今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

道路からの反射紫外線量を測る

2016年06月01日 | 計測

”計測マン”の進化は留まることをしらない

今回、紫外線量を直接計る計器が追加された。
今までは気象の定点観測としてのUV計とやはり携帯のUV計しかなかったが、
そのUVIndex計算の元となる物理量としての紫外線量(測定帯域250-390nm)が測れることとなった(単位はmW/cm2)。

計器はマザーツール社のSP-2UV。
上の帯域は UV-A(320-400),UV-B(290-320)を網羅している。

世間では、紫外線は太陽からの直射だけでなく、雲や道路から浴びる量も無視できないと言われている。
ただしこれを強調するのは、UVケア商品の販売と結びついている側なので、盲信しない方がよい
(水素の効果を喧伝するのが、水素水販売側であるのと同じ)。

そこで計測マンとして、それらが実際どのくらいの紫外線を放っているか定量的に確認してみる。

本日、12:30以降の外で測った。
当時の雲量は5程度で、晴れ間と青空があるが、巻雲と巻層雲もだいぶある状態で、日射は時たまさえぎられる。

まず太陽からの直達紫外線は、4.1mW/cm2(以下、同単位)。
この値は、経験上UVIndexとして読み替えることができ、「中程度」の評価に相当。

さてほぼ同時刻の太陽以外の空はおよそ3mW台(もちろん太陽方向に近いほど値が高く、とおいほど低い)。
これは紫外線の直達と大気への散乱の割合による。 
同じ空でも日陰で測ると0.5に減る。 
つまり直達がまったくない純粋な散乱量はこれぐらい。 

一方、足下のアスファルトの道路(日なた)では0.13。
白い壁面(垂直面)は0.11
ちなみに、車にかぶせた銀色の反射カバーは0.3 とやや高い。

ついでながら、UVカットの我が眼鏡のレンズを通すと、4あった太陽直達量が0.5に下がり、
0.13の地上の日なたの道路の反射は0になる。

以上から、われわれが浴びる紫外線量は、直達>散乱>反射 の順であり、
地上での反射は、強くても空の1/10以下であることがわかる。
ということは、直達紫外線を防御する以外には、
空全体からの散乱に留意すべきであって、地上からの反射はほとんど無視していい。
地上からの反射は、UVIndexに置き換えると1未満なので「安心して戸外ですごせる」レベルだからだ。 

むしろ皮膚に悪影響を与えないレベルの紫外線には、殺菌作用とビタミンD合成作用を期待したい
(すなわち、紫外線の完全遮へいはかえって体に悪い)。 

「紫外線が0でなく、少しでもあると危険」という発想は、定性的な善玉悪玉論であって(「マイナスイオン」発生器にも使われている論理)、科学(定量)的ではない。
”紫外線悪玉論”に洗脳され、”黒色”で紫外線を完全防御しているご婦人をときたま見かけるが(可視光による光線過敏症の防御と異なる)、”骨粗鬆症への道”を突き進んでいるとしか思えない。