることは絶対ないでしょう。
すでに今年のフレンズ・オン・アイスのチケットが届いています。
今年も荒川静香さんが私にどんな思い出を作ってくれるのか、どんな至福の時を与えてくれるのか楽しみです。

今日は齢を取ってきたせいか昔話ばかりでした・・・


歌劇「ラ・ボエーム」第1幕。

2010年05月29日 20時58分35秒 | オペラ
まだまだ続きます歌劇「ラ・ボエーム」への思い。
まず第1幕。
やはり聴きどころは後半である。
第1幕が始まってロドルフォと彼の仲間たち、そして家主ブノアとの、にぎやかなやりとりが終わって舞台にはロドルフォ一人。そこへドアのノックの音。ろうそくの火をもらいにやって来たミミの登場である。ミミの登場で、このオペラのドラマが大きく動き出した感を強くする。
そして暗がりでミミが落とした鍵を探しながら、ロドルフォの手がミミの手に触れて、ミミが「あっ!」と言った瞬間、あの有名なロドルフォの歌う「冷たき手を」が始まります。
この瞬間の緊張感、陶酔感は正に劇場感覚を知り尽くしたプッチーニの凄さだと思います。
「冷たき手」のあと、ミミの歌う「私の名前はミミ」そして2重唱「愛らしい乙女よ」と続き、プッチーニの美しい旋律、そして美しい声に酔うばかりである。

私はこのオペラの録音はカラヤン盤を愛聴していますが、ミレッラ・フレーニがミミを歌っているのも大きな理由です。やはり私にとってミミ=フレーニである。これは、どう言われてもしかたがありません。
マリア・カラスは別格としてフレーニは私が一番好きなオペラ歌手です。大好きな歌い手で、大好きなオペラを聴きたい。カラヤン盤は正に私にとって、その条件を大きく満たしてくれる録音です。
そしてロドルフォを歌うパヴァロッティの美声。いろいろな全曲録音のCDを持っていますがフレーニとパヴァロッティのコンビを超える録音は私にとって無いのではと、どうしても思ってしまいます。
今日はここまで。



アンネリーゼ・ローテンベルガー死去。

2010年05月27日 22時47分45秒 | オペラ
5月24日、往年のドイツの名ソプラノ、アンネリーゼ・ローテンベルガーがスイスの病院で亡くなったというニュースが飛び込んできました。

ローテンベルガーの名前を聞いてすぐに頭の中で浮かぶのは1960年のザルツブルグ音楽祭の記録映画、カラヤン指揮によるR・シュトラウスの楽劇「ばらの騎士」でのゾフィー役である。
ローテンベルガーの扮するゾフィー。チャーミングで本当に魅力的でした。

私は大学生の時、銀座のヤマハホールで初めてこの映画を見て、この世の中のこんなに美しいものがあるのか!と本当に驚いたものです。そして次の日、有り金を全部かき集めてレコード店へ走り「ばらの騎士」の全曲レコードを買ったことを今も忘れません。

現在、私が所持しているオペラ全曲のCDではスウィトナー指揮の「フィガロの結婚」でのスザンナ役、サヴァリッシュ指揮の「魔笛」でのパミーナ役、そしてカイベルト指揮のR・シュトラウス「アラベラ」でのズデンカ役でローテンベルガーの歌声を聴く事が出来ます。
また、まだCDで買い直していませんがオペレッタのレコードも何点か持っています。

私がローテンベルガーを初めて知ったのは高校生の時である。おそらく彼女の唯一の来日時のリサイタルの放送をNHK教育放送で見たことを、はっきりと憶えています。
プログラムにヴォルフの歌曲が多く含まれており、私が初めてヴォルフの作品を知ったのは、この時だったはずです。
ヴォルフの「妖精の歌」を表情豊かに歌っていたことを今も忘れることが出来ません。

享年83歳。癌だったらしい。
心よりご冥福をお祈りいたします。

歌劇「ラ・ボエーム」

2010年05月26日 14時40分05秒 | オペラ
久し振りにプッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」の全曲を聴く。
ミレルラ・フレーニのミミ、ルチアーノ・パヴァロッティのロドルフォ、そしてヘルベルト・フォン・カラヤン指揮のベルリンフィルハーモニー管弦楽団による1972年の録音である。(デッカ盤)
現在、歌劇「ラ・ボエーム」の全曲CDを、いろいろと所持していますが、どうしても愛着があるのが、このカラヤンの録音である。
セラフィンがテバルディと録音した定評のあるデッカでの録音や、ネトレプコやゲオルギューがミミを歌った録音もありますが、やはりカラヤンの録音なのである。
理由は、やはり私が生れて初めて手にしたオペラ全曲録音のレコードだったからでしょう。
高校2年の時でした。
当時はオペラの全曲盤はレコード店のショーケースの中に、うやうやしく飾られていて、これを出して、と店の方に御願いしたら、こんな高校生が?という目つきで見られたことを今もはっきりと憶えています。厚いケースに入った、手ごたえのある2枚組のレコードでした。それにしてもCDの時代になってオペラの全曲盤も、何と軽くなってしまったのだろう!何か、作品の重さすら軽くなってきた気がします。
さて今回、聴き直してカラヤン指揮するベルリンフィルの上手さ、雄弁さを再確認しました。当時、イタリアオペラの演奏に馴れたウィーンフィルやミラノ・スカラ座のオケを起用することは、おそらくカラヤンにとって容易なことだったでしょう。しかし、あえてベルリンフィル。おそらく単にメロディの持つ美しさだけでなく、「ラ・ボエーム」しか持っていない歌とオケの一体感にカラヤンは目をつけたのかもしれません。
この数年後、カラヤンは「蝶々夫人」をデッカで録音しますが、この時のオケはウィーンフィルである。
またカラヤンは「ラ・ボエーム」の録音の後、ヴェルディの歌劇「オテロ」をベルリンフィルと録音(EMI)しますが、「ラ・ボエーム」の録音場所はベルリン・イエス・キリスト教会、「オテロ」はベルリン・フィルハーモニーでの録音で録音場所が違うのも興味深い。
「オテロ」では大きくオケが鳴り響いている感が強いですが、「ラ・ボエーム」ではオケの色彩感あふれる表情豊かな音色を見事にとらえていて、私はこちらの録音の方が好きです。同じオケでも録音場所が違うだけで感じ方が変わるのが、これまた面白い。

レコードからCDになった時、何が一番良かったと思った点は第1幕の後半、レコードでは「冷たき手を」「私の名前はミミ」が終わって、すぐにレコードを裏返しにして2重唱「愛らしい乙女よ」を聴かなければいけませんでしたが、CDでは一気に聴くことが出来るようになった。これは本当に、ありがたかった。
フレーニのミミ、パヴァロッティのロドルフォ、まさに極めつけである。
私はこの頃のパヴァロッティが一番好きである。後年、大きなスタジアムでマイクを通してポピュラーソングまで歌っていた時よりも・・・。真にオペラ歌手として一番輝いていた時期だったのではと思います。

ミミ「あなたにお話したいことがたくさんあるわ。それもたった一つだけど海のように大きいこと。
   あなたは私の愛で、私の命の全て!」
ロドルフォ「ああ、ミミ。私の美しいミミ!」
ミミ「私ままだ美しいかしら?」
ロドルフォ「日の出のように美しいよ」

全曲の中でやはり第4幕、部屋に二人っきりになったミミとロドルフォが切々と歌う場面が一番好きである。何度聴いても胸に込み上げてくるものがあります。
私にはカルロス・クライバー指揮によろミラノ・スカラ座による来日公演を見る事が出来たという、終生、忘れがたい思い出もあり歌劇「ラ・ボエーム」は私にとって特別な作品と言ってよいでしょう。
   

歌劇「ナブッコ」

2010年04月08日 09時54分51秒 | オペラ
オペラ大好き人間の私にとって、心の中で中心にいる作曲家の一人にヴェルディの名前を挙げるのは当然である。
ヴェルディの作品と言えば「椿姫」「アイーダ」「オテロ」など中期から後期にかけての作品が有名で、当然ながら私もよく聴きますが、私はどちらかと言えば「ナブッコ」「十字軍のロンバルディア人」「アッティラ」など初期の作品が大好きです。
若いヴェルディから噴出される、すさまじい情熱とダイナミックさ、そして独創性には圧倒されるものを感じます。その中で「ナブッコ」はヴェルディの作品の中でも大好きな作品です。
歌劇「ナブッコ」には強烈な思い出があります。
かなり昔、1988年ミラノ・スカラ座の2回目の来日公演で、たいへん無理をしましたが東京まで遠征して「ナブッコ」を見ました。
リッカルド・ムーティが指揮するスカラ座のオーケストラから発せられる熱気あふれる響き。そのオケの響きを乗り越えて聴こえてくるナブッコに扮したバリトンのレナート・ブルゾンの朗々たる声!そしてスカラ座のコーラスの輝かしさ!
第1部冒頭の開幕の合唱のスケールの大きさ、そして第3部での有名な「ゆけ、わが思いよ、金の翼に乗って」での美しさ!この有名な合唱曲が終わった直後、あの大きなNHKホールが何とも言えない静寂のあと、物凄い拍手につつまれたことを忘れることが出来ません。
私にとって終生忘れることの出来ない音楽体験の一つと言えるでしょう。

さて「ナブッコ」の全曲CDはシノーポリがベルリン・ドイツ・オペラを振ったスタジオ録音(グラモフォン盤)を長い間、聴いていました。ナブッコを大好きなピエロ・カップッチルリが歌っているからでしょう。
スカラ座の来日公演で熱い体験をさせてくれたムーティがフィルハーモニア管弦楽団を指揮したスタジオ録音(1977~78年録音 EMI盤)は何故か持っていませんでした。
演奏がイギリスのオケと合唱団なので何故か敬遠していたのかもしれません。
今月、一度は聴くべきと思いCDを入手して聴いてみるとビックリ!私はたいへんな回り道をしてしまったようだ。
スカラ座の公演を思い出す熱気あふれる演奏。序曲からノリノリであった。
歌手ではレナート・スコットのアビガイルレが良かった。予想以上だった。けっして彼女の声にあった役とは言えないと思いますが、録音当時の彼女の充実ぶりが解る録音である。
またザッカーリア役がバスのニコライ・ギャウロフという贅沢さ。彼の重厚な声には本当にしびれます。
久し振りにヴェルディのオペラを聴いて熱くなるものを感じたCDでした。

スウィトナーの「フィガロの結婚」

2010年03月25日 13時17分24秒 | オペラ
オトマール・スウィトナー指揮による1966年のドレスデンでのスタジオ録音のモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」全曲CDを聴きました。
ドイツ語版であるが全く気にならなかった。序曲から何と言うドレスデンのオケの心地良い響きだろうか?何と言ういいテンポ!ドレスデンのルカ教会の残響の美しさ!
この録音はレコード時代、輸入盤(米セラフィム)で購入していて数回聴いて、あまり印象に残ることなく、そのままであった。
今回、このCDで久し振りにこの録音を聴いて、レコードで聴いた時とあまりにも印象が違うので驚かされた。全く別の録音を聴いているような感じさえしました。改めて、このオペラの面白さに引き込まれる思いがしました。。

配役はワルター・ペリーのフィガロ、アンネリーゼ・ローテンベルガーのスザンナ、ヘルマン・プライの伯爵、ヒルデ・ギューデンの伯爵夫人、そしてエディット・マティスのケルビーノという豪華キャスト。当時、この録音に賭けるスウィトナーの意気込みが伝わってきます。
このオペラは題名から、どうしてもフィガロが主人公のように思われますが、私はこのオペラの本当の主人公はフィガロの許婚であるスザンナだと思っています。彼女がこのオペラの推進役であると信じています。彼女を中心にしたフィガロと伯爵の微妙な心理と関係、それに伯爵夫人が絡み、そして何かとややこしいケルビーノが加わりドラマは二転三転そして四転。そして第4幕の最後、伯爵が「奥方よ、許してくれ」と歌うと、サッとドラマが落ち着く妙は正に天才モーツァルトである。

フィガロ役と言うとヘルマン・プライが有名でしたが、私はプライよりワルター・ペリーの方が好きである。何と言う男っぷりの良さ!ペリーの扮する素晴らしいフィガロは1966年のザルツブルグ音楽祭でのベームが指揮した公演を記録したDVDで見ることが出来ます。なおこの公演のケルビーノ役もマティスである。
そして、この録音でのスザンナ役はアンネリーゼ・ローテンベルガーである。ローテンベルガーですぐに思い浮かぶのは1960年のザルツブルグ音楽祭でのR・シュトラウスの楽劇「ばらの騎士」の映像で見る事の出来るゾフィー役である。本当にチャーミングでした。彼女が実際のステージで演じたスザンナもさぞかし可愛いかったでしょう。
私の記憶ではローテンベルガーの来日は一度だけだったと思います。私が高校生の時、リサイタルの映像をNHK教育放送で見ました。この時、初めてヴォルフの作品を知りました。表情豊かな「妖精の歌」は今でもしっかりと憶えています。

それにしても冒頭でもコメントしましたがスウィトナー指揮によるドレスデン国立歌劇場管弦楽団のいぶし銀のような響きは本当に魅了されます。
また、こんな素敵な全曲録音がまだ国内盤として発売されていないのは本当に不思議です。

ウォルフガング・ワーグナー死去。

2010年03月23日 21時47分38秒 | オペラ
本日の新聞の社会面の片隅にウォルフガング・ワーグナーの訃報が小さく載っていました。
90歳。あのリヒャルト・ワーグナーの孫で長い間、バイロイト音楽祭の総監督を務めていました。
第二次世界大戦後の1951年、バイロイト音楽祭が復活して現在まで、一つの大きな時代が終わった感あり。
後継者問題は、いろいろあったようなので、今後のバイロイト音楽祭を含めたワーグナー家の動向が気になります。

ニコライ・ギャウロフ

2009年12月21日 12時14分29秒 | オペラ
ニコライ・ギャウロフ・ヴェルディ・アリア集

ヴェルディ 歌劇「ナブッコ」第1部より「祭りの晴れ着がもみくちゃになって」~「希望を持て、ああ子らよ」
ヴェルディ 歌劇「ナブッコ」第3部より「飛んで行け、我が想いよ、金色の翼にのって」~「ああ、泣いているのは誰だ」
その他歌劇「マクベス」「シチリア島の夕べの祈り」「シモン・ボッカネグラ」より

ニコライ・ギャウロフ(バス)
クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団、アンブロジアン合唱団

1969年ロンドンでのスタジオ録音 (輸入盤)DECCA475 6280

前回、NHKのイタリアオペラの思いを書き込みましたが、しばらく、そのつながりで書いて行きたいと思います。
昭和51年のNHKのイタリアオペラの最後の公演を実際にNHKホールで観ることが出来ました。その時の演目でヴェルディの歌劇「シモン・ボッカネグラ」が日本初演されました。ピエロ・カップッチルリ、ニコライ・ギャウロフ、カーティア・リッチャレルリと言う最強の顔ぶれで、現在も忘れられないものがあります。
その時の公演の時、NHKホールのロビーで公演の記念に買い求めたレコードが、このギャウロフがヴェルディを歌ったレコードでした。
昭和48年の公演のテレビ放送で初来日のバスのギャウロフの声を初めて聴いて、その深い声、また、重厚なバスでありながら、その中にも表情豊かな声に魅了され、初めて生でギャウロフを聴ける歌劇「シモン・ボッカネグラ」の公演は共演がバリトンのカップッチルリだけに胸が高まる思いでした。
ギャウロフはすでに故人となりましたが、私自身、現在でもイタリア・オペラのバス歌手では彼が最高だと信じていて、どうしてもギャウロフが基準になっています。
バス歌手によるアリア集の録音は少なく、この録音は、ギャウロフの声をたっぷりと聴ける、たいへん貴重な録音だと思います。輸入盤でCDを入手しましたが、CD化された国内盤が発売された記憶は残念ながらありません。
レコードではA面が全て歌劇「ナブッコ」からで、B面がその他の作品でした。
指揮がアバドというのも大変、贅沢な録音である。「マクベス」や「シモン・ボッカネグラ」のナンバーが含まれているのも、後年のミラノ・スカラ座との素晴らしい全曲録音を予感させるものがあります。またスカラ座との録音でも当然ギャウロフが素晴らしい歌を聴かせてくれています。
また私はこのレコードで録音の半分を占める歌劇「ナブッコ」を初めて知ることが出来ました。聴き応えのある合唱曲のあと、バスの重厚な歌を聴けるこの録音は今、聴いても魅力たっぷりで、現在も私の愛聴盤の1枚です。

次回は、もう少し歌劇「ナブッコ」に進むか、それともバリトンのピエロ・カップッチルリに飛ぶか、まさに行き当たりばったりである。
いよいよ週末はオリンピック代表の懸かったフィギュアスケートの全日本選手権である。来週の月曜はMOIである。しばらくは、またオペラは、お休み状態になるかもしれません。

歌劇「ラ・ファヴォリータ」

2009年12月17日 09時42分39秒 | オペラ
ドニゼッティ 歌劇「ラ・ファヴォリータ」(全曲)

フィオレンツァ・コッソット(レオノーラ)アルフレード・クラウス(フェルナンド)セスト・ブルスカンティーニ(アルフォンソ2世)ルッジェロ・ライモンディ(バルダッサーレ)
オリビエロ・デ・ファブリツィース指揮NHK交響楽団、日本プロ合唱団連合

1971年9月東京文化会館でのライブ映像

かなり昔、NHKが主催したイタリア歌劇団の公演を憶えていて懐かしく思うのは私の年代以上の方々でしょう。
この前、今年、来日したミラノ・スカラ座の歌劇「アイーダー」の公演の放送を見て何か物足りなかった。正直、面白くなかった。それが何故かと考えてみると、それはイタリアオペラの持つ「熱さ」ではないかと思いました。
イタリアオペラの持つ旋律の美しさ、オペラ歌手たちの声の輝きにオペラの醍醐味を堪能する。オペラが進むにつれて「熱さ」を憶えていく。これを教えてくれたのはNHKのイタリア歌劇団の公演である。
NHKのイタリア歌劇団の公演は昭和31年から昭和51年まで8回開催されましたが私がリアルタイムに接したのは最後の2回である。それ以前のデル・モナコやテバルディの公演は、私にとっては、もう伝説の世界である。
さて7回目の公演は昭和48年。ちょうど私は高校生時代でオペラに興味が出てきた時で「アイーダ」「ファウスト」「椿姫」「トスカ」の4公演、全てテレビで見ました。オペラの面白さを初めて体験することが出来ました。特に初来日だったバスのニコライ・ギャウロフの深く、そして表現豊かな声に魅了され、現在もイタリアオペラのバスと言えばギャウロフ以上の存在は頭に浮かびません。
グノー作曲の歌劇「ファウスト」は大変長いオペラですが全く気になりませんでした。アルフレード・クラウスのファウスト、レナータ・スコットのマルガレータ、そしてギャウロフのメフィスト。物凄い顔合わせである。
また「トスカ」では第1幕の最後のスカルピアと合唱による「テ・デウム」で、その迫力に度肝を抜かれたものです。
そして最後の8回目の公演は昭和51年。その時、私は東京で大学生生活を送っていたので、バイトで貯めたお金を全てつぎこんでチケットを購入してNHKホールへ通いました。会場へ行くとオーケストラのコンサートには無い何とも言えない華やかな雰囲気で、それだけで気分が上気するものがありました。
一番忘れられないのがチレアの「アドリアーナ・ルクブルール」である。モンセラ・カバリエ、フィオレンツァ・コッソット、ホセ・カレラスという今でも信じられない顔ぶれである。特にカバリエのソプラノの美しい声!けっして大きな声ではありませんが大きなNHKホールの隅々までピンと響く美しい声!そして、そのカバリエに対抗するようなコッソットの迫力あるメゾソプラノ。本当に凄かった。
この時から、私はオペラから離れることが出来なくなったと言ってよいでしょう。
現在、世界中から一流の歌劇場の引越し公演が当たり前の時代になり、その贅沢さの感覚が無くなってきたのでしょうか?
スカラ座の「アイーダ」の放送を見て、熱くなれなかったのは、そこから来ているのかもしれません。
NHKのイタリア歌劇団の公演に慣れていた者にとって、ミラノ・スカラ座が初めて来日した時の衝撃。(私は初来日の時の「ラ・ボエーム」2回目の来日の「ナブッコ」を見ています)オーケストラ、コーラス、そして演出の桁外れの物凄さ。
NHKのイタリアオペラを知っているからこそ、スカラ座の凄さをいっそう体感できたのかもしれません。スカラ座の来日も回を重ねて見る方も慣れが出てしまったいるのかもしれません。(あくまでもテレビの放送を見ての感想ですが・・・)

さて ドニゼッティの歌劇「ラ・ファヴォリータ」である。
これはNHKのイタリア歌劇団の昭和46年の7回目の公演のDVDである。ですから私はリアルタイムで放送は見ていません。
現在のオペラ公演の映像のような鮮明さは全くありません。しかし解説書で今は亡き黒田恭一氏が述べていますが、まさに「オペラが燃えていた栄光の時代の記憶」である。
このオペラ、今もどちらかと言うと馴染みの薄いオペラでしょう。私も数年前、このDVDを手にするまでレオノーラの歌うアリア「愛しのフェルナンド」しか知らない状態でした。
コッソットとクラウスのまさに夢の共演。そしてブルスカンティーニやライモンディといった実力者が脇を固め素晴らしい公演の記録である。
第1幕のコッソットとクラウスの白熱の2重唱。第4幕のクラウスの歌うアリア「やさしい魂」でのハイC!単に高音を出しているだけではない。気品すら感じます。
このDVDを見るたびにイタリア・オペラの面白さとは何だろうと考えさせられます。
なお、この時の公演ではスリオティスとコッソットによるベルリーニの歌劇「ノルマ」やマタチッチ指揮によるプッチーニの歌劇「トゥーランドット」の公演もありましたが映像や録音は残っていないのだろうか?もし無いということならば、大変、残念なことである。

歌劇「アイーダ」

2009年11月23日 16時49分47秒 | オペラ
先週の金曜日の夜、NHK教育放送で、この9月に来日したミラノ・スカラ座の来日公演よりヴェルディの歌劇「アイーダ」の公演の放送があり、今、その録画を見終わりました。
スカラ座によるヴェルディの公演、現在、世界の指揮者を代表するダニエル・バレンボイムの指揮、そしてフランコ・ゼッフレッルリによる豪華絢爛な演出。見て絶対に不満を持ったらいけない公演かもしれない。
しかし何故か熱いものを感じるが出来なかった。実際、会場で接していたら、また違った印象を持つことが出来たかもしれませんが・・・
歌劇「アイーダ」の本当の面白さとは何だろう?
このオペラは何と言っても第2幕第2場の「凱旋の場」が有名である。しかし、このオペラは単に祝典オペラではありません。
このオペラはアイーダー、ラダメス、そしてアムネリスの三角関係を軸とした人間ドラマであると私は思っています。

アムネリス「死んでしまうと!あなたは生きなければいけません!
      そうです。私の愛に生きるのです。
      あなたの為に私は死の恐ろしい苦しみを知りました。
      私は、あなたを愛しました。あれほどの苦しみを味わいながら・・・
      涙のうちに夜を明かしました。
      祖国も、玉座も、命も。
      全て、あなたに捧げます」
ラダメス 「私もあの人(アイーダ)のために祖国を、
      そして私の名誉を裏切ったのです」

上記は第4幕第1場の一節です。私は、このオペラの中で第4幕第1場が1番好きである。アイーダの恋敵であるアムネリスが自分の思いをラダメスにぶつけ、それを拒むラダメス。たいへん興奮と高揚感が増し緊迫感のあふれるドラマである。そして、このあと絶望的な裁判の場へ流れ込みます。まさにドラマである。
この場面を力量のあるアムネリス扮するメゾ・ソプラノ歌手が演ずると心に大きく響くものがあります。
もし、この場面をマリア・カラスが歌ったらどうだったのか?よく想像します。凄いものとなっていたでしょう。彼女はアイーダ役は歌いましたがアムネリス役は歌っていません。しかし歌劇「ドン・カルロ」からエボリのアリア「むごい運命よ」を録音しているので、もう少し歌手生活を続けたらチャンスがあったかもしれません。
このオペラの奥底に流れる内面的な心理描写や性格表現がつかめないと、このオペラは私にとって本当に面白くありません。有名な「凱旋の場」も単なる大掛かりな場面の一つだけということになってしまいます。
今回の公演の映像を見ていて物足りなさを感じたのは、この点からかもしれません。バレンボイムのヴェルディの作品に対する資質もあるかもしれません。
もし、この公演の指揮がリッカルド・ムーティだったらと思うばかりである。また今回の来日公演で「ドン・カルロ」を振ったガッティでも面白かったかもしれません。
ムーティのスカラ座との決別は世界のオペラ界の大損失と言っても言い過ぎではないと思います。

なお参考までに私の歌劇「アイーダ」のお気に入り録音を2点。2点ともムーティ指揮である。
①ムーティ指揮ニュー・フィルハーモニーア管弦楽団、コヴェント・ガーデン王立歌劇場合唱団(1974年、スタジオ録音、EMI盤)
②ムーティ指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団・合唱団(1979年ミュンヘンでのライブ録音、ORFEO盤)

2点ともラダメス役はプラシド・ドミンゴである。
①は何といってもキャストの豪華さが凄い。モンセラ・カバリエ、フィオレンツァ・コッソット。プラシド・ドミンゴ、ピエロ・カップッチルリ、ニコライ・ギャウロフ。まさに声の饗宴である。この中でコッソットのアムネリスが素晴らしい。まさにアムネリスそのものである。また、この録音で私は初めてアムナズロを歌うバリトンのカップッチルリの魅力を知りました。何と美しく、力強いバリトンの声!
②はまさにムーティの熱いライブの魅力!そして歌手ではアムネリスを歌うブリギッテ・ファスベンダーが一番の聴き物である。私の大好きな第4幕第1場は聴かせてくれます。
その他、カラヤン盤やセラフィン盤等も持っていますが、やはり、この2点に落ち着きます。1974年アバド指揮によるスカラ座のミュンヘンでのライブ録音も輸入盤であるらしいが、まだ入手していません。ぜひ聴いてみたいものです。

メトの「ラ・ボエーム」

2009年10月22日 09時06分43秒 | オペラ
今月の初め、NHKハイビジョンでメトロポリタン歌劇場の公演が四夜に渡って放送され、現在、録画を一生懸命見ているところである。
演目はワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」、プッチーニの「ラ・ボエーム」「マノン・レスコー」そしてブリテンの「ピーター・グライムズ」である。
あと「ピーター・グライムズ」を残すのみである。
一番、楽しみにしていたのは「トリスタンとイゾルデ」でしたが、面白くなかった。そして、何度も、飽きもせず見直たのが「ラ・ボエーム」である。
演出はフランコ・ゼッフィレッリである。やはり第2幕が圧巻でした。
ゼッフィレッリ演出の「ラ・ボエーム」といえば大昔、ミラノ・スカラ座の歴史的な初来日の時の公演が忘れることが出来ません。(私の大好きなミレッラ・フレーニのミミ、そしてC・クライバーが指揮)
メトの公演では、一部の変更はありますが、あの時の舞台装置とほぼ同じで第2幕の幕が開いた瞬間の上下2段に分かれた、カフェ・モミュスと街頭の賑わいが一度に目の当たりにできる、まさに凄い舞台を楽しむことが出来、何度も、何度も、録画を見直しました。
しかし残念だったのは第2幕の最後、スカラ座の演出ではマルチェルロやムゼッタたちが鼓笛隊のあとを追って舞台から、いなくなった後、ムゼッタのパトロンのアルチンドロがモミュスへ帰ってきて、給仕が差し出した勘定書を見て驚いてへたりこみ、その傍らでロドルフォとミミが抱擁しているという極めの細かい演出でしたが、メトでは出演者全員が舞台に残ってにぎやかに幕が降りるというも演出である。やはり私は、ここの部分はスカラ座の演出が余韻が残って好きである。
なお、放送では第1幕から第2幕、そして第2幕から第3幕の舞台裏での舞台転換の様子も映し出され、こたえられないものがありました。
さて、このメトでの公演のミミ役はアンジェラ・ゲオルギューである。昨年の11月、ネトレプコがミミを演ずる「ラ・ボエーム」の放送があり、ネトレプコの美人ぶりに目まいがしたものですが、ゲオルギューのミミも素敵である。私の持つミミのイメージは、どちらかと言うとゲオルギューの方が近い。
ネトレプコとゲオルギューの間をさまよう私がいます。
「ラ・ボエーム」を語ると尽きないものがあります。

録画を見ながら、以前、安藤美姫さんがEXで「ラ・ボエーム」の音楽を使用したという事を思い出しました。私は、とうとう一度も見る事が出来ませんでした。ぜひ、見てみたいものです。

ミラノ・スカラ座の「レクイエム」その2

2009年10月01日 10時18分41秒 | オペラ
久し振りの公休日である。6連勤が2週続くと、さすがに体が変である。
さてシルバーウィークの頃から、いろいろなテレビ番組の録画を貯めていてボチボチと見ているが昨晩はNHK・BS2で放送された9月に来日したミラノ・スカラ座の公演からヴェルディ作曲「レクイエム」を見ました。
聴いていて本当に我を忘れてしまう作品である。敬けんな宗教性、オペラティクなドラマ性、そしてヴェルディならではの声の輝き。そんな作品を世界で一番、ヴェルディと縁のあるスカラ座のオケと合唱で聴くのだから、聴く前から何か特別な気持ちになってしまいます。
指揮はダニエル・バレンボイム。本当はせっかく一緒に来日したのだからダニエレ・ガッティの指揮で聴いてみたかったというのが私の本音である。
指揮者が誰であれスカラ座のオケと合唱の素晴らしさは言うまでもない。脈々と引き継がれたヴェルディの演奏の伝統の血が流れていて指揮者を超越している感がある。私は必ずしもお国ものにこだわる方ではありませんが、やはりスカラ座のヴェルディは特別である。
さて、この公演の私の一番のお目当ての一つはソプラノ独唱のバルバラ・フリットリでした。おそらく彼女は現在、ヴェルディを歌える世界最高のソプラノだと私は思っています。彼女の声の輝き、鋭さはヴェルディにぴったりである。そして、やはり素晴らしかった!一番楽しみにしていたソプラノのソロによる第7曲のリベラ・ミ(我を許したまえ)は、まさに、やはりこの演奏のハイライトでした。
4人の独唱者の中で彼女のみ楽譜を持たないでステージに登場し暗譜で歌っていました。その姿は本当に何か言い様もない美しさを感じました。また映像で見ると美人である。美人のオペラ歌手というとネトレプコやゲオルギューが思い浮かぶことが出来ますがフリットリは上手く表現できませんが何か内なる面から湧き出てくる美しさを感じました。これが真のプリマドンナの美しさと言うのかもしれません。
ぜひ彼女の歌劇「オテロ」のデズデモナを見たいものです。素晴らしいに違いありません。

この作品を生で聴いたのは一度だけである。東京での大学生時代、カラヤンがベルリンフィルとウィーン楽友協会の合唱団を率いての来日公演でした。たいへんな大昔になってしまいました。残念ですが全体の演奏はさっぱり憶えていません。
しかし確か初来日だったソプラノのミレッラ・フレーニの歌う第7曲のリベラ・ミだけは強烈に印象に残っています。当時の彼女は「ドン・カルロ」のエリザベッタや「オテロ」のデズデモナを歌っていた頃だったので本当にいい時期に聴けて幸運でした。

最後に、昨晩、この死者を悼む作品を聴いた直後、いつも大変お世話になっているシフ様のブログでお父様のご逝去を知り大変驚きました。
謹んでお悔やみを申し上げます。


楽劇「トリスタンとイゾルデ」への想い。その3

2009年09月25日 21時53分49秒 | オペラ
毎週金曜日のお楽しみはNHK・BS2の朝10時から放送されるNHK交響楽団の定期演奏会の放送である。今日の新聞のテレビ欄を見ると単に「N響定期演奏会」としか印されていませんでしたが、細かい内容をチェックしないで、とりあえず録画予約して出勤する。
帰宅後、再生してプログラムを見ると、びっくり仰天!!

ワーグナー作曲 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」そして何と第2幕全曲である!
リンダ・ワトソンのイゾルデ、アルフォンス・エーベルツのトリスタン、そして指揮はイルジー・コウトで昨年11月の定期演奏会の映像である。

今、録画を見終えたばかりである。こんなコンサートがあったのか!というのが実感である。私自身、隅から隅まで見に浸みているくらい愛着のある作品であるが、残念ながら生の音で聴いたことがありません。死ぬまで、一度くらい、このオペラを生きた音で聴くチャンスがあるのだろうか?演奏会形式とは言え、本当に都会の音楽ファンがうらやましい!!
さて演奏会形式でオペラ作品を聴くのも音楽をじっくり聴けてなかなか良い。
オペラ劇場でのオペラ公演では、あまり見る事の出来ないオーケストラの表情や動きが良くわかって面白い。また演出が無いだけストレートに音楽を堪能することが出来るのが魅力的である。
今回の放送ではリンダ・ワトソンのイゾルデで素晴らしかった。プログラム前半の「愛の死」では、もう一つでしたが、第2幕は素晴らしかった。声も良いのですが、何と言っても表情も素晴らしい!それをNHKのカメラが見事にとらえている!さすが「皆様のNHK」である。
思いがけなく「トリスタンとイゾルデ」の第2幕を聴く事が出来て胸が一杯である。
さて来月10月11日、NHKハイビジョン放送でメトロポリタン歌劇場での「トリスタンとイゾルデ」の公演が放送です。
デボラ・ヴォイトのイゾルデ、演出はディーター・ドルン、そしてジェームズ・レヴァインの指揮。
この秋は「トリスタンとイゾルデ」に、どっぷりの様である。

ルチア・ポップ

2009年09月24日 13時28分38秒 | オペラ
たいへん懐かしいオペラ歌手のアンソロジー集が手に入りました。
ルチア・ポップがEMIに録音したオペラ録音からのアリアや歌曲など盛り沢山の内容で7枚組CDのセットが3227円で超お買い得でした。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=3646422

ルチア・ポップは1939年、スロヴァキア出身で主にウィーン国立歌劇場やバイエルン国立歌劇場で活躍していましたが1993年、病のため54歳の若さでなくなった名ソプラノです。もし、元気でしたら、今年はちょうど70歳ということになります。

彼女の魅力は、やはり癖の無い澄んだ情感のある清らかな声にあると思います。オペレッタの作品も収録されていますが、彼女の声には、よくオペレッタの歌唱にある一本調子で表情過多なゴテゴテしさが無いのでメロディの美しさをより楽しむことができます。
今日の朝、彼女の歌うモーツァルトのオペラ・アリアをたっぷりと聴きました。まだ7枚全てを聴き通していませんが、彼女の録音を聴いていて、何か目の前で、たった私一人の為に歌ってくれているような気がするくらいであります。
しかし、やはり圧巻だったのは指揮者のサヴァリッシュのピアノ伴奏によるR・シュトラウスの歌曲集でした。この録音は、まだレコードの時代、購入して私の愛聴盤でしたがCDでの買い直しはしていなかっので、久し振りに聴くことが出来ました。私の大好きな歌曲「万霊節」では、情感あふれる歌唱に言い知れぬ感動を憶えました。単に声の美しさだけでない奥深さと言うべきでしょうか。テンシュテット指揮による「四つの最後の歌」も聴きましたが、彼女の歌うR・シュトラウスの作品は、その澄んだ声が最大に生かされて、何度も聴き直してしまいました。彼女が歌劇「アラベラ」のアラベラ役や「ばらの騎士」のマルシャリン役の全曲録音を残さないで他界したことは、たいへん残念です。
なお、このアルバムのケースの表紙の写真はR・シュトラウスの歌劇「ダフネ」の写真と思われますが、あのチャーミングな舞台姿を彷彿させて感概深くなります。彼女の舞台姿に胸をときめかせた方も多いのでは?と思います。今、このアルバムは私のCD棚でケースを表にして、写真が見えるようにして飾っています。

最後にルチア・ポップの他のレーベルでお気に入りの録音を2つほど。

①ヤナーチェク 歌劇「利口な女狐の物語」(全曲) マッケラス指揮ウィーンフィル(デッカ)
②ドイツの子供の歌 (ORFEO)
②は「蝶々」や「霞か雲か」など、お馴染みの曲が収録されていますが、子供向けと言うのでなく、まさに大人のメルヘンの世界と言って良いでしょう。

シューベルトの歌曲集やスラブ・オペラ・アリア集など、まだこのアルバムに収録されているCDを、まだ全て聴いていないので、この名ソプラノの声に、今しばらく、どっぷりと浸かりそうです。