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庭の時間 |
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文化出版局 |
「ジャムの実を採るために、畑をやってるの?」
結果として果樹の実を収穫してジャムを作ってそれを販売することが出来ればありがたいし
ジャムなどに商品化出来なくても畑の野菜を食卓のおかずに出来ればおいしいし嬉しい。経済的にも。
でも私の場合、畑やってて一番楽しいのは花を見ること。
野菜の花も果樹の花も雑草の花もみんなそれなりにきれいだけど
本音を言うと、食卓を彩る野菜の種を播くよりも、ジャムにするための果樹の苗を植えるよりも、
好きな花の種をまいたりきれいな色の花の苗を植えることが一番楽しい。
どうしたら野菜や果実がたくさん採れるようになるかとか、
ハーブや薬草の葉を乾燥させて商品化出来ないかとか、
功利や効率を考えながら土いじりとしているとだんだん嫌んなってくる。
そんな時には側らの花を眺めて気持ちを整える。
「庭」をテーマにした2冊の蔵書のうちのもう1冊。
料理家として尊敬する辰巳芳子さんの「庭の時間」は
1年12カ月毎四季折々の庭の植物が織りなす風景、旬の素材を使った料理のレシピ、
そして背筋がシャンと伸びるような語り口のエッセイが並んだ一冊。
香る5月のレシピは柚子の花を浮かべた野菜のコンソメスープ。
匂い立つような美しい風景と料理の写真を眺めながら
日本に生まれ育って良かったと思う一番の理由は「四季があること」だな~としみじみ思う。
柚子の花をコンソメに浮かべ、眺めて楽しみ香りをふくみスープを味わう。
柚子の木が庭に生えているからこそ出来る贅沢な味わい方を妄想してうっとり。
でも今年はうちの柚子、花が少なかったからやりたくてもやれません~
*6月6日のカノン16で展示します。