今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

始業前の月川温泉

2016年04月03日 | 温泉

今年度も「始業前の温泉」に行って英気を養う。
今は新車”赤チンク”(赤いFIAT500)を得ているので高速での遠出も厭わない。
といっても一泊なのであまり遠くだとかえって疲れる。
ほどよい距離として南信の昼神温泉郷(まだ訪れていない)あたりに目をつけ、
温泉街からポツンと離れた月川(つきがわ)温泉「野熊の庄 月川(げっせん)」という宿がとれた。

ここに車で行くには閉所恐怖症になる「恵那山トンネル」を抜けなくてはならないが、今度の車なら素早く通り抜けられるだろう。
とうわけで、桜祭りで賑わう藤が丘を後に、一路中央高速を走る。
RoverのOldminiとちがって新しい赤チンクは、高速でも車内が静かで振動もなく、追い越し車線での加速もスムースでちっとも気疲れしない(miniだと追い越すのに一苦労)。
これなら高速での遠出も疲れなさそう。

懸案の恵那山トンネルも追い越し車線を快走して難なく通り抜ける。
トンネル出口からすぐの園原インタを降り、山に向って少し走るとほとんど人家のない川べりにぽつんと宿がある。

荷物を持って玄関に入ると、女将が出て来て私の名を呼んで確認する。
初対面なのに、しかも玄関前の宿り客の札を見ると他の客も来るはずなのになぜ私ってわかったのだろう(ネットで素顔を公開していないし)。

案内された部屋は10畳に床の間付き。
一人ではもったいない広さ。
気を利かして暖房が入れてあったが私には不要。
トイレはもちろん洗浄器付きで、部屋にいながら宿のwi-fiが使えるのがうれしい。 

ロケーションは集落近くの谷あいなので、窓からの風景は平凡。
この地は、夜の星空が売りなのだが、今日はあいにく雨が降りそうな厚い曇天。

もっとも私の楽しみは温泉。
さっそく湯に入る。
浴槽も洗い場も広くないが、
そもそも客を大量に収容する宿ではないので、不自由はなかろう。
洗い場の湯も温泉を使っているとのこと。

湯は残念ながら泉質名がつかない単純泉で無色透明無臭。

さっそく泉質をチェックする。
露天の浴槽の湯は、電気電導率が604μS,全溶存量が400ppm。
単純泉としては濃い方といえる。
浴室に掲示してある分析表によれば源泉のpHは9とアルカリ性が強いが、浴槽の湯は6.8しかなく、中性といっていい。
酸化還元電位は+216mVと新鮮な湧き水並みの還元性がある。

分析表によればラドンがなんと2nCi(ナノキュリー)あり(≒0.3μSv/h)、フッ素の濃度とともに温泉法での「温泉」の定義に該当する。
これが3だったら療養泉としての”ラドン温泉”と称せた(泉質の濃さ:療養泉>温泉法上の「温泉」)。
ガイガーカウンターを持ってくるんだったと後悔。
というわけで私にとっては、ここの湯は、アルカリ単純泉ではなく(アルカリ性でないし)、準ラドン温泉と評したい。
ラドンはガスなので、効能を得たければひたすら内湯に入るべし(ただし溶存量は露天の方が上)。

夕食は、別室にて。
馬刺しやアマゴの塩焼き、そして飯田産の牛肉によるすき焼きなど地元信州の味を楽しめた(蜂の子やザザムシが出てもOKだったのに)。
これらを地酒とともに堪能。 

夕食後、受付にいた主人に、明日の朝食の時間を指定しにいったら、私の部屋や名前を確認せずに指定が完了した。
この宿の人は、初対面の客でも顔と名前が一致するのか。