旧暦の一月七日は『春の七草』と古人より伝えられている。
先日の4日の時にスーパーに買い物に私が行った時、生鮮野菜売り場のひとつのコーナーを設けて、
『春の七草』の可愛らしいパックがうず高く積み上げられていた。
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケグサ、スズナ、スズシロが詰め込まれている。
スズナは野菜のカブであり、スズシロはダイコンであることは多くのお方に知られている。
私はこの七草を見て、遠い日の幼年期の頃が想いだされた・・。
東京の郊外の農家の子として生を受け、昭和26年の小学一年生の頃は、
祖父、父が健在で、程々の広さの田畑を耕していた。
旧暦の一月7日は、今の暦では二月中旬頃であるので、
田んぼのあぜ道、畑の小道の外れに色々な野草が数多くあった。
叔母の二人は、未婚であり、ノビルやヨモギを取り、私達にも食べさせてくれた。
ノビルは今でいうとラツキョの小型の形をしており、真っ白な小玉が先端にあり、
さっとお湯をとおした後、味噌に砂糖を加えた甘味噌を付けて口に含んだりした。
早春の頃は、カブ、ダイコン、ホウレンソウ、ネギ等の野菜の中、
子供心にもノビルは春の香りを感じたりしていた。
ノモギも叔母達が摘んで、撞(つ)きたての餅などに入れ、私達も香りと歯ごたえを共にした。
ナズナはペンペングサと呼んでいたが兎を兄達が飼っていたので、餌としていたと思われる。
この他の七草は多分生えていたと思われるが、幼年期であったので、記憶が定かでない。
私の住む地域では、昭和30年を過ぎた頃から田畑は消えうせ、急激に住宅地に変貌した。
私はあの時代に口にした早春の食べ物として、主庭の一角にフキを植えている。
二月の初旬頃にフキノトウとして、頂いている。
現役時代、激務の業務を終え、休みの昼下り庭に下り立つと、
フキノトウを見かけると、十幾つかは摘めるので、
家内に手渡しする。
水洗いをした後、フキノトウに味噌を少しつけ、アルムホイルに包んで火であぶる。
私も台所の一角の簡易テーブルで、弐合徳利とぐい呑みで待機する。
フキノトウの苦味、香り、歯ごたえを味わい、ぬるめの辛口の純米酒を呑むと、
春が来た、と思っている。
庭先を観れば、白梅は莟(つぼみ)か数輪の花が見られる時期である。
退職後の今は、原則として日中のお酒は自粛しているので、
夕食前に味わうが、特にフキノトウに関しては昼前、昼下りのひとときは、味は倍増すると確信している。
待ち焦がれた早春、フキノトウを摘みながら、今年も・・と感動しながら味合うので、
実感もさることなから余情を増すのかしら、と呑べいのひとりとして思っている。
先日の4日の時にスーパーに買い物に私が行った時、生鮮野菜売り場のひとつのコーナーを設けて、
『春の七草』の可愛らしいパックがうず高く積み上げられていた。
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケグサ、スズナ、スズシロが詰め込まれている。
スズナは野菜のカブであり、スズシロはダイコンであることは多くのお方に知られている。
私はこの七草を見て、遠い日の幼年期の頃が想いだされた・・。
東京の郊外の農家の子として生を受け、昭和26年の小学一年生の頃は、
祖父、父が健在で、程々の広さの田畑を耕していた。
旧暦の一月7日は、今の暦では二月中旬頃であるので、
田んぼのあぜ道、畑の小道の外れに色々な野草が数多くあった。
叔母の二人は、未婚であり、ノビルやヨモギを取り、私達にも食べさせてくれた。
ノビルは今でいうとラツキョの小型の形をしており、真っ白な小玉が先端にあり、
さっとお湯をとおした後、味噌に砂糖を加えた甘味噌を付けて口に含んだりした。
早春の頃は、カブ、ダイコン、ホウレンソウ、ネギ等の野菜の中、
子供心にもノビルは春の香りを感じたりしていた。
ノモギも叔母達が摘んで、撞(つ)きたての餅などに入れ、私達も香りと歯ごたえを共にした。
ナズナはペンペングサと呼んでいたが兎を兄達が飼っていたので、餌としていたと思われる。
この他の七草は多分生えていたと思われるが、幼年期であったので、記憶が定かでない。
私の住む地域では、昭和30年を過ぎた頃から田畑は消えうせ、急激に住宅地に変貌した。
私はあの時代に口にした早春の食べ物として、主庭の一角にフキを植えている。
二月の初旬頃にフキノトウとして、頂いている。
現役時代、激務の業務を終え、休みの昼下り庭に下り立つと、
フキノトウを見かけると、十幾つかは摘めるので、
家内に手渡しする。
水洗いをした後、フキノトウに味噌を少しつけ、アルムホイルに包んで火であぶる。
私も台所の一角の簡易テーブルで、弐合徳利とぐい呑みで待機する。
フキノトウの苦味、香り、歯ごたえを味わい、ぬるめの辛口の純米酒を呑むと、
春が来た、と思っている。
庭先を観れば、白梅は莟(つぼみ)か数輪の花が見られる時期である。
退職後の今は、原則として日中のお酒は自粛しているので、
夕食前に味わうが、特にフキノトウに関しては昼前、昼下りのひとときは、味は倍増すると確信している。
待ち焦がれた早春、フキノトウを摘みながら、今年も・・と感動しながら味合うので、
実感もさることなから余情を増すのかしら、と呑べいのひとりとして思っている。