ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

上げ足は遅く、下げ足は早い日本株

2013-07-29 13:38:21 | 経済

ここ数日、日本株が下がっている。5月あたりからの株価の動きをみると、5月末にドーンと下がって以来、じりじりと元に戻してきたのだがここへきてまたドーンと下がったという感じである。上がる時は少しずつ上がり下げる時は一月分くらいを2-3日で下げるというパタンだという気がする。

アベノミクスで円安になり、株価も上がってきたのだが、皆不安を持ち、疑いつつも株を買っているのだが、ちょっと下がり始めると「それ」と一斉に売りに出る、疑心暗鬼が株価の動きに出ている感じがする。株価の値上がりは日本企業の将来性を買うというよりも、為替レートが戻ってきたことに加えて、不安定ながらもアベノミクスに期待しているからだ、ということができると思う。それでも為替レートは大きくは動いていないのでまたじりじりと戻ってくるのではないかと思っている。

日本経済の実力はどうかというと、自動車産業は地力があると思うが、私の関わっている情報通信産業はじり貧を免れないだろう。精密機械や素材産業はまだら模様で良いところも悪いところもある感じがするが全体としてはしっかりしている感じがする。第1次産業は全般的に弱く、医療関係も弱い感じがする。サービス業は強くなってきている感じがするが、日本から外に出ていけるかどうかは疑問に思う。インフラ産業は全体的に技術面では高いものを持っているが、グローバル化がうまくないという状況の中で、商社が頑張っている感じがする。金融もそれほど競争力がるとは思えない。

こういった全般的な状況が最近の日本株の動きに象徴されている感じがする。強いところから税金を取って弱いところに配分するようなことをすれば日本経済全体が減速してしまうだろう。参議院選挙が終わって安倍政権に新しい積極的な動きを期待している。


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1 コメント

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次の成長産業 (世田谷の一隅)
2013-07-31 14:58:40
株の上がり下がりに一喜一憂するのは暫く棚上げにしましょう。上下するのが速いとか遅いとかは、少なくとも半年、望むらくは2~3年の期間で見守ることにしましょう。

もうひとつ、就業率、失業率の国際比較も分かりますが、それぞれの国において雇用率、雇用環境、雇用条件が
異なるので一義的な比較は難しいと思います。むしろ、同一の国において、過去との比較で、失業率が過去にどのように変化してきたかを図示・比較することで状況が把握できると思います。

それよりも、安倍のミックスの次の期待は新しい成長領域です。ちょうど米国の製造業(組立て)が衰退し始めた頃に、米国は情報産業が立ち上り始め、インターネットの普及と一緒になって、新しい産業領域が広がりました。

衰退した製造業から余剰となった人達の多くが「情報産業」、「その関連サービス産業」に、新しい働き場を探し、実現しました。

日本が求められているのも、その産業構造の変換に対し、新たに働く場を創造すること、従来の産業から、その新しい産業領域へ、人的な移動をスムースに行うこと。

移動を余儀なくされた人達は大変だと思いますが、従来の産業の中では構造変化が起き、余剰として抱える余裕がなくなったことを考えれば、早めに移ること、そのための取り組む、準備をすることは大変重要です。

欧米では、この新旧産業間での人的移動が日本より比較的容易に進みますが、日本ではなかなか進みません。

これは雇用環境、雇用条件に加え、労働者側の意識も大きいと思います。新しい成長産業を支援すること、それに向かっての従来型産業からの人的移動を促進すること、私はそれを行政に期待しています。


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