仕事から帰り、自宅のパソコンでネットニュースを開いたら、真っ先に出てきたのが「田中邦衛さん死去 88歳」のニュース。
思わず「えっ!」と声を出してしまった。
訃報に接して、声を上げたのは誰以来か※。
※:ブログを確認したら、野村克也氏の時。
実は、すでに高齢であることを知っていたので、ひそかに怖れてはいた。
私にとっての田中邦衛は、まずは、東宝映画「若大将シリーズ」(1961-81)の”若大将”(加山雄三)のライバル(悪役)”青大将”が最初(子供時代に観た)。
テレビ番組でもあった「若者たち」(1967)も印象的だった(代表作である「北の国から」は個人的に無縁だった)。
後から知ったが、黒沢明作品「悪い奴ほどよく眠る」(1960),「椿三十郎」(1962)にも出演していた。
おそらく最後の記憶は、NHK大河「新選組!」(2004)での主役近藤勇(香取慎吾)の義父・近藤周斎役。
存在感ある見事なバイプレーヤだった。
彼の個性は風貌だけでなく独特の話し方にあり、”ものまね”の対象となるほどで、その意味では、田中邦衛は、どの役をやっても田中邦衛だった。
俳優の個性が役を呑み込む。
それは役に固有の存在感(新たな生命)を与えることを意味する。
私にとって歴史上の近藤周斎は、田中邦衛の顔と声になってしまった。
その意味で、これからもずっと記憶に残る俳優だ。
追記:wikiによれば、彼は岐阜県の土岐市出身で、出た高校は麗澤瑞浪高校(中高一貫校)。この高校、恵那の安宿チェーンに泊る時に通る沿道にあり、先日通ってきたばかり。