先程、愛読している講談社の公式サイトのひとつの【 現代ビジネス 】を見ている中で、
『 「血管」は、何歳からでも鍛えられる・・・
若さと健康を保つ「血管のほぐし方」、そのスゴい方法をお教えします と題された見出しを見たりした。
《・・
多くの人が悩みを抱える「血圧」や「血管」にまつわるさまざまな情報を紹介している。
同書より、「血管寿命」にまつわる記事をおとどけする。
☆日本人は「血管で死ぬ」
人の体内では、およそ5リットルもの血液がつねに循環している(体重が65kgの場合)。
その血液を体のすみずみまで届けるための「水道管」が血管だ。
仮に、ひとりの体内に張りめぐらされた血管をまっすぐにつなげると、
その長さは10万kmに達し、地球を2周半してもまだ余る。
歳を重ねるにつれ衰えるのは、心臓や肺、胃腸といった大きな臓器だけではない。
壁の中を通る水道管の傷みが見えづらいのと同じように、
ふだんは意識しづらい、血管という「隠れた臓器」もまた、加齢によって大きな影響を受ける。
「まず知っておいていただきたいのは、血管も実は『筋肉』でできているということです。
人の血管は3つの層からなっていて、
外側から外膜、中膜、内膜と大まかに分けることができます。
そのうちの中膜は、血管平滑筋という筋肉からなっている。
これは歳をとるにつれて石灰化(カルシウムが沈着すること)して硬くなっていきます。
さらには、『線維芽細胞』とよばれる繊維質のものが増えてゆき、
血管の壁は柔軟性を失い、伸びづらく、広がりづらくなっていくのです」
(立命館大学スポーツ健康科学部教授の家光素行氏)
経年劣化でもろくなった水道管は、
中を通る水の負荷ですり減って、水圧に耐えきれずいつか破れる。
同じく血管も、血液が流れれば流れるほど、劣化し消耗してゆく。
家光素行氏が続ける。
「血管が硬くなり、さらに損傷すると、
炎症が生じたところにLDL(悪玉)コレステロールなどが入りこみ、血管の内側にたまります。
それが肥大化すると『プラーク』という塊ができて血栓をつくり、
脳や心臓の血管を詰まらせるわけです」
日本人の死因のトップ5には、つねに脳血管疾患と心疾患がランクインしているが、
これらはいずれも血管が破れたり、詰まったりすることで起こる病気だ。
また、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の背後にも、動脈硬化が隠れている。
日本人の多くが「血管寿命が尽きて死んでいる」と言っても言いすぎではないのだ。
☆こり固まった血管をストレッチ
それでも、あきらめる必要はない。
血管が「筋肉」からできているということは、血管も体のほかの部分と同じく、
ストレッチしたり、鍛えたりできるということにほかならない。
メンテナンスさえ怠らなければ、衰えた血管は、ふたたび元気になる。
つまりは、血管寿命を伸ばすことができるのである。
ただしそのためには、正しい手順をふむ必要がある。
まずやるべきは、硬くこり固まった血管を「ほぐす」ことだ。
体内の血管は、まわりを筋肉でびっしり取り囲まれている。
その筋肉が固まった状態では、血管を自由に動かし、伸ばしたり広げたりすることはままならない。
「私が参画した研究では、60歳以上の男女132人を対象に行った実験において、
体が硬い人は、柔らかい人よりも動脈硬化が進行していることがわかりました。
靴下をはくのがつらい、前屈ができないといった人は、
血管が、かなり硬くなっている可能性が高いのです。
固まった血管をほぐすうえで効率的なのは、
体の中でいちばん筋肉の量が多く、太い血管も通っている脚をねらったストレッチです。
血流が悪い人は、下半身に血液が溜まりがちになりますが、
脚をストレッチすれば、溜まった血をしっかり心臓へ押し戻す効果も期待できます」(家光氏)
とりわけ、脚についている血管と筋肉で重要なのが、この4ヵ所だ。
(2) ふくらはぎにある後脛骨動脈とヒラメ筋・腓腹筋
(3) 膝の裏を通る膝窩動脈
(4) 足の甲を通る足背動脈と足先の毛細血管
これらをストレッチするための4つの方法を下図に示したので、順に解説していこう。
いずれも、イスに座ったまま15秒ずつキープして、片脚につき合計1分やるだけで、十分に効果がある。
☆「伸ばして、休む」が肝心
1の「前もも伸ばし」では、
イスに横向きに座り、お尻の片側だけを座面に乗せる。
背もたれを持って、座面に乗っていないほうの脚を後ろへ伸ばそう。
このとき上半身が前に倒れないように、できるだけ背筋をまっすぐ立てるのがコツだ。
2の「ふくらはぎ伸ばし」は、
イスに浅く腰かけ、片脚をかかとが浮かない程度に、少し後ろへ引く。
その状態で、引いた脚の膝に両手をつき、前傾するようにして押し込もう。
ふくらはぎが伸びるのがわかるはずだ。
ここで、ストレッチをするとき、全般的に気をつけるべきポイントをふたつお伝えしたい。
呼吸を止めないようにすること、そしてきちんとストレッチ後に休息をとることだ。
「ストレッチに一生懸命で、呼吸が止まってしまう人が多いのですが、
息を止めると血圧が上がり、かえって血管に負担をかけてしまいます。
どうしても呼吸が止まる人は、声に出して15秒数えるのがいいでしょう。
また、いちばん血流が増えるのは、実はストレッチの最中ではなく直後です。
焦ってすぐに次の動作へ移らず、10~20秒ほど休みながら、
ゆっくりとストレッチしましょう」(前出・家光氏)
3の「膝裏伸ばし」でも、2と同様にイスに浅く腰かける。
片脚を前へ伸ばしたら、膝に手をあてて下へ押し込むようにする。
このとき、膝と肘が曲がらないように気をつけよう。
ここまでで、脚の主な血管と筋肉がほぐれたら4の「足の甲伸ばし」で総仕上げだ。
片脚をもう片方の膝に乗せたら、足先を持って背もたれにもたれかかる。
足先には毛細血管が集中していて、血液が流れづらい。
足の冷えが気になる人は、とくに動脈硬化のリスクが高いので、入念にやろう。
それでも、続けることでだんだんと血流がよくなって体温が上がり、血管はしなやかになっていく。
姿勢をキープする時間は、それぞれのポーズにつき5秒や10秒でもいいので、毎日やるのが肝心だ。
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。