水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

助かるユーモア短編集 (30)やるだけやるっ!

2019年07月18日 00時00分00秒 | #小説

 ダメと分かっていても、やるだけやるっ! という意気込みで臨(のぞ)めば、上手(うま)くいって助かる場合がある。むろん、この場合の上手くいく確率は極(きわ)めて低いのだが、それでも手を拱(こまね)いて何もしないよりはいい・・という論理が成立する訳だ。━ 人事を尽くして天命を待つ ━ という名言が語るように、やるだけやってダメならダメ元だし、諦(あきら)めがつくというものだ。この例はいろいろあって、手術や恋愛、商談、実験・・などと、多岐に渡る。やる気もないのに嫌々(いやいや)、やるだけやるっ! という手合いは除外していただきたい。^^
 とある病院である。
「先生! どうなんでしょう!?」
「はあ、まあ…。やるだけのことはやりました…」
「やるだけのことは、やっていただけたんですねっ!?」
「ええ、まあ…。やるだけやって下さい・・ということでしたので…」
「はい、確かにそう申しました。ダメ元ですから…」
「でしょ!? ですから、やるだけやるっ! という気分でやりましたよ、そりゃ」
「それでっ!」
「あとは本人に訊(き)いてください。事務長、たかが好きか嫌いかの話じゃないですかっ! 直接、言ってくだすった方が、よかったんじゃないでしょうか?」
「ですから…まだ脈はある訳ですなっ?」
「ははは…そりゃ脈はありますよ。脈がなければ、何時何分でした…なんて言わなきゃならんでしょうがっ!」
「ははは…そりゃ、まあそうだっ!」
 病院の事務長が惚れた看護師とのナニがその後、どうなったか? までは定かではない。まあこのように、やるだけやるっ! と意気込む必要もない、つまらない助かる助からない話が病院にもある・・ということだ。^^ 

                                


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