夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

早春の若菜摘(つ)みの想いで・・♪

2007-01-07 11:10:00 | 定年後の思い
旧暦の一月七日は『春の七草』と古人より伝えられている。

先日の4日の時にスーパーに買い物に私が行った時、生鮮野菜売り場のひとつのコーナーを設けて、
『春の七草』の可愛らしいパックがうず高く積み上げられていた。

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベ、ホトケグサ、スズナ、スズシロが詰め込まれている。
スズナは野菜のカブであり、スズシロはダイコンであることは多くのお方に知られている。

私はこの七草を見て、遠い日の幼年期の頃が想いだされた・・。


東京の郊外の農家の子として生を受け、昭和26年の小学一年生の頃は、
祖父、父が健在で、程々の広さの田畑を耕していた。

旧暦の一月7日は、今の暦では二月中旬頃であるので、
田んぼのあぜ道、畑の小道の外れに色々な野草が数多くあった。

叔母の二人は、未婚であり、ノビルやヨモギを取り、私達にも食べさせてくれた。

ノビルは今でいうとラツキョの小型の形をしており、真っ白な小玉が先端にあり、
さっとお湯をとおした後、味噌に砂糖を加えた甘味噌を付けて口に含んだりした。
早春の頃は、カブ、ダイコン、ホウレンソウ、ネギ等の野菜の中、
子供心にもノビルは春の香りを感じたりしていた。

ノモギも叔母達が摘んで、撞(つ)きたての餅などに入れ、私達も香りと歯ごたえを共にした。

ナズナはペンペングサと呼んでいたが兎を兄達が飼っていたので、餌としていたと思われる。

この他の七草は多分生えていたと思われるが、幼年期であったので、記憶が定かでない。

私の住む地域では、昭和30年を過ぎた頃から田畑は消えうせ、急激に住宅地に変貌した。

私はあの時代に口にした早春の食べ物として、主庭の一角にフキを植えている。
二月の初旬頃にフキノトウとして、頂いている。

現役時代、激務の業務を終え、休みの昼下り庭に下り立つと、
フキノトウを見かけると、十幾つかは摘めるので、
家内に手渡しする。

水洗いをした後、フキノトウに味噌を少しつけ、アルムホイルに包んで火であぶる。

私も台所の一角の簡易テーブルで、弐合徳利とぐい呑みで待機する。

フキノトウの苦味、香り、歯ごたえを味わい、ぬるめの辛口の純米酒を呑むと、
春が来た、と思っている。
庭先を観れば、白梅は莟(つぼみ)か数輪の花が見られる時期である。

退職後の今は、原則として日中のお酒は自粛しているので、
夕食前に味わうが、特にフキノトウに関しては昼前、昼下りのひとときは、味は倍増すると確信している。

待ち焦がれた早春、フキノトウを摘みながら、今年も・・と感動しながら味合うので、
実感もさることなから余情を増すのかしら、と呑べいのひとりとして思っている。







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東京の郊外は、茜雲(あかねぐも)の朝を迎えて・・♪

2007-01-07 07:46:00 | 定年後の思い
東京の郊外は、昨日は雨が降り寒々しい一日であった。
夜になると雨はあがり、静寂さを増していた。

朝の5時過ぎに庭に下り立つと、暗い夜空の中、月が煌々(こうこう)と光をはなっていた。

煎茶を淹れ、新聞をゆったりと読んだりした後、
日の出の時刻と思われた頃に、戸を開けた・・。

澄み切った水色の中、幾重の雲が赤く染まり、しばらく見惚(みと)れていた。
風もなく、まぎれもなく快晴の予感をさせる朝の空となって折、
何時ものように小鳥が飛来してきた。

居間に戻ると、
低気圧が発達して台風並みに強まり、全国的に強風、大雨、大雪に警戒して下さい、
と天気予報は報じていた。

東京の郊外は、快晴となり13度前後の穏(おだ)やかな一日を迎える。

『春の七草』の朝であるので、せめてこの日ぐらいは全国は穏やかな一日を迎えたいが、
天上の神様のひとつの気象の神に対し、どうして・・と呟(つぶや)いたりしている。


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