今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

七歳児のサバイバル能力!

2016年06月03日 | 防災・安全

行方不明から一週間後に発見された七歳の大和君。

当日のモーニングショーでは、通常の行方不明事件でなく別種の事件性を示唆して次のコーナーに移ったところで、無事発見の報が入った。

私自身の推測は、父から2度目の置き去り措置を受けてヤケになって(父を心配させてやろうと思って)、わざと隠れるように道なき道に入りこみ、迷子になって、低体温症で衰弱してしまっているというものだった。
一週間なら水さえあれば生命は維持できる。
険しい山地ではなく、おだやかな山裾なので、転落・溺死・凍死などの遭難死は、7歳といえどもなさそうだった。

結局その日の晩に自衛隊演習場の廠舎に入り込み、水だけで一週間生きた。
その間の雨天や寒気が気になっていたが、その危機を回避できていたのだ。

置き去りにされた場所から自衛隊演習場までの森の中の林道を、国土地理院の地形図でたどると五差路になっていて、そこを航空写真で見ると一番太い道が駒ヶ岳に向っている。
大和君は賢明なことに、道なりには行かず、山から下る細い道を選んだことになる。
山の中の林道なので、真っ暗で人の気配がまったくない。
心細くて泣きながら歩いたのではないか。
運良く演習場に達し、部外者立ち入り禁止の中に入れたのも、今までの林道とほとんど変わらない演習場内の広大な敷地をさ迷い、鍵がかかってなかった廠舎に入れたのも、山を下る方向をきちんとたどった行動力のおかげだ。  

結局、体力を無駄に消耗することなく、また厳しい天候の影響からも免れて、生命力を維持できた。
人工的施設の中だったから、精神的にも不安定にならなかったろう。

とにかく、この子のサバイバル能力に感嘆した。

私はもともと、漂流譚(特に無人島)が好きで、それらを読むと、人間はたった一人で絶望的な環境に陥っても、生の本能さえあれば、たくましく生き抜くことができるという実話に、勇気を与えられてきた。

生と死の紙一重の境界線内に踏みとどまっていれば、このように七歳児でも生き抜くことができるのだ。