明治時代 ここ金沢近辺は、東京近郊の海浜別荘地として注目され
政財界などの著名人が別邸を設け、後に大磯・葉山など湘南地方に
移って行きその役割を終えるまで、別荘地として栄えました。
博文公金沢別邸は、東京湾に面して続く海岸線に沿った松林の中に
1898(明治31)年に建設された茅葺寄棟造りの平屋の建物でした。
2006(平成18)年 横浜市有形文化財に指定されましたが、建物の
老朽化が進んだため解体・調査がなされ、2008(平成20)年から
創建時の姿に復元する工事が始まり、2009年に竣工しました。
第1・3月曜の休館日以外(9:30~16:30) 無料で見学できます。
海岸に面して、
台所棟・客間棟・居間棟の3棟が廊下で繋がれています。
西北側にある入口を入ると
まず、「台所棟」
玄関・女中部屋・調理場・水屋が設けられています。
「調理場」
二段戸棚・置き竃・座り流しがあります。
その奥に、「水屋」
井戸・竃・立ち流し
その奥は、海側に張り出した「客間棟」
庭の玉垣越しに東京湾を一望できる開放感のある日本間
「晴嵐の間(12畳)」・「帰帆の間(12.5畳)」・客用便所があります。
天皇・皇太子はじめ皇族方ご来邸のときも、ここで過ごされたとか。
床の間は、2間半の設え。
「客用便所」
汲取式で、板間に本ウルシ仕上の木製便器。 手洗い場(水屋)は畳敷き。
最奥は、「居間棟」
博文公の書斎・寝室など、日常生活の私的スペースです。
「秋月の間(8畳)」・「夕照の間(8畳)」・湯殿・便所など。
「湯殿」
サワラ材の箱風呂
建物周辺には 明治時代からの松の植栽がたくさん残っており、
当時の別荘風景を彷彿とさせます。 また邸内に展示されて
いる博文公に関するいろいろな資料も興味深く見学しました。
珍しいものがいろいろありますが、中でも「座り流し」なんて初めて知りました。
要所要所の紹介がとても行き届いていますね。
設えなど、さすが日本の初代総理大臣の別邸だけのことはあるなぁと思いました。
客間の縁から海を眺めるのはとても気分がよくて、機会があったら
もう1度訪ねてみたいと思いました。