今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

新耐震基準の家は強かった

2016年04月23日 | 防災・安全

毎日新聞(ネット版)の記事によると、
今回の熊本地震で倒壊した建物34棟のうち登記簿等により建築時期が判る25棟で、
新耐震基準以前に建てられた(すなわち、旧耐震=既存不適格)建物は23棟、新耐震基準の建物は2棟だったという。
1981年6月以降の新耐震基準の建物は、震度7でも倒壊は免れるという設計である。
倒壊した旧耐震のうち15棟が益城町にあり、
旧耐震の家屋が多い自治体の多くで実施している耐震補強の補助はこの町ではなされていなかった。
そこを狙われたかのように、この町だけ震度7が2回も見舞った。
津波は防波堤の脆い所から崩していくように、災害は防災力の弱い所が狙い撃ちされる。

旧耐震と新耐震との被害状況のコントラストは、今回だけでなく、
実は兵庫県南部地震や中越地震(いずれも直下型)でも如実だった。
すなわち、1981年6月以降に、建築基準法に則ってきちんと建てられたなら、
今回のような地震でも倒壊(=圧死)だけは免れる!

ただ新耐震ながら倒壊した2棟が気になる。
この2棟の情報はないので、一般論でいうと、まず地震がない地域という認識により、
熊本県の耐震基準が一般の8割止まりに緩和されていたということをテレビ番組で知った。
まずこの点を押えておかないと、新耐震そのものの信頼性に支障をきたす。

あと、世の中にたまにあるのが、耐震偽装(昔日の姉歯事件)、
あるいは設計は基準に合致しても施工レベルのごまかし(横浜のマンション)。
その他に、建築後の違法な増改築によっても耐震性は劣化する。 
また、一階部を駐車スペースにしたり、大きな開口部を作ったりすると、本来の耐震性は得られない。 

逆に以上の問題がなければ、新耐震基準は心強い基準であることが直下型地震のたびに証明されているわけだ。
旧耐震の家は、そのまま住み続けるなら、筋交いをつけるなどの耐震補強をすべきだ。
多くの自治体(市町村)では、上限つきの補助制度がある。